瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

北杜夫「僕の怪談」(1)

 2014年7月29日付「北杜夫『楡家の人びと』(09)」に取り上げた、KAWADE 夢ムック 文藝別冊「追悼総特集 北 杜夫 どくとるマンボウ文学館」であるが、2016年4月10日付「遠藤周作「幽霊見参記」(09)」に取り上げた文藝別冊「遠藤周作」と同様に増補新版が出た。
KAWADE 夢ムック 文藝別冊「北 杜夫 増補新版 どくとるマンボウ文学館」2012年7月30日初版発行・2016年7月30日増補新版初版発行・定価1300円・河出書房新社・271頁・A5判並製本

 表紙と背表紙は異なっているが、裏表紙は文字の異同程度でレイアウトは同じ。細かい異同は後程確認することにして、今はざっとしたところを見て置くに止める。
 表紙の裏、〔初版〕は軽井沢高原文庫「北杜夫展」2012年7月14日(土)〜10月8日(月)の広告だったが、〔増補新版〕は水色地に文字を白にして、キャプション左下に縦組み「戦時下の橋本碩氏宛て葉書」の通信面を示す。裏表紙の裏にはキャプションがないが、別の葉書の通信面を同様にして示す。〔初版〕の裏表紙の裏には、上段、群馬県土屋文明記念文学館の第77回企画展「追悼・どくとるマンボウ北杜夫―昆虫躁うつ文学平成24年7月14日(土)〜9月17日(月・祝)の広告、下段は「母と子に贈る日本の未来館<シベールアリーナ&遅筆堂文庫山形館>」の広告。
 前付4頁(頁付なし)は〔初版〕は青緑色で印刷していたが、〔増補新版〕は茶色で刷っている。1頁めの扉のレイアウトは同じで、王冠型に横組みで薄く「追悼総特集」と入れていたのを濃く「増補総特集」と変えたのみ。2〜4頁め「目次」の、2〜3頁め見開きは殆ど同じで、2頁めの右下にある扉と同様の題の「追悼総特集」が「増補総特集」に変わっているのみ。余白の多かった4頁めを組み直して下部に余裕を作り、そこの横組みで「増補 新発見! 北杜夫孵化直前の<宗吉ワールド>」の目次が組まれている。
 1頁(頁付なし)中扉も「追悼総特集」が「増補総特集」に変わっているのみ。
 以下、2〜213頁は「目次」で見る限り一致しているが、実は異同がある。
 巻末、〔初版〕214〜223頁の[資料]は、〔増補新版〕262〜271頁にスライドしているが、最初の3頁、小山内伸「北杜夫主要作品ガイド」と最後の2頁、作成・斎藤国夫「北杜夫略年譜」は変更なく、中間の5頁、編集部による「北杜夫著作目録」の最後の頁、3段組の下段の最後に〔初版〕には、

*各種の文学全集に収録されたものや、翻訳著作に/ ついては割愛した。        (編集部)

との注記があるが、〔増補新版〕にはもう1行、

*この続きは二〇七頁です。

とある。207頁を見るに、2段組の下段が4行で終わり、以下が〔初版〕では余白になっていたところに、〔増補新版〕には、

北杜夫著作目録2012・10〜)―――――――――――――――

として「●単行本目録」に7点7冊、「●文庫目録」に10点10冊を挙げる。これは念のため、269頁の続きであるとここにも注記して置くべきだったろう。
 〔増補新版〕に於ける「増補」は214〜261頁に新発見の7点と斎藤国夫「作品解題」、ここに記事の題にした「僕の怪談」は6点め、250〜253頁に掲載されている。(以下続稿)