瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

不思議な世界を考える会 編『怪異百物語』(1)

 2016年12月20日付「『夢で田中にふりむくな』(2)」に構想を述べた、ポプラ社版『怪異百物語』全10冊の目録化を試みることにした。このシリーズは「不思議な世界を考える会会報」を主たる典拠としているのだが、この「会報」は『夢で田中にふりむくな』の他、白水社版『日本の現代伝説』シリーズ全4冊、そして昨日まで「参考文献」を一通り眺めた常光徹講談社KK文庫版『学校の怪談』シリーズでも主要な典拠として使用されている。
 収録した全ての話に通し番号が打たれ、何年何月の何号に載ったのかが巻末の「参考資料一覧」に纏められている。私としては、いつ、どこの学校に通う何年生の誰に聞いたのか、と云った情報が、いろいろなことを判断するためには必要だと思うのだけれども、話の由来に関する情報量が限られて、数が多いということは、目録化が簡単だと云うことでもある。とにかく上記の諸シリーズは「不思議な世界を考える会会報」に載る話を何度も使い回しており、会員にならずに「不思議な世界を考える会会報」を閲覧する手段が分からないので取り敢えずこのシリーズを基準に、使い回しの状況などについて確認して置くための作業を済ませて置こうと思うのだ。
 1頁(頁付なし)扉、2〜3頁(2頁は頁付なし)の見開き「はじめに」は米屋陽一「百物語の世界」。4〜5頁(頁付なし)「もくじ」という構成は全10冊共通。
 「はじめに」の左(3頁左)に中を灰色にした枠があり、上部に「この本の/使用上の注意」とあって、箇条書きで2段に3条、

・この本にのっている話は、だれかが語/った話を主にしています。*1
・掲載にあたっては、わかりにくい言葉/をやさしくするなど、読みやすいように、【上】一部手をくわえています。*2
・もとの話は、各話のうしろの( )内/の数字でさがせます。巻末の「資料一覧」/をみてください。*3

とある。各話の末尾に附されている括弧の数字及び題と、掲載位置(縦組み・横組みの本文とイラストが入り乱れており、1行の字数も文字の大きさもまちまちで、行数を示しても分量の参考にはならないので頁と大体の位置を示すに止めた)、ローマ数字の頁付のある横組みの「資料一覧」の記載(ゴシック体)を対照させて、以下に1冊ずつ示す*4。同じような話が同じ頁に纏められているが、これら複数の話を纏めた題が附されている場合とそうでない場合がある。また、個別に題が附されるが、中にはそれがなく同じ題の下に複数の話が集められているものもある。その場合は1話めだけでなく各話に同じ題を入れた。典拠を同じくする話が他の本に採られている場合、*にて注記した。
・1『現代の妖怪』(155+Ⅳ頁)
・2003年7月 第1刷発行・定価780円
・2007年7月第5刷・定価780円
望月新三郎・編「特集 現代の妖怪と、ちょっとむかしの妖怪」(9〜65頁)
・細いすきまに女の人が!!
(1)たんすと壁のすきまに(14頁上)
  1   『女子高生が語る不思議な話』/      (久保孝夫 青森県文芸協会 1997年)
(2)冷蔵庫と戸だなのすきまに(14頁下)
  2   『会報』49(2000年5月)
・おばあさんそんなにいそいでどこへいく!!
(3)走るリヤカーのおばあさん(15頁右上)
  3   『女子高生が語る不思議な話』(前記)
(4)トンネルの中を走るおばあさん(15頁左上)
  4   『女子高生が語る不思議な話』(前記)
(5)四時ばば
  5   『会報』45(1997年11月)
(6)ムラサキババア(16頁右上)
  6   『会報』36(1994年10月)
(7)ムラサキおばさん(16頁左上〜右下)
  7   『会報』48(1998年12月)
(8)てんじょうからのぞく(16頁下)
  8   『会報』34(1994年3月)
(9)白い着物の女(17頁右上)
  9   『女子高生が語る不思議な話』(前記)
(10)あずきとぎ(17頁左上)
  10  『会報』16(1989年5月)
(11)背中をポンと、たたかれて…(17頁下)
  11  『会報』22(1991年1月)
(12)黒い雲が…(18頁右)
  12  『会報』48(1998年12月)
(13)のっぺらぼう(18頁左上)
  13  『会報』49(2000年5月)
(14)閉めたはずのカーテンが…(18頁中左)
  14  『女子高生が語る不思議な話』(前記)
(15)ぬりかべは本物だよ(18頁左下)
  15  『会報』51(2001年11月)
(16)一つ目小僧(19頁右上)
  16  『女子高生が語る不思議な話』(前記)
(17)幻の犬(19頁右下)
  17  『会報』40(1995年10月)
(18)テズルズル(19頁左下)
  18  『会報』27(1992年4月)
(19)一反木綿(20頁上)
  19  『会報』44(1997年4月)
(20)定規のような顔(20頁右下)
  20  『会報』45(1997年11月)
・座敷童子
(21)座敷童子(22頁1行め)
  21  『会報』38(1995年4月)
(22)座敷童子(22頁2行め)
  22  『会報』38(1995年4月)
(23)座敷童子(22頁3行め)
  23  『会報』38(1995年4月)
(24)赤い服の女の子(22頁左上)
  24  『会報』41(1996年2月)
(25)肩をもんでくれた座敷童子(22頁左下〜23頁下)
  25  『会報』41(1996年2月)
(26)教室に住んでいる(23頁右上)
  26  『会報』28(1992年7月)
(27)目かくし(23頁左上)
  27  『会報』48(1998年12月)
・小人
(28)小人の手形や足あとが…(24頁右上)
  28  『女子高生が語る不思議な話』(前記)
(29)小人の手形や足あとが…(24頁左上〜右下)
  29  『女子高生が語る不思議な話』(前記)
(30)小人の手形や足あとが…(24頁下)
  30  『女子高生が語る不思議な話』(前記)
(31)小人のぬけがら(25頁右上)
  31  『会報』51(2001年11月)
(32)ころぶ(25頁上中)
  32  『会報』44(1997年4月)
(33)二十センチの人(25頁左上〜右下)
  33  『会報』44(1997年4月)
(34)小さな、小さな(25頁下)
  34  『会報』46(1998年3月)
(35)小人をみた(26頁上)
  35  『会報』23(1991年4月)
(36)小人をみた(26頁上)
  36  『会報』30(1993年2月)
(37)小人をみた(26頁上)
  37  『会報』37(1995年12月)
(38)小人をみた(26頁上)
  38  『会報』38(1995年4月)
(39)妖精をみた(26頁中右)
  39  『会報』37(1995年12月)
(40)天使をみた(26頁右下)
  40  『会報』37(1995年12月)
(41)コロポックルをみたよ(26頁中左)
  41  『会報』37(1995年12月)
・テケテケ
(42)テケテケといいながら(27頁上)
  42  『女子高生が語る不思議な話』(前記)
(43)マンションに注意!!(27頁下)
  43  『会報』50(2000年12月)
(44)シャカシャカ女(28頁上〜右下)
  44  『会報』50(2000年12月)
(45)ケタケタ(28頁左下)
  45  『女子高生が語る不思議な話』(前記)
・口さけ女
(46)今でも表情を覚えている(32頁上)
  46  『会報』50(2000年12月)
(47)いってはいけない(32頁下)
  47  『会報』38(1995年4月)
(48)赤いハイヒールにベレー帽(33頁上)
  48  『会報』50(2000年12月)
(49)風のように走る…(33頁右下)
  49  『会報』38(1995年4月)
(50)白い服の女(33頁左下)
  50  『会報』38(1995年4月)
(51)手術に失敗!?(34頁上)
  51  『会報』31(1993年5月)
(52)ポマードとハゲが大きらい(34頁中)
  52  『会報』31(1993年5月)
(53)ボンタンアメをあげて逃げる!!(34頁下)
  53  『会報』31(1993年5月)
(54)ふた口女(35頁上)
  54  『会報』52(2002年12月)
人面犬
(55)人面犬(36頁右)
  55  『会報』51(2001年11月)
(56)ほっといでくれ(36頁上中)
  56  『会報』48(1998年12月)
(57)人面犬は、こんな犬(36頁左上)
  57  『会報』19(1990年4月)
(58)人面犬、知りませんか?(36頁左下)
  58  『会報』19(1990年4月)
(59)人面犬(37頁右上)
  59  『会報』51(2001年11月)
(60)みるなよ(37頁左上)
  60  『会報』51(2001年11月)
(61)Aさんが、人面犬に!?(37頁右下)
  61  『会報』36(1994年10月)
(62)なんだよ(38頁上)
  62  『会報』28(1992年7月)
(63)おどるネコたち(39頁上〜右下)
  63  『会報』6 (1986年9月)
(64)おどるネコたち(39頁下)
  64  『会報』6 (1986年9月)
・河童
(65)河童さん、おねがいします(41頁)
  65  望月新三郎聞き書き
(66)赤い毛の河童(42頁上)
  66  望月新三郎聞き書き
(67)なかよし河童(42頁右下)
  67  望月新三郎聞き書き
(68)河童をみた!(43頁右)
  68  『会報』49(2000年5月)
(69)でる、でた、でた!(43頁)
  69  『会報』34(1994年3月)
(70)でる、でた、でた!(43頁)
  70  『会報』51(2001年11月)
(71)でる、でた、でた!(43頁)
  71  『会報』51(2001年11月)
(72)でる、でた、でた!(43頁)
  72  『会報』52(2002年12月)
(73)でる、でた、でた!(43頁)
  73  『会報』38(1995年4月)
・キムジナー(ブナガヤー)
(74)キムジナーがいたよ(45頁上)
  74  望月新三郎聞き書き
(75)ブナガヤーと漁(45頁中)
  75  望月新三郎聞き書き
(76)ブナガヤーおどり(45頁中左〜下)
  76  望月新三郎聞き書き
(77)赤い毛のブナガヤー(46頁上〜47頁上)
  77  望月新三郎聞き書き
ケンムン
(78)ケンムンがすんでいる木(46頁下)
  78  『奄美の民話』2号(奄美民話の会 2001年8月)
(79)ケンムンの鳴き声(47頁右下)
  79  『奄美の民話』2号(前記)
(80)ケンムン火(47頁左下)
  80  『奄美の民話』2号(前記)
(81)ケンムンをみた!(48頁)
  81  『奄美の民話』2号(前記)
・天狗
(82)天狗につかれたよ(51〜52頁右)
  82  望月新三郎聞き書き
(83)山の中で天狗に…(52頁左)
  83  『会報』45(1997年11月)
(84)天狗さまの おとおりだい!!(53頁)
  84  望月新三郎聞き書き
・タヌキ
(85)タヌキの花火(55頁上)
  85  『会報』20(1990年7月)
(86)タヌキのおはやし(55頁下〜56頁右上)
  86  望月新三郎聞き書き
(87)汽車に化けたタヌキ(56頁左上〜下)
  87  望月新三郎聞き書き
(88)お月さまに化けたタヌキ(57頁右)
  88  望月新三郎聞き書き
(89)タヌキに化かされた話(57頁左)
  89  『民話の手帖別冊 藤原の民話』(日本民話の会・編 1997年)
・ムジナ
(90)汽車に化けたムジナ(58頁右下)
  90  『ふなばしむかしばなし』2(船橋の民話をきく会 1992年)
・きつね
(91)飛行機が飛べない(60頁上)
  91  望月新三郎聞き書き
(92)コイに化けたキツネ(60頁下)
  92  『ふなばしむかしばなし』6(船橋の民話をきく会 1996年)
(93)お夏ぎつね(61頁右)
  93  『ぎょうとく昔語り』 (行徳昔話の会 2000年11月)
(94)出前をたのんだキツネ(61頁左)
  94  『ぎょうとく昔語り』 (前記)
(95)だまされた小僧さん(62〜63頁右下)
  95  望月新三郎聞き書き
(96)狐火パート1(63頁上)
  96  『民話の手帖別冊 藤原の民話』(前記)
(97)狐火パート2(63頁左下)
  97  『会報』52(2002年12月)
・UFO
(98)UFOをつかまえたのに…(64頁上)
  98  『会報』47(1998年11月)
(99)なぜだろう…(64頁中)
  99  『会報』47(1998年11月)
(100)花火のような光をだして(64頁下)
  100 『会報』50(2000年12月)
大島広志 常光 徹 米屋陽一・渡辺節子・編(五十音順)「まだまだあります!こわ〜いお話」(73〜111頁)
(101)血がしたたるアパート(76頁1〜4行め)
  101 『会報』34(1994年3月)
(102)血ぞめのプール(76頁5〜12行め)
  102 『会報』51(2001年11月)
(103)顔をのぞくな(77〜78頁5行め)
  103 『民話と文学の会 会報』50号(民話と文学の会・編 1987年)
(104)タンスからユウレイ(78頁6〜9行め)
  104 『会報』35(1994年7月)
(105)首なしライダー(78頁10行め〜79頁8行め)
  105 『会報』29(1992年10月)
(106)お化けがでる場所(79頁9行め〜80頁9行め)
  106 『会報』30(1993年2月)
(107)おさえる手(80頁10〜13行め)
  107 『会報』35(1994年7月)
(108)手のあと(81頁1〜3行め)
  108 『会報』38(1995年4月)
(109)クラクションを三回(81頁4〜9行め)
  109 『会報』30(1993年2月)
(110)タクシー幽霊(82頁1〜9行め)
  110 米屋陽一聞き書き
(111)うばった指輪(82頁10行め〜84頁12行め)
  111 常光徹聞き書き
(112)おまえだ!(84頁13行め〜85頁17行め)
  112 『会報』48(1998年12月)
(113)洗面器をのぞくと…(86〜87頁15行め)
  113 『会報』42(1996年5月)
(114)ミミをくれー(88頁1〜12行め)
  114 『会報』50(2000年12月)
(115)髪の毛まくら(89頁1〜13行め)
  115 『会報』37(1994年12月)
(116)寒いよ、寒いよ(90頁1〜7行め)
  116 『会報』51(2001年11月)
(117)もうくるな(90頁8行め〜91頁10行め)
  117 『会報』29(1992年10月)
(118)魔のトンネル(91頁11行め〜92頁6行め)
  118 『会報』33(1993年12月)
(119)首が二つ(92頁7〜10行め)
  119 『会報』34(1994年3月)
(120)顔が二つ(93頁1〜6行め)
  120 『会報』25(1991年10月)
(121)電信柱の上のおじさん(93頁7〜11行め)
  121 『会報』25(1991年10月)
(122)木のたたり(94頁1行め〜95頁9行め)
  122 『会報』48(1998年12月)
(123)わら人形を作ったら(95頁10行め〜96頁6行め)
  123 『会報』25(1991年10月)
(124)開かずのトイレ(96頁7行め〜98頁12行め)
  124 『会報』51(2001年11月)
  * 1月25日付「吉田悠軌『ホラースポット探訪ナビ』(1)」に取り上げた「怪談をつくる話」。
(125)トイレの返事(97頁13行め〜98頁6行め)
  125 『会報』40(1995年10月)
(126)ポン(98頁7〜12行め)
  126 『会報』38(1995年4月)
(127)幽霊授業(99頁1行め〜100頁5行め)
  127 『会報』51(2001年11月)
(128)お別れにくる魂(100頁6行め〜101頁9行め)
  128 『民話と文学の会 会報』49号(民話と文学の会・編 1987)
(129)怪獣の目(101頁10〜14行め)
  129 『会報』34(1994年3月)
(130)ワープ(102頁1〜5行め)
  130 『会報』34(1994年3月)
(131)飛んでくる人形(102頁6行め〜103頁17行め)
  131 『会報』51(2001年11月)
(132)守護霊さま(104頁1行め〜105頁3行め)
  132 米屋陽一聞き書き
(133)黒いネッカチーフ(105頁4行め〜106頁9行め)
  133 『会報』21(1990年10月)
(134)太宰治の顔(107頁1〜7行め)
  134 『会報』34(1994年3月)
(135)ネコの親子(107頁8行め〜108頁1行め)
  135 『会報』35(1994年7月)
(136)クモの子ども(108頁2〜11行め)
  136 米屋陽一聞き書き
(137)ビーハイブス(109頁1〜7行め)
  137 米屋陽一聞き書き
(138)写真が増える(109頁8〜13行め)
  138 『会報』25(1991年10月)
(139)一人増えてる(110頁1〜13行め)
  139 『会報』40(1995年10月)
(140)百物語(111頁1〜10行め)
  140 『会報』50(2000年12月)
「外国のコワイ話不思議な話」(113〜121頁)
(141)常光徹「375番路線バス〜中国〜北京」(114〜118頁)
  141 趙丙祥「幽霊のいる現代空間で活きる―中国現代の伝聞についての社会学的研究―」(『東アジアにおける文化交流』国立歴史民俗博物館 2000年)
(142)大島広志「パリのブティック〜フランス〜パリ」(119〜121頁)
  142 大島広志聞き書き
 内容としては話の他にイラストのみの頁や解説コーナーがあるが、これらは別に纏めて紹介することにする。(以下続稿)

*1:ルビ「しゅ」。

*2:ルビ「けいさい」。

*3:ルビ「/かんまつ・しりょういちらん/」。

*4:入力に手間取り当初は不完全のまま投稿した。これが雛型となるので続刊分の作業はやや楽になるはずである。