瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

校舎屋上の焼身自殺(2)

 10月17日付「閉じ込められた女子学生(14)」の、川奈まり子実話怪談 出没地帯』からの引用の後に述べたように、私は校舎屋上での焼身自殺について、さほど興味があった訳ではありません。10月19日付「閉じ込められた女子学生(16)」に述べたようにこの件が、女子美術大学の今はなき和田寮で、夏休みに起こったとされる、女子学生がロッカーに閉じ込められたような按配で死んでいたと云う事件の年代考証に絡んで来るので、多摩美術大学に伝わっている話も含めて一通り眺めて置こうと思ったのでした。
 10月8日付「閉じ込められた女子学生(05)」に述べたように、2017年2月6日付「閉じ込められた女子学生(04)」までに昭和20年代に発表された小説などにも触れながら述べた、発生時期に興味を持っていた話の、昭和末年にまで遡る実例の紹介があるのを偶然手にした川奈氏の本に見付けたのでしたが、しかしそれが選りに選って年代に錯誤があると云う、私に考証癖の発揮を強制する(?)事例だったことで、こんなにも長く続けることとなってしまったのでした。……こうなってくると私は人に嫌がられる作業を自ら引き寄せる才能があるのではないか、と思えて来るのです。
 それはともかく、10月8日付「閉じ込められた女子学生(05)」に、

‥‥、女子美術大学焼身自殺については、以前「不思議ナックルズ・恐怖コレクション」及び「「怖い噂」リアル・ホラー・コレクション」を幾つか眺めた際に、取り上げられているのを見た記憶があり、そこには新聞記事の複写も掲載されていたと記憶します。‥‥

と触れて置いた記事を見たので、これはもう「閉じ込められた女子学生」ではありませんから、「校舎屋上の焼身自殺」と題して取り上げることにしました。……しかし、私は事件や事故に怪異と云う“蛇足”が付くところに何より興味惹かれるので、ただグロテスクでショッキングな事件と云うのは好きではありません。
 2016年1月25日付「稲川淳二「生き人形」(2)」に取り上げた、不思議ナックルズ・恐怖コレクション『日本“怪奇”伝説』にその記事は載っていたのですが、怪異の後日談のない、ただ衝撃的で異様な「都市伝説」としての扱いなのでした。(以下続稿)