瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

図書館派の生活(3)

 一応、2月29日付(2)の続き。

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 雨が止んでから、もう暗くなっていたが先週自転車で出掛けた某市立図書館に返却に行った。
 書籍は来週の日曜15日まで借りられるのだが、その15日まで一部サービス縮小で、資料の返却と予約した資料の受取りしか出来ない。在住在勤でないと予約出来ないから、15日に返却に来ても代わりの本を借りて帰れない。だとすると今日全部返してしまった方が良さそうだ。
 入口脇の椅子と机で何人か、勉強している。受付には3人ほど職員がいて、1人が利用者の相手をしていた。一般書架や児童資料のスペースには電気が点いているが、紐が張ってあって中に入れない。
 他に何もすることがないので早々に退散する。自動車も自転車も普段の日曜の夕方よりも少ないようだ。いや、日中雨だったと云うこともあるだろう。途中にあるスーパーの駐輪場が空いていたのも、雨だったからなのであろう。

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 公立図書館の対応は幾つかに分かれている。
 月曜もしくは火曜から休館と称して、利用制限を掛けた館が多い。やや遅れて始めた図書館もあるが、今は大抵の図書館が「休館」になっているようだ。
 カウンターまで入れるようにして、返却と予約資料の貸出しのみを受付けている館が多い。書架には入れないが、書架にある本を事前に予約して置けば借りることが出来る。しかし某市立図書館のように在勤・在住者でないと予約のサービスを利用出来ない館は、返却のためだけに出掛けないといけない。某区立図書館も予約は出来ないがネットで延長を受付けてもらえるから良いが、某市立図書館はそもそもネットサービスを受けられないので、延長も出来ない*1
 しかし、館によっては、休館する前に予約して取り置きしていた資料のみ、貸出しに応じて、新たな予約には応じないところもある。
 返却期限を休館期間より1週間ほど先まで延ばした館も幾つかある。しかし、延長せずに返却を受け付けている館の方が多いようだ。休校要請の際に「ここ1・2週間」が山だか瀬戸際だか大事だとか重要だとか言ったとかで、15日か16日まで休館(16日までと云うのはもともと月曜休館の図書館が多いため)と云うことで始めているが、この瀬戸際は延びるかも知れない。貸しっぱなしにする訳にも行かぬから、やはり期限は切っておいた方が良いのだろう。
 国立国会図書館も16日まで来館サービスを休止している。先日初めて利用した国立国会図書館デジタルコレクションの図書館送信資料が早速閲覧出来なくなってしまった。博物館や資料館の閲覧室も利用出来なくなっている。いや、臨時休館で常設展や企画展も見られない。

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 先日、NHKのニュース番組で私立中学の男性講師が契約打ち切りを宣告されたと云うインタビューを見た。地方によってはまだ入試が終わっておらず、来年度の生徒数、そして授業数が決まっていないのかも知れない。しかしながら東京都の私立中学入試は2月1日、私立高校の入試は2月半ば頃に終わって今の時期、来年度のクラス数、授業数も固まっているから、正式な契約更新は4月になるが来年度の継続と授業コマ数の希望などは既に教科ごとに非常勤講師に確認済みで(更新しない講師にはその旨、通告済みで)、今更、コロナウィルスを理由とした馘首が行われるとは思われない。もし今から馘首が行われるとすれば、保護者に経済的な影響が出て、子供を私学に通学させられなくなって公立に転校させ、クラス数を減らすような事態にまで追い込まれてからのはずである。クラスが減ればその分、授業数も減るので、人減らしも必要になるであろう。しかし4月に、非常勤講師の場合通例1年契約だけれども、来年度の契約を結んでしまえば、通常、非常勤講師側に落ち度がない限り向こう1年、馘首されないはずである(病気や怪我などで授業が行えなくなっても馘首出来る契約になっているから、或いはコロナウィルス罹患によって馘首される人が出るかも知れない。いや、その場合は学校自体が休校になるからやはり非常勤講師のみ馘首はあり得ないだろう)。或いはそれを見越して4月に契約を更新してしまう前に駆け込みで馘首したのかも知れないが、それでは先の見通しが良好過ぎる(いや、悲観的過ぎる、と云うべきか)。まだそんな事態には立ち至ってはいないのだから、授業数に見合った教員を確保する必要上、今から来年度の契約を更新しないと云う通知を出す私立中高が多く出るとは思えないし、もしそういう通知が出るとすれば、それは、そこまでの落ち度はないので今までは更新し続けて来たものの、以前から(様々な理由で)馘首したいと考えていた、そこでこれを口実に利用した、――そんなことになるのではないか。私も今思えば、女子高の後半数年は、習熟度別クラスの廃止や選択科目の希望者激減などで馘首される同僚が続き、私自身、綱渡りのような按配だった。

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 そして私は、新型コロナウィルスに罹患してしまった非常勤講師を主人公にした小説を書くことを思い付いた。ここ数年、生徒の受けが悪くなったこの人物は、罹患したらしいと気付いたとき、これを口実に馘首されることになるのではないか、と恐れ、とにかく症状が出ないように気をつけ、政府のようになかったことにして、つまり問題にしなければそれはなかったことになる、との理屈で切り抜けようとする。幸い、学年末考査が中止になったので生徒にウツす心配はない。しかし、今の時期、某県某市の男性高校非常勤講師(40代)が発症などと報じられ、そして暇なネット民たちによって高校名が突き止められでもしたら、所謂風評被害と云う奴が生じて、ネット民・生徒・学校の管理職・専任教諭・非常勤講師の同僚たちの非難の矛先が自分に向かうであろう。それはどうしても避けなければならぬ。‥‥しかしながら、平気を装うとして学年末の成績会議や来年度の打ち合わせで同僚の非常勤講師や同じ教科の専任教諭とはこの数日のうちに顔を合わせないといけない。そこで、彼は、自分がウツしても専任教諭の方が先に発症を公にしてくれないかなぁ、いや、周囲で多くの人が発症すれば、自分だって安心して発症出来るのに、と云う‥‥悪くはないかも知れないが、今、書くのは不謹慎の謗りを受けるであろう。しかし、後で書いてもしょうがない。
 それはともかく、いづれ皆、感染するのだろう。今は感染爆発が多少なりとも緩やかになるよう、接触の機会を減らしているのである。

*1:某区立図書館は当初、在住在勤でなくても予約可能だった。しかし途中で利用規約が改定されて、在住在勤でないと予約出来なくなってしまったのである。