瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『夢十夜』の文庫本(7)

 昨日の続きで、近藤ようこの漫画『夢十夜』について①単行本と②岩波現代文庫の比較。肝腎なところは既に済ませてしまったが。
 ①147頁の裏、奥付の前の頁は下部中央に縦組みで、まず太字でやや大きく「近藤ようこ」とあって、

一九五七年新潟市生まれ。漫画家、折口民俗学への関心から國學院/大學に進学し、在学中に漫画家としてデビュー。民俗学の素養を生/かして中世の説経節を積極的に描き、また、坂口安吾『夜長姫と耳/男』『桜の森の満開の下』『戦争と一人の女』、折口信夫死者の書』/の漫画化に取り組む。『水鏡綺譚』『説経 小栗判官』『見晴らし丘/にて』『ルームメイツ』など作品多数。

との紹介文、②のカバー表紙折返しと比較するに、まだ取り組んでいなかった澁澤龍彦『高丘親王航海記』がないのは当然として、『ルームメイツ』の前の『見晴らしガ丘にて』が、後の『アカシアの道』に差し替えられている。
 ②の奥付の前は白紙。
 奥付、下部に①は太線(7.4cm)2本の間(4.9cm)に、②は太線(7.3cm)2本の間(5.0cm)に、発行日、漫 画、原 作、発行者、発行所、印刷製本を並べるレウアウトは同じ。すなわち①は余白が広い。発行日以外の異同は、①は住所の下に詰めて「電話案内 03-5210-4000」とあったのが、②は半行分空けて「案内 03-5210-4000 営業部 03-5210-4111」になっている。2つめの太線の上、①「印刷製本・図書印刷」②「印刷・精興社 製本・中永製本」、1つめの太線の上、左詰めで標題「 夢十夜」。2つめの太線の下、中央やや左に①「© Yoko Kondo 2017」②は「2020」になっている。その下にそれぞれのISBNコード、2字分空けて「Printed in Japan」。②はここまでだが①は1行分空けて〈日本複製権センター委託出版物〉の断り書き5行。
 奥付の裏、①は中央に岩波文庫の『夢 十 夜 他二篇』など6点。②は「岩波現代文庫二〇年に際して」。最後に1頁5点ずつの、右下に「2020.1」とある「岩波現代文庫[文芸]」の目録が12頁。B248からB317まで。3冊組が1つ、2冊組のものが8点あるので60点70冊になっている。8頁め2点め「B293 夜長姫と耳男」3点め「B294 桜の森の満開の下」でともに「近藤ようこ漫画/坂口安吾原作」である。

 ともに単行本は小学館から刊行されており、10年ほどして岩波現代文庫に収録された訳である。 その辺りのことは、「近藤ようこファンサイト」に初出・単行本・再刊等の情報が纏められていて、非常に便利である。 その告知ブログ、漫画家・近藤ようこさんのファンサイトの新着情報「近藤ようこファンサイト お知らせ」には連載開始告知や新刊情報、原画展まで網羅されていて、2018年10月01日「「夢十夜」(夏目漱石原作)のフランス語版が刊行されました。」と、フランス語訳まで入手して紹介しているのである。(以下続稿)