瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

『「超」怖い話』(16)

勁文社文庫21 Q-016『続「超」怖い話』(2)
 昨日の続き。「「超」怖い話公式ホームページ」の「「超」怖い話 資料集」には、

※新書版発刊当時のタイトルは「超」怖い話2とされていたが、文庫化時に続「超」怖い話に改題された。
※※文庫化の際に、一部のエピソードの配列順が変更され、「蔵王にて」「いい湯だな」の2エピソードがページ数の都合上、外されている。

との註記がある*1。しかしながら、ケイブンシャブックス版(新書版)と勁文社文庫21版を揃えることが出来た『「超」怖い話』と違って、本書は勁文社文庫21版しか借りられなかったので、ケイブンシャブックス版との異同と省略された話の内容については、今後の課題としたい。今は勁文社文庫21版に拠り、《仮番号》「題」執筆者(頁)に、*に体験者(話者)・時期・場所、樋口明雄執筆分については復刻選集『「超」怖い話∞(エンドレス)』への再録状況について纏めた*2。また、章扉の絵について( )に絵柄を添えた。
 なお、前回も触れたように本書は各話の執筆者を明示していない。文中に記載があることで判明した場合、また復刻選集への再録で判明する樋口氏執筆分と判明したものについては、9月27日付(14)*3に纏めた1作め『「超」怖い話』の一覧に倣って、題に樋口・加藤・添田と姓を添えた。また、話の舞台や話者から執筆者が推測出来そうな場合は「添田?」のように疑問符を付けて置いた(確証がある訳ではないので注意されたし)。
霊 の 章(般若面の額から口まで斜め前から)
《1》「家につく霊」(12~14頁)
  *ワープロパソコン通信ネット・NIFTYの常連である高田さんの話
   ・十五年ほど前、高田さんの叔父夫婦の家
《2》「夢からきた武者」加藤?(15~17頁)
  *馳皇さん*4・子供の頃・自分の部屋の布団の上
《3》「団体」(18~20頁)
  *西蓮くんの話・とある神社の巫女さん
《4》「旧家に佇む白い影」樋口(21~23頁)
  *都内飯田橋にある出版社に勤める栗山氏・幼少の頃
   ・北海道のとある街・戦前の遊郭の主の別宅だったらしい旧家
  →エンドレス【17】68~70頁
《5》「ライダー」樋口(24~27頁)
  *栗山氏・東京で就職した3人の友人のひとりが住んでいるアパート
  →エンドレス【18】71~74頁
《6》「栗山氏の母親の話」樋口(28~30頁)
  *栗山氏の母親にまつわるエピソード
  →エンドレス【19】75~77頁
《7》「白装束の男」(31~33頁)
  *小樽出身の白葉くんの目撃譚
   ・高校を卒業してすぐ就職した神奈川の大手家電メーカーの寮から駅の間
《8》「富士の哀話」(34~38頁)
  *NIFTYの常連である岡本氏・富士山・昨年の秋
《9》「慇懃無礼な迷惑霊」(39~41頁)
  *NIFTYの常連である女性、ハンドル名〝卯月ばか〟さんの体験
   ・教師、授業が午前中で終了の土曜日、自宅(自分の部屋の隣室)
《10》「電車の話1」(42~44頁)
  *ある私鉄の機関区に勤めていた小野さんの体験談
   ・第二次世界大戦よりも前、小野さんが就職して間もない頃
《11》「電車の話2」添田?(45~47頁)
  *大阪の私立高校の教師、木村さんの高校(女子校)時代の話
妙 の 章(星雲?)
《12》「二年ごしの夢」(50~52頁)
  *河西くん
《13》「そこにいる」加藤?(53~55頁)
  *新田くんの自宅(池袋のマンションにお姉さんと同居)での話
《14》「テープに録音された声」樋口(56~57頁)
  *女子大生の裕子さん・ラジカセの留守録機能・二体の少女人形
  →エンドレス【10】43~45頁
《15》「踏切横の家」樋口(58~61頁)
  *都内練馬区にある公園近くの踏切・踏切のすぐ脇にある亀井さんの家
  →エンドレス【8】37~39頁
《16》「コンビニにて」(62~64頁)
  *イラストレーターの阿古くん
《17》「盛り塩」(65~68頁)
  *特別養護老人ホームに勤める田永さん
《18》「踏切の追体験」樋口(69~72頁)
  *NIFTYの常連ネットワーカーである浩子さん・都内、ある踏切
  →エンドレス【66】256~259頁
《19》「愛はすべてを越える」樋口(73~79頁)
  *NIFTYサーブの常連のひとりである大内さん(仮名)、ハンドル名
   〝エイリヤン〟さん、東京・赤坂にあるコピーセンターに勤めていた頃
   ・M新聞の縮刷版の記事『幽霊の自殺?』
  →エンドレス【68】266~271頁
《20》「ドサッ!」添田(80~84頁)
  *兵庫県のとある山系の裏手に位置する添田の叔母の実家
   ・叔母の家の隣に住んでいた吉野くん・就職のため上京、何度も引っ越し
奇 の 章(車輪?)
《21》「足だけ」(86~89頁)
  *白葉くんが小樽にいた頃・高校三年の冬(翌年卒業、就職も決まる)
   ・『毛無山の幽霊屋敷』の通じる直線道路*5
《22》「東京迷走奇譚」樋口(90~94頁)
  *大内さんの大学時代の話・広尾~目黒通り~中根の交差点~等々力の駅
  →エンドレス【67】260~265頁
《23》「助けてくれ!」樋口(95~97頁)
  *栗山氏の友人である柿沢氏と奥村氏・石狩湾に面する湿地帯
  →エンドレス【20】78~80頁
《24》「桜の樹の下で……」添田(98~101頁)
  *添田の友人の田島さん・小学校低学年の頃・五月の日曜の夕方
《25》「電話が切れる」(102~104頁)
  *河西くんと友人の伊藤くん・河西くんの家の電話
《26》「ロフトの上」加藤?(105~107頁)
  *横浜市にある馳皇さんの自宅、馳皇さんの自室
《27》「瞳に父親が……」樋口(108~110頁)
  *OLの加納さんが高校生の頃の体験談
  →エンドレス【49】186~188頁
《28》「おじいさんの時計」加藤?(111~113頁)
  *馳皇さんが生まれる前(ちょうど一年前)の話
《29》「文化祭のお化け屋敷」(114~116頁)
  *瀬戸内くんが高校生だった頃・瀬戸内くんの高校(男子校)の文化祭
《30》「お守り」加藤?(117~120頁)
  *下館くん*6・若い頃・宮城県白石のインターの近く(117頁8行め~118頁13行め)
   ・枝原くん*7がまだスキーを始めたばかりの頃(118頁14行め~120頁7行め)
《31》「金縛り」添田(121~頁)
  *添田自身の体験・学生の頃(二度目)・ある秋の深夜・ベッドの上
《32》「江古田」加藤(124~132頁)
  ※125頁(頁付あり)地図*8
  *加藤自身の住む東京都中野区江古田の近辺
   ・昨年上梓した前作でも記した「そーそーそーそー」
   ・前巻で狭山公園を探訪した好事家たちのうちの何人かが来訪
妖 の 章(川原の丸みを帯びた大きな石?が6つばかり)
《33》「窓」樋口(134~138頁)
  *高校三年生である稲田くん・二年前の春休み・志賀高原のホテル
  →エンドレス【12】49~53頁
《34》「コンサート会場」樋口(139~141頁)
  *稲田くん・都内にあるNというコンサート・ホール
  →エンドレス【13】54~56頁
《35》「コックリさん」(142~145頁)
  *林氏がまだ中学生だった頃、オカルト・ブームの最中
《36》「落ちていく女」加藤?(146~148頁)
  *枝原くん・友人の住む団地
《37》「馬を預かる話」加藤?(149~153頁)
  *横浜に住む馳皇さんの話・自宅近くにある本牧神社の夢・新潟の弥彦神社
《38》「峠の物語」(154~156頁)
  *NIFTYの常連である前出の高田さんの友人、中学一年からの大親友の兼田くん
   ・ツーリング、幽霊が出ると評判のトンネル
《39》「湖を泳ぐもの」樋口(157~160頁)
  *OLの小夜子さん・高校時代の夏休み・富士五湖、山中湖
  →エンドレス【50】189~192頁
《40》「こいつじゃない」樋口(161~164頁)
  *小夜子さんの旅行話の続き・中央高速のトンネル
  →エンドレス【51】193~195頁
《41》「ガスとビニール」(165~168頁)
  *森村氏の体験談・降霊会
《42》「非常階段」樋口(169~171頁)
  *高田さんの妹・良子さんが学校で体験した話
   ・高田さん兄妹が通った中学校・コックリさん
  →エンドレス【65】253~255頁
《43》「交番の話」添田?(172~174頁)
  *関西の『S公園前派出所』に勤めていた仲田巡査
《44》「石𠆢……」樋口(175~178頁)
  *ゲームデザイナーの杉本くんの話
   ・幼少の頃住んでいた東京近県のとある小さな街に建つ旧家
  →エンドレス【36】144~147頁
変 の 章(洞穴の中から、中央に何なのか縦棒がある明るい外を望む。)
《45》「白いワニ」(180~182頁)
  *漫画家の浦賀氏の自宅での話
《46》「あなたの足元にある墓場」樋口(183~185頁)
  *NIFTYサーブの常連であるハンドル名〝BATT〟さんの話
   ・大学のとき、ボーリングによる地質調査の手伝いというアルバイト
   ・都内、環状七号線脇
  →エンドレス【64】250~252頁
《47》「猫の足跡」(186~188頁)
  *出版社に勤める渡辺さんの自宅アパートでの話
《48》「火事場の馬鹿力」加藤?(189~192頁)
  *飯嶋くん・子供の頃住んでいた家(189頁5行め~190頁8行め)
   ・枝原くん(190頁9行め~)
《49》「てくてく歩く人」加藤?(193~194頁)
  *馳皇さんの自宅の話・廊下
《50》「魔鏡」(195~199頁)
  *赤松くんの家にある鏡の話・数年前の冬/しばらくして/昨年
《51》「お百度参り」(200~202頁)
  *NIFTYの常連である山田さんの話・十和田湖畔にある旅館
《52》「追いつけない少年」添田?(203~頁)
  *佐藤巡査と先輩の話・数年前・関西の私鉄の駅前に建つ交番の担当区域
《53》「妖怪」加藤(207~209頁)
  *山岸さんの祖父の子供の頃(207頁5行め~208頁9行め)
   ・山岸さん・子供の頃・愛知の山奥にある実家(208頁10行め~)
《54》「扉が四階で……」樋口(210~211頁)
  *ゲームデザイナーの岸田くん
   ・東京都内の桜上水にある古い高層マンション・エレベーター
  →エンドレス【39】154~155頁
《55》「踊る爺さん」樋口(212~215頁)
  *岸田くんと友人の杉本くん・《54》から間もない頃
  →エンドレス【40】156~159頁
あとがきにかえて――真夜中の観光客たち*9」216~220頁
  *某パソコン・ネットで「雄蛇ヶ池に行く」メンバー三十人
   ・220頁15行め、下詰めで「樋口明雄」と執筆者明示。
 確認のために一通り眺めただけなので見落としがあるかも知れない。(以下続稿)

*1:「「超」怖い話公式ホームページ」の「「超」怖い話 資料集」及び「竹輪辞典(「超」怖い話データベース)」に拠れば、「蔵王にて」は巻頭、「いい湯だな……」は「盛り塩」と「踏切の追体験」の間に収録されていた。

*2:『「超」怖い話0(ゼロ)』には収録していない。

*3:10月2日追記】投稿当初「9月26日付(14)」としていたが10月2日付「お詫びと修正」に述べたような事情で改めた。

*4:ルビ「 じ おう」。

*5:ルビ「 け なしやま」。

*6:ルビ「しもだて」。

*7:ルビ「えだはら」。

*8:「このブロックに加藤の/住むアパートがある。」と指示されているのは東京都中野区江原町2丁目20番の南側。加藤氏の住んでいたアパートは或いは現存するか。国立療養所中野病院は建て替えられて「東京総合保健福祉センター江古田の森」になっている。「北江古田公園」は国立療養所の江原町に面した江古田川沿いの一画を増水時の遊水池にして開放した公園で、今はさらに広い範囲が中野区立江古田の森公園になっている。「馳皇さんが異様な/感覚に襲われた道。」は東京都中野区江原町2丁目7番の江古田川沿い。

*9:題はゴシック体、3行取り字下げなし。