・小学館文庫『鞍馬天狗』
カバー表紙の「鞍馬天狗」の右脇に「鶴見俊輔が選ぶ」とあり、カバー裏表紙折返しには「鶴見俊輔が選ぶ/鞍馬天狗/5冊」とある。本体には「鶴見俊輔が選」んだことを特に断っていないようだが、解説に当たる文章として鶴見俊輔「「鞍馬天狗」おぼえがき(2)*1/――コスモポリタン鞍馬天狗――」が各巻に配される。(1)を挙げないのは祖母の、居間のソファ脇に(1)だけ欠いていたからである。祖母の生前から、祖母が入院・施設入りしている間も埃をかぶり続けていたので、小口や地、カバーなどは少々草臥れている程度だが天がかなり汚い。祖母は書影と同じ「今月の新刊」の帯の掛かった4冊を揃えていたので、当然(1)も買っていただろうと思うのだが、同じ場所にはなく、これまで見た範囲には見当たらなかった。それとも『角兵衛獅子』など繰り返し読んでいて、今更買わなくても良いと思ったのだろうか。とにかく、見付かったらその旨断って、後に追加して置くこととしよう。
2『地獄の門・宗十郎頭巾』二〇〇〇年四月一日 初版第一刷発行・定価619円・307頁
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以上は昨年8月7日のメモで、その後も『1』は見付けていない。それから、寝間の本棚の前に積んである本が鞍馬天狗らしいことに気付いたが、綿埃を被ってかなり汚そうに見えるのに恐れをなして、そのままにしていた。最近色々なものを片付けて、視界が開けて来るうち、不思議なことにそんなに汚くないように見えて来た。そこで今日の仕事帰り、立ち寄って全てメモを取って、段ボール箱に移して置いた。17冊全て大佛次郎で、うち16冊が鞍馬天狗であった。(以下続稿)
*1:目次には5頁8行め「⑵」とあって副題はない。