瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(137)植物

 祖母は動物が苦手で、家人の家で飼っていた犬*1にも最後まで親しまなかったし、――かつてしばらく体調を崩したときに見舞に来た姪(姉の娘)が、叔母さまは本が好きだから、と見舞の品として絵本を買ったのだが、直前になって叔母さま、鼠が嫌いだったわ、と思い出してその絵本『ぐりとぐら』を渡すのを止しにした、と云う話を家人から聞いた。
 対して植物はかなり好きだったようで、図鑑や古典に見える植物を扱った本をかなり持っていた。野の花の絵葉書も数十枚買って保管してあった。これは別に記事にしよう。私の父が退職後の道楽に野の花を題材にした水彩画や日本画、版画(シルクスクリーン)を始めて、カレンダーを毎年2種(1年分1枚の大判と、月めくり12枚+表紙等2枚で1冊)作っていたのを祖母に贈るようになって、もちろん私が受け取って祖母に手渡ししていたのだが、毎度「綺麗ねえ」と喜んで眺めていた。そして月が変わると版画部分を切って丁寧に封筒に保管していた。施設に入ってからも、私のことなぞ分からなくなっていたと思うのだが、父のカレンダーは「綺麗ねえ」と喜んで見入っていたのである。
 先日父に会ったとき、祖母宅にあったカレンダーの版画を纏めて渡した。伜として捨てるに忍びないので、祖母が愛好していたことを父に伝える為と、最近の知り合いに旧作として差し上げたらどうか、等と好い加減な理屈を付けて、まぁ、押し付けたのである。
 それはともかく、ここに祖母の持っていた植物に関する本を纏めて置く。ただ、まだ持ち帰った新書等、それから持ち帰らずに置いて来た図鑑類のメモ等、十分に整理出来ていないので、追々、場所毎に追加して行くつもりである。
平凡社カラー新書10 林弥栄 戸井田道三『さくら百花』1975年3月8日  初版第1刷発行・144頁
 カバーがなくなっているため定価不明。
岩波新書(黄版)357 中尾佐助『花と木の文化史』1986年11月20日 第1刷発行©・定価480円・岩波書店・216頁

※ 栞「《本の知識》シリーズ=No.2約物(やくもの)・記号」裏面「岩波新書黄版」として3点の紹介文、本書は3点め。下に〔近刊予告〕として3点、著者・編者と標題のみ。
※ 巻四つ折「新刊案内11-1986岩波書店」挟まる
 以上は寝間の本棚にあった。(以下続稿)

*1:40年ほど前に家人の妹が拾って来た野犬の子供で、家人の伯母の死歿直後に老衰で死んだ。