瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(148)円地文子

 以下何冊かは客間のクローゼット右側3段めより。
・『女帯』昭和37年5月30日 初版発行・三八〇円・角川書店・304頁・四六判上製本
 祖母の蔵書はカバー存、帯はなかった。
・『雪燃え』一九六四年二月二五日印刷・一九六四年二月二九日発行・定価三四〇円・新潮社・239頁・四六判上製本函入

 函入、本体にパラフィン紙、最終頁右上に鉛筆で「一、〇〇〇/初(絕)版」と縦書きの書入れ。祖母はいつだったかに1000円で買ったのだが、今回、古本屋は2軒とも手にはしたけれども取らなかった。――「相棒」の川崎麻世ゲスト回で、古本屋が初版じゃないと言って文庫本を低く評価する場面があった。私なども初版を綺麗に取って置くと価値が出ると思い込んで来たのだが、この書入れを見ると、古本屋が文芸書の初版で絶版だと云うので定価の3倍の値段を付けた、そんな時代が確かにあったのである。前記「相棒」は2006年11月15日放送回で、当時はまだ小説の文庫本でも初版を高く取ってもらえたのか、それとも脚本家が旧来の常識で書いてスタッフも実態とは乖離していることに気付かずにそのまま作ってしまったのか、‥‥どの辺りで潮目が変わったのだろうか。
・カラー版日本文学全集 26『林芙美子円地文子昭和四十三年九月 三 十 日 初版発行・昭和四十五年一月 三 十 日 再版発行・定価  七五〇円・河出書房新社・376頁・菊判上製本函入※ A5判(A4判2つ折)「カラー版日本文学全集林芙美子円地文子しおり―19」挟まる。これには「河出書房」とある。函にも「河出書房」とあって「新社」となっていない。しかし経営破綻した河出書房が河出書房新社として再建されたのは昭和32年(1957)なので、初版と再版の間に「新社」が設立された訳ではなく、旧称をそのまま使うことがあったと云うことらしい。
 二人のフミコで1冊になっているが、祖母は林芙美子の本は他に1冊も持っていない(らしい)ので、円地文子の方の興味から買ったものと思われる。
ポケット文春 139『焰の盗人』1964年11月20日 初版発行・定価 260 円・文藝春秋新社・258頁
 カバー等は失われている。この本は客間のクローゼット右側1段めにあった。
 以下の何冊かは客間のクローゼット右側2段めより。
・角川文庫1753/緑 二〇一2『女坂』昭和三十三年十一月十五日 初 版 発 行・昭和五十四年 五 月三十日 四十七版発行・¥220・角川書店・208頁新潮文庫1721『女面』昭和四十一年五月二十五日 印刷・昭和四十一年五月 三 十 日 発行・定価 90 円・新潮社・191頁
パラフィン紙かかる。帯あり、右下「127,F」
・角川文庫2414『愛情の系譜』昭和四十一年六月二十日 初版発行・昭和四十六年八月三十日 十版発行・角川書店・388頁
 カバーや帯等なし、よって定価や整理番号が分からない。
集英社文庫『秋のめざめ』昭和54年7月25日 第1刷・300頁
 カバーなし、よって定価や整理番号が分からない。
集英社文庫8|F『賭けるもの』昭和55年11月25日 第1刷・定価500円・580頁 次の2冊*1は居間の隅の9段の簞笥の7段めより。
・角川文庫2435/緑 二〇一6『女の繭』昭和四十二年 三 月二十日 初版発行・昭和五十一年十二月二十日 七版発行・¥380・角川書店・432頁集英社文庫8|C『南の肌』昭和53年7月30日 第1刷・¥240・290頁*2
 次の本は客間のクローゼット左側1段め。
集英社文庫8|A『小町変相』昭和52年5月30日 第1刷・昭和57年6月20日 第8刷・定価220円・221頁 次の本は寝間の本棚より。
新潮文庫3804/え-2-15『菊慈童』昭和六十二年 四 月 十 五 日 印  刷・昭和六十二年 四 月二十五日 発  行・定価360円・新潮社・328頁※ 帯あり「今月の新刊」
 仏間の硝子棚に『源氏物語』の現代語訳と関連本があった。(以下続稿)

*1:【2024年3月13日追記】投稿当初「本」としていたが『南の肌』を追加したので「2冊」に改めた。

*2:2024年3月13日追加。この記事を投稿したときには持ち帰っていて意識もしていたのだが、他の本に紛れて探し出せなかった。