瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

柳田國男『妖怪談義』(3)

 梅雨入したそうだ。洗濯物をいつ片付ければ良いのか、電力不足以前から自然エネルギーによる乾燥しか方法のなかった人間には頭の痛い季節になった。尤も、今年は梅雨入前から困っていた。休日にまとめ洗いしているのだが、どうも休日の天気が悪いので遅刻しそうになりながら朝から洗濯機を回したものだが。

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 さて、講談社学術文庫版の問題点を指摘する前に、修道社版について記述して置こう。
 柳田國男『妖怪談義(現代選書)』(昭和三十一年十二月二十日初版發行・昭和三十二年二月十五日三版發行・定價二三〇圓・修道社・252頁)。丹色の布表紙上製本で新書判、表紙には上部に横書きで「妖怪談義」と黒で入り、背表紙にも黒で、最上部に正方形の枠内に「現代/選書」ついで書名、下部に小さく「柳田國男著」とある(最下部には分類票が貼付されているので文字あるか不明)。裏表紙には何の文字もない。見返しに次いで、扉がある。上部に卵色(褪色?)の横長の長方形(4.0×6.1cm)があって横書きで小さく「柳 田 國 男」その下に大きく「妖 怪 談 義」。扉の下部にやはり横書きで「修 道 社」とある。これらの文字は茶色・明朝体。裏は白紙。
 その次の「自序」から頁付がある(一〜六頁)。末尾に「昭和三十一年十二月               柳 田 國 男」。
 目次はまず扉「目次」(縦書き)があって、その裏から3頁、頁付なし(7〜10頁)。
 ついで中扉「妖怪談義」(縦書き)があり、裏は白紙、頁付なし(11〜12頁)。
 そして「一三」頁から頁付が復活して本文は二三八頁まで、二三九頁から索引で単郭で界線で仕切られた3段組、二五二頁まで。以上、本字に歴史的仮名遣いである。1頁14行、1行43字。
 奥付、裏に「現代選書」の目録。2段組。上部に横書きで(各小B6判上製クロース装)とあり、まず「年中行事覚書 柳田国男」の如く書名と著者、ついで説明がそれぞれ3行あってその最後に「価二〇〇円」。以下、書名・著者・価格のみを列挙してみる。新たなる太陽 柳田国男 価二二〇円/現代音楽 柴田南雄 価二一〇円/科学思想史入門 矢島祐利 価二〇〇円/夏目漱石 唐木順三 価二三〇円/歌舞伎名優伝 河竹繁俊 価二四〇円/インド史 岩本裕 価二二〇円/ロシア史*1 鳥山成人 価二七〇円/経典のことば 増谷文雄 二五〇円。続いて「――続 刊――」として、「増井経夫 中国史/西岡虎之助 日本史/村川堅太郎 ギリシア史/前島信二*2 アラビア史/金沢誠 フランス史/増谷文雄 東洋思想史/永尾龍造 中国民俗誌/柴田南雄 西洋音楽史大藤時彦 民俗学入門」が挙がる。
 今、国会図書館OPACを見るに、修道社の現代選書は昭和30年(1955)から33年(1958)までの13件を所蔵、ここに載る既刊9点と『妖怪談義』*3の他、3点が続刊された訳だが、「続刊」予告に見えるうちで刊行されたのは昭和33年刊『アラビア史』だけで、他の2点は柳田國男『昔話覚書』と蒲生礼一『イラン史』である。これはNIIの検索とも一致する。
 ちなみに国会図書館OPACで「修道社」を検索するに、昭和29年(1954)刊の柳田國男『月曜通信』から昭和47年(『柳田國男選集』など)まで、262件がヒットする(件数と冊数は単純に一致しない)。(以下続稿)

*1:国会図書館OPACでは「ロシヤ史」。都立図書館のOPACでは「ロシア史」。未見。

*2:前嶋信次(1903〜1983)。

*3:国会図書館の蔵書も「3版」。