瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

柳田國男『妖怪談義』(5)

 そこで、講談社学術文庫で省かれている、修道社版の各題下に小さい字で割書で示されている初出の情報を示しておく。/は割書の改行位置。

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妖怪談義(一三〜三八頁)「日本評論」十一卷/三號昭和十一年三月
かはたれ時(三九〜四二頁)「ごぎやう」九卷十/一號昭和五年十一月
妖怪古意――言語と民俗との關係――*1(四三〜六三頁)「國語研究」第二卷第/四號昭和九年四月刊
おばけの聲(六四〜六八頁)「家庭朝日」第一卷/第六號昭和六年八月
幻覺の實驗(六九〜七五頁)「旅と傳説」九卷四/號昭和十一年四月
川童の話(七六〜七七頁)「郷土研究」二卷/三號大正三年五月
川童の渡り(七八〜八三頁)「野鳥」一卷六號/昭和九年十月
川童祭懷古(八四〜九二頁)「東京朝日新聞」/昭和十一年六月
盆過ぎメドチ談(九三〜一一〇頁)「奥南新報」/昭和七年十月
小豆洗ひ(一一一〜一一五頁)「郷土研究」四卷/二號大正五年五月
呼名の怪(一一六頁)「郷土研究」三ノ/十大正五年一月
團三郎の秘密(一一七〜一二〇頁)「東北の旅」九卷/六號昭和九年六月
狐の難産と産婆(一二一〜一二二頁)「民族」三卷六號/ 昭和三年九月
ひだる神のこと(一二三〜一二六頁)「民族」一卷一號/大正十四年十一月
ザシキワラシ (一)*2(一二七〜一三三頁)大正八年十月*3
ザシキワラシ (二)*4(一三四頁)「郷土研究」二卷/六號大正三年八月
己が命の早使ひ(一三五〜一四〇頁)「新小説」十六卷十二號/明治四十四年十二月
山姥奇聞(一四一〜一四七頁)「週刊朝日」大/正十五年六月
入らず山(一四八〜一五〇頁)「週刊朝日」/昭和六年八月
山人の市に通ふこと(一五一〜一五三頁)「郷土研究」二卷/六號大正三年八月
山男の家庭(一五四〜一六五頁)「郷土研究」三卷/一號大正四年三月
狒々(一六六〜一六九頁)「郷土研究」四卷十/二號大正六年三月
山の神のチンコロ(一七〇〜一七三頁)「郷土研究」二卷/四號大正三年六月
大人彌五郎(一七四〜一八五頁)「郷土研究」四卷/十號大正六年一月
ぢんだら沼記事(一八六〜一九二頁1行め)「讃岐民俗」第一號/昭和十四年十二月
附  大太法師傳説四種(一九二頁2行め〜一九三頁)
一つ目小僧(一九四〜一九七頁)「郷土研究」四卷十/二號大正六年三月
一眼一足の怪(一九八〜二〇一頁)「郷土研究」四卷八/號大正五年十一月
片足神(二〇二〜二〇三頁)「郷土研究」四卷九/號大正五年十二月
天狗の話(二〇四〜二一四頁)「珍世界」三號明/治四十二年三月
妖怪名彙(二一五〜二三八頁)「民間傳承」三卷十・十一・十二・四卷一・二・六號/昭和十三年六月・七月・八月・九月・十月・十四年三月

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 ちなみに柱は奇数頁の、本文の左、上部に(4字分空けて)縦書きで入る。奇数頁から始まっている文の場合、タイトルのある最初の頁には入れていない。だから「呼名の怪」「狐の難産と産婆」「ザシキワラシ (二)」には柱はない。偶数頁から始まる文では見開きの2頁めの奇数頁に柱がある。よって「大太法師傳説四種」には柱がある。また、「妖怪古意」の副題は省略、また「幻覚の実験」のように新字体になっているものもある。
 頁付はそれぞれの頁の小口(外側)の下部(奇数頁では柱の下)に、下に4字分余白を取って入れてある。
 昨日も触れた*5ように『妖怪談義』は『定本 柳田國男集』第四卷(昭和三十八年四月二十五日發行・定價一一〇〇圓・筑摩書房・508頁)に再録されているのだが、初出は題の下ではなく、巻末の「第四卷 内容細目」(504〜506頁)に示されている。ここでは異同のあるもののみを挙げてその形式を示しておく。

盆過ぎメドチ談(昭和七年十月十九日、二十二日、二十五日、奥南新報)…………三四五
ぢんだら沼記事(昭和十三年十二月、讃岐民俗一號)………………………………四〇五

*1:目次・柱には副題なし。

*2:「(一)」は横並び。目次では「ザシキワラシ 一」柱は「ザシキワラシ」。講談社学術文庫版では目次も本文も「ザシキワラシ(一)」で、柱は「ザシキワラシ」。

*3:末尾の(附記)に「この文章は佐々木喜善氏の「奥州のザシキワラシの話」(爐邊叢書)の卷末に書いたものである。」

*4:目次では「ザシキワラシ 二」。

*5:投稿後に加筆。他にも若干修訂。