瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(171)吉川英治③

・『新書 太閤記六興出版部・B6判並製本
 寝間の本棚に纏めて置いてあった。私は吉川英治の読者ではないのでこの作品についての知識も全くなかったのだが、揃っているようだ。
 かつ、吉川氏の作品には初出(連載)から始まって複数の版があるのだが、何番目の版で、本文の位置付けがどうなっているのか、そのような知識もない。
 取り敢えず1冊めで体裁を説明して置こう。
 カバーではなく折返しの付いた表紙で、表紙折返し右下に「宮 本 三 郎 装」とある。背表紙には「新書 太閤記 第 一」とある。表紙の上部、右寄りに朱色地の長方形、横組みで「〈太閤記第一 蜂須賀小六の巻吉 川 英 治」とあって標題と著者名は明朝体の太字、当時のことだからレタリングの手書きであろう。
 扉は各巻異なる絵を単色で薄く刷って、左側に「吉川英治新書 太閤記」とやはり明朝体太字、「閤」の左から「第一 蜂 須 賀 小 六 の 巻」と副題を添える。
 まづ「序」が5頁、「目   次」2頁、目次の2頁の裏(頁付なし)に、下部中央に「装 幀    宮  本   三  郎」とある。
 本文の1頁(頁付なし)は四隅の切れた単郭に「新 書 太 閤 記 第一 蜂須賀小六の卷」とある。
 奥付の題は「新書 太閤記 第一卷」のみで副題はない。

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 ここまで昨年7月21日に入力して「祖母の蔵書(111)吉川英治③」との題を与えていたのだが、いよいよ祖母宅の退去が近付いて余裕がなくなり、メモの分量が多いとその分入力が面倒になるので、何となく後回しにしてそのままにしてしまっていた。
 しかし、いつまでも放置して置く訳に行かぬので、メモに基づいて入れて置こう。入力していて疑問を持ったところもあったが、そのままにせざるを得ない。祖母宅に招んだ古本屋は2軒とも取ってくれなかったので祖母宅にそのまま残してきた。

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 装幀だが、幸い、1冊だけだが Amazon で書影が表示出来る。

・第一卷(昭和三十年十二月一日 印  刷・昭和三十年十二月五日 發  行・定 價 一九〇圓・5+2+288頁)扉の副題「第一 蜂 須 賀 小 六 の 巻」
・第二卷(昭和三十年十二月二 十日 印  刷・昭和三十年十二月二十五日 發  行・定 價 一九〇圓・3+290頁)扉の副題「第二 寧 子 の 巻」
・第三卷(昭和三十一年一月十五日 印  刷・昭和三十一年一月二十日 發  行・定 價 一九〇圓・3+292頁)扉の副題「第三 今 川 義 元 の 巻」この巻のみ表紙は「第三巻 今 川 義 元 の 巻」
・第四卷(昭和三十一年二月一日 印  刷・昭和三十一年二月五日 發  行・定 價 一九〇圓・3+305頁)扉の副題「第四 竹 中 半 兵 衞 の 巻」
・第五卷(昭和三十一年二月 二 十 日 印  刷・昭和三十一年二月二十五日 發  行・定 價 一九〇圓・3+292頁)扉の副題「第 五 武 田 信 玄 の 巻」中扉と本文は「玄」だが表紙と扉は最後の一画がない。
・第六卷(昭和三十一年三月 十 日 印  刷・昭和三十一年三月 十 五 日 發  行・定 價 一九〇圓・3+290頁)扉の副題「第六 お 市 の 方 の 巻」
・第七卷(昭和三十一年四月一日 印  刷・昭和三十一年四月五日 發  行・定 價 一九〇圓・3+294頁)扉の副題「第七 織 田 信 長 の 巻」
・第八卷(昭和三十一年四月二 十 日 印  刷・昭和三十一年四月二十五日 發  行・定 價 一九〇圓・3+288頁)扉の副題「第八 ゆ う 女 の 巻」裏表紙見返しの遊紙に、ブルーブラックのインクで「重森通一」とサイン、旧蔵者か。
・第九卷(昭和三十一年五月 十 日 印  刷・昭和三十一年五月十五日 發  行・定 價 一九〇圓・3+308頁)扉の副題「第九 森 蘭 丸 の 巻」
・第十卷(昭和三十一年六月一日 印  刷・昭和三十一年六月五日 發  行・定 價 一九〇圓・3+304頁)扉の副題「第 十 明 智 光 秀 の 巻」
・第十一卷(昭和三十一年七月一日 印  刷・昭和三十一年七月五日 發  行・定 價 一九〇圓・4+303頁)扉の副題「第十一 清 水 宗 治 の
巻」前付4頁9行め「装 幀    宮  本   三  郎」と添える。表紙の左下、剥がれる。
・第十二卷(昭和三十一年八月一日 印  刷・昭和三十一年八月五日 發  行・定 價 一九〇圓・3+303頁)扉の副題「第十二柴 田 勝 家 の 巻」
・第十三卷(昭和三十一年九月一日 印  刷・昭和三十一年九月五日 發  行・定 價 一九〇圓・3+298頁)扉の副題「第十三前 田 利 家 の 巻」
・第十四卷(昭和三十一年十月一日 印  刷・昭和三十一年十月五日 發  行・定 價 一九〇圓・3+295頁)扉の副題「第十四於  通  の  巻」
・第十五卷(昭和三十一年十一月一日 印  刷・昭和三十一年十一月五日 發  行・定 價 一九〇圓・3+296頁)扉の副題「第十五徳 川 家 康 の 巻」
 もちろん読みはしないが随分中途半端なところで終わっているので、続きがあるんじゃないかと探してしまったのだが、どうやらここまでで続きはないらしい。
 さて、今、一旦投稿してしまってからメモを見返した。どうも、入力画面ではメモの入力漏れがよく分からない。
 第一卷により体裁を説明したところの入力漏れとしては背表紙の下部には黄色地に小さく「吉 川 英 治 著」とあること。
 それから版元名、これは入力語に改めて15冊見返したりしたので入力せずに置いたのだった。奥付には「株式会社「六興・出版部」」とあって第二卷も「株式会社」だが第三卷以降は「株式會社」になっている。扉の右下には「六 興 出 版 部 刊」とある。裏表紙折返しの左下に横組みで「定 価 1 9 0 円/六 興 出 版 部」とあって、この上に「4」から朱で巻数を入れる(但し「5」のみ緑)。(以下続稿)