瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

柳田國男『遠野物語』の文庫本(16)

 次に角川文庫。初めに新潮文庫版を買ってしまい、その後『山の人生』と抱き合わせた岩波文庫版を買ったりしたためか、古くから出ているのにあまり縁がなかった。

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

 現在店頭に並んでいるのはこの表紙のもので「新版」である。*1
 それ以前の版については別に詳細ページがあり、私が見たように記憶する、白装束の娘が白馬に乗って疾走する表紙もカスタマーイメージとして閲覧できる。「初版は昭和30年10月5日。イメージは平成2年6月20日改版41版のものです。」とのキャプションがある。昭和末、私の中学高校時代はこの表紙で、なんだか生々しくて嫌だったのかも知れない。その後改装されていたのだが、横に並んでいる民藝調の表紙(キャプション「H12(改版53版)」)になっていたことには、全く気付かなかった。
 「新版」は各地の図書館で見かけるようになった。まず新版について記述してみよう。
 角川文庫13359角川ソフィア文庫102)Amazonの詳細ページでも表紙のイメージが拡大出来ないので、左下の横書きの文字だけ読んでおくと「角川ソフィア文庫」とある。
 今、新版八版と新版二十一版を借りてきているが、カバー表紙は同じだが背表紙・裏表紙は異なる。
 新版八版では背表紙の一番上にQRコードがある。但し経費節減のため*2に携帯電話を持っていないので、読み取ったらどうなるのか分からない。それから1段ずつ界線で区切って横書きで「SP|102|Y476|」それから縦書きで著者名、1字分空けて角川ソフィア文庫のシンボルマークらしき広葉樹の葉の図案、その下に「新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺」の書名、文字の色は全て黒、書名の部分が教科書体のような字体で後はゴシック体。最下部に緑(?褪色)の角切長方形に白抜きで「角川ソフィア文庫」とある。
 新版二十一版の背表紙は地色は一番上だけ白地で、そこに「Ⓙ」橙色の円形に文字は白抜き、その下に横書きで「102」そのすぐ下「1」でここから下は全て淡い黄色地。少し空けてゴシック体で著者名、3字分空けて、橙色の楕円に明朝体の白抜きで「新版」。ついで大きく明朝体で「遠野物語」ついでゴシック体で「付・遠野物語拾遺」。最下部に緑色で広葉樹の葉の図案そしてゴシック体で「角川ソフィア文庫」とある。
 裏表紙左上にある2段のバーコードは全く同じである。新版八版では右上にISBNコードがあるが、新版二十一版ではバーコードの下に配置されている。新版八版では「ISBN4-04-308320-3/C0139 \476E/定価:本体476円(税別)」だったのが新版二十一版では「ISBN978-4-04-308320-6/(以下同じ)」と微妙に違う。説明文はいずれも横書きで、新版八版では中央部に1行25字で7行、新版二十一版ではバーコードとISBNコードの右に1行14字で14行ある。途中までは似たようなことを書いているが、後半、新版二十一版の方が「読みやすい新漢字」を謳ったり、「年譜、索引、遠野郷地図付き」或いは解説者(3名)を列挙するなど、商品としての価値を強調するものとなっている。
 カバー表紙折返し、横書きで、上部に柳田国男の紹介、レイアウトは違うが全く同文。最下部、新版八版は右寄りに「装画/田主 誠」新版二十一版では左寄りに「カバー絵/田主 誠」とある。
 カバー裏表紙折返し、横書きで、新版八版は右下に例の「K」を図案化した謎のマーク、左下にごく小さく明朝体で「カバー 泉文社」とあるのみ。新版二十一版には下部には「K」のマークのみで、上部に「角川ソフィア文庫柳田国男の本 || 新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺」とある。
 本体は同じのようだが、奥付が異なる。まず、当り前のことながら「昭和三十年十月五日 初版発行/平成十六年五月二十五日 新版初版発行/平成十八年九月二十日 新版八版発行」の最後の行が「平成二十二年八月二十日 新版二十一版発行」となっているのだが、他に発行者(青木誠一郎→山下直久)と、発売元(角川書店角川グループパブリッシング*3)製本所(本間製本→BBC)が違う。発行所は角川学芸出版。単辺の匡郭外の下、左に新版八版では「角川ソフィア文庫102」とあったのが「SP J-102-1」になっている。右に「C0139」とあるのは一致するが、その前の「ISBN」コードは裏表紙と同じ異同がある*4。(以下続稿)

*1:2012年8月25日追記】現在上がっている書影は、平成24年(2012)夏のてぬぐい専門店「かまわぬ」コラボレーションによる和柄スペシャルカバーで、この記事を投稿した当時の「新版」のカバーはAmazon詳細ページにカスタマーイメージとして挙がっている。この新版のカバー表紙については6月5日付(19)に批判して置いた。どうも、最近のカバー装画は、画家がテキトーなイメージで描いたものが多いように思う。いづれまとめて突っ込みを入れたい。【2013年1月24日追記】今月改装されて、この下旬からまたカバーが変わり、手拭い柄カバーはAmazonでは見られなくなってしまった。

*2:ケチとも機械音痴ともいう。

*3:住所・電話番号は同じだが、振替(口座番号)が入っていたところがHPアドレスになっている。

*4:2012年5月20日追記】「平成二十年五月二十日 新版十五版発行」を見た。ISBNコードが13桁になっているなど、カバーは新版二十一版に一致するように見える。奥付は発行者と「角川ソフィア文庫」そしてISBNコードが10桁である(らしい)ことは新版八版に、発売元や製本所は新版二十一版に一致している。【2013年9月13日追記】「平成二十二年五月十日 新版二十版発行」を見た。カバーは改版二十一版に同じ(らしく)奥付は発行者・発売元・製本所等同じ。【2015年3月3日追記】「平成二十二年九月二十日 新版二十二版発行」を見た。カバーは新版二十一版に同じ(らしく)奥付は発行日以外の異同は「製本所―本間製本」のみ(か)。