瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

太宰治『人間失格』の文庫本(01)

・角川文庫(1)
角川文庫28『人間失格・桜桃』昭和二十五年十月二十日初版発行・昭和四十二年九月二十日五十四版発行・昭和六十二年七月二十日改版五十四版発行、定価300円、267頁。
 カバー表紙、縦長の三色旗みたいになっていて、中央、鶯色地に明朝体で大きく標題、ルビ「おうとう」。左の枠は赤紫色の地、上部に明朝体で作者名、下部にゴシック体で「角川文庫」、右の枠には茶色のみを使用した、頬杖を付く作者の横顔を布地に描いたもの。折返しの上部は「人間失格・桜桃」の紹介文で2段落で各5行、横組み。下部に「月刊カドカワ」の広告、最下部右寄りに「カバー 上條喬久」。
 カバー背表紙、赤紫色の地に白抜きで、上部に標題、ルビ「おうとう」。中央やや下に作者名、下部にゴシック体で「角川文庫」その下に分類番号があるが図書館の分類票が貼付されているため読めない。最下部に黒で「300」
 カバー裏表紙は白で、上部に「ISBN4-04-109907-2 C0193 \300E 定価300円」とあるのみ。折返しには「角川文庫/太宰 治作品集」として「晩年/女生徒/ろまん燈籠/走れメロス/斜陽/人間失格・桜桃/愛と苦悩の手紙」が挙がる。左下隅に「カバー 旭印刷」右下隅にKBマーク。
 アート紙のモノクロ口絵があり、表は「昭和23年「人間失格」執筆のころ」でこの写真を絵にしたのがカバー表紙の横顔である。裏は上左に「「人間失格」初版本/(昭和二十三年・筑摩書房刊)」下に「「人間失格」草稿」。
 1頁(頁付なし)扉、扉裏(頁付なし)の左下に「本書は著作権継承者の了解を得て、現代表記法により、/原文を新字・新かなづかいにしたほか、漢字の一部をひ/らがなに改めた。            (編集部)」とある。
 3頁「目次」、4頁(頁付なし)は「桜桃」冒頭部の影印「櫻桃/太宰治//われ、山にむかひて、目を擧ぐ。/―詩篇、第百二十一」。
 5頁「人間失格」中扉はなくいきなり本文。1頁18行、1行42字。127頁まで。以下「竹青」128〜145頁、「苦悩の年鑑」146〜159頁、末尾に(昭和二十一年一月二十九日)、「トカトントン」160〜179頁、「ヴィヨンの妻」180〜214頁、「桜桃」215〜223頁。
 224〜229頁「注釈」で、作品ごとにまとめられている。上に半角漢数字で頁を示し、*を附して列挙していく形式。同じ頁に複数でも*。項目数は「人間失格」20「竹青」9「苦悩の年鑑」8「トカトントン」7「ヴィヨンの妻」5「桜桃」1。
 230〜254頁「解説」はまず檀一雄太宰治――人と文学」が238頁まで、次に磯田光一「作品解説」239〜245頁、最後に河盛好蔵「滅亡の民」246〜254頁、末尾に(昭和二十三年九月号『改造』)とある。
 255〜257頁「主要参考文献」は末尾に(小野才八郎編)とある。一番古いのは最初に挙がる「山 崎 富 栄 愛は死と共に(石狩書房、昭和二三年九月)」で、一番新しいのは「相 馬 正 一 若き日の太宰治筑摩書房、昭和四三年三月)」と最後に挙がる雑誌「「太宰治研究」(審美社、昭和三七年一〇月第一号〜昭和四三年三月第八号)」である。例によって改版の時期を明示していないのだが、これにより昭和43年(1968)の改版と見当は付けられる。なお「太宰治研究」は昭和44年(1969)9月に第10号まで刊行され、さらに昭和45年(1970)6月に臨時増刊号が出ているようだが、追補されていない。
 258〜266頁「年譜」2段組、1段21行、1行22字(見出し行を除く)で末尾にやはり(小野才八郎編)とある。
 267頁は作者の略歴。裏は白紙でその次に奥付。裏が「角川文庫発刊に際して」、最後に「角川文庫 最新刊」の(49)頁と(50)頁。(以下続稿)