瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

小池壮彦『心霊写真』(3)

 昨日の続きで、「●参考資料④年表」の平成年間分について。
 「平成元年(1989)」は新書版では3項目3行(252頁7〜9行め)だったのが文庫版は263頁6行め「米・映画『ショッカー』でテレビをぬけ出る電送人間が描かれる。」の1行が追加されて4項目4行になっている。これは昭和35年(1960)の追加項目にも関連。平成「7年(1995)」は新書版では3項目3行(253頁13〜15行め)だったのが文庫版は264頁12〜13行め「ソニー「DCR-VX1000」登場。世界初のDV方式ビデオカメラレコーダー。/『超・恐怖体験』の「心霊ビデオ」で幽霊がビデオ画面から出現。」の2行が追加されて5項目5行になっている。但し264頁13行めは、新書版では平成「8年(1996)」の6項め(254頁2行め)に「『悪霊怪談』でビデオの画面から幽霊出現。」と出ていた。これは8月10日付(1)の最後に触れた「」の異同に関連するものである。
 すなわち、新書版の「」の最後、225頁1〜3行めの「終章」の(4)つめ。2行め以下は2字下げ。

(4)テレビの画面から逸脱する「幽霊」の映像を『リング』以前に決定づけていた作品に『悪霊怪談 /呪われた美女たち』(鶴田法男監督・小中千昭脚本)および『学校の怪談f』が収録する「霊ビデオ」/(中田秀夫監督・小中千昭脚本)がある。


 これが文庫版233頁下段1〜8行めでは「(5)」として以下のように見えている。やはり2行め以下は2字下げ。

(5)テレビの画面から逸脱する「幽霊」の映/像を『リング』以前に決定づけていた作/品に『超・恐怖体験』の第4話「心霊ビ/デオ」(鶴田法男監督・小中千昭脚本)およ/び『学校の怪談f』が収録する「霊ビデ/オ」(中田秀夫監督・小中千昭脚本)がある。/なお『超・恐怖体験』は後に『呪われた/美女たち・悪霊怪談』と改題された。


 新書版刊行時に『超・恐怖体験』を見ていなかったため、1年のズレが生じたもののようである。

悪霊怪談 呪われた美女たち [DVD]

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 DVDになっている。ここでついでに、文庫版に挿入された「終章」の註(4)について確認して置こう。
 当該本文は文庫版では210頁3行め〜211頁2行め、新書版213頁1行め〜214頁1行めもそのままだが「本田氏」としていたのが文庫版では「本田」と、敬称が略されている。この書き換えはここに限らず文庫版全体に施された改訂である。それはともかく、文庫版では末尾、211頁2行め「る」の脇に「(4)」が附され、233頁上段11〜18行めに、

(4)この映像と称するものを本書旧版刊行後/に見ることができた。あるウェブサイト/で流されたもので、シチュエーションが/一致していたので、該当の映像に間違い/ないと思われる。人影のようなものは映/っていたが、軍刀を持っているとか、僧/侶を見つめているなどの様子には見えな/かった。

とある。
 それはともかく、そんな訳で平成「8年(1996)」は新書版では7項目7行(253頁16行め〜254頁3行め)だったのが文庫版は6項めは前年に移動、264頁18行め「米・テレビ『サイ・ファクター』。」の1行が5項めに挿入され、もともとの5項め(新書版254頁1行め)「松谷みよ子『写真の怪・文明開化』。」が6項め(文庫版264頁19行め)となっている。平成「11年(1999)」は新書版では5項目5行(254頁8〜12行め)だったのが文庫版は265頁10〜11行め「『ほんとにあった!呪いのビデオ』が評判になる。/米・映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』公開。」と13行め「池田貴族死去(三十六歳)」の3行が追加されて8項目8行になっている。
 こうして見ると、年表の改訂は主として映像作品の追加なのだが、これは新書版刊行後、第七章「亡者たちの宴の始末」の「テレビに映る亡者たち」の節及び終章「世紀末の「心霊ビデオ」」の延長として、6月20日付「小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(6)」に書影貼付した『呪いの心霊ビデオ』に取り組んだ成果であろう。
 新書版の最後、254頁13行めは平成「12年(2000)リング0〜バースディ〜』公開。」だったが、文庫版にはさらに265頁15〜18行め「小池壮彦『心霊写真』。/中岡俊哉『心霊大全』。/黒田みのる『超恐怖!心霊写真集』。/箱根関所資料館に展示されていた古写真が心霊写真と誤解されて都市伝説化する。」の4行が追加されている。
 平成「13年(2001)」の6項目6行(265頁19行め〜266頁4行め)、平成「14年(2002)」の2項目2行(266頁5〜6行め)、平成「15年(2003)」の5項目5行(266頁7〜11行め)、平成「16年(2004)」の8項目11行(266頁12行め〜267頁2行め)がそれぞれ追加、最後の平成「17年(2005)」5項目5行(267頁3〜7行め)の、1項め「マイウェイ出版『DVD版・呪いのビデオ』。」と5項め「ミリオン出版『怪奇DVD』。」は、文庫版で新規に追加された、242頁上段8〜15行め「●参考資料②DVDマガジンリスト」の、いずれも平成17年(2005)刊の6点のうち、1点めと6点めである。2項めの「英国の写真家F・ベアトの写真に心霊写真があることを発見。」は文庫版で増補された、218〜228頁「補章 新世紀の「心霊写真」」の最後の節、226頁10行め〜228頁13行め「幕末日本の心霊写真」に取り上げられている。本文228頁11行め末に附されている註の(2)、すなわち「」の最後、233頁下段13〜17行めに、

(2)F・ベアト撮影の箱根宿の写真が「心霊/写真」であることを筆者が最初に指摘し/たのは『漫画実話ナックルズ(ミリオン出版)二〇〇五年四月号誌上においてで/ある。

とある。(以下続稿)