瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『点と線』(2)

新潮文庫1968(2)
 9月24日付(1)の続き。③のカバーについて述べる前に、①と③の本体を比較して置く*1
 1頁(頁付なし)扉の角切の匡郭、①五十二刷10.3×6.3cm、③10.5×6.5cm。内部のレイアウト・文字はマークは組み直されているが同じ。
 3頁(頁付なし)中扉で縦組みで標題。
 5頁から本文で①はまず1行分空白、ついで5字下げ4行取りで「 目 撃 者」章番号はゴシック体、そして8字下げ2行取りで算用数字で節番号。1頁17行、1行43字。③もまず1行分空白、ついで3字下げ4行取りで「一 目 撃 者」章番号は明朝体の太字、そして5字下げ2行取りで算用数字で節番号。1頁16行、1行38字。
①「 目 撃 者」5〜20-3 ③「一 目 撃 者」5〜21-14
①「 情 死 体」20-4〜35-8 ③「二 情 死 体」22〜39-10
①「 香椎駅西鉄香椎駅」35-9〜51-12 ③「三 香椎駅西鉄香椎駅」40〜58-9
①「 東京から来た人」52〜96-11 ③「四 東京から来た人」58-10〜79-5
①「 第 一 の 疑 問」70〜84-6 ③「五 第 一 の 疑 問」79-6〜95-16
 ①78頁上と③89頁上に8字分を空けて東京から博多までの時刻入り路線概念図。組み直しだがほぼ同じ。①では東京の右にも路線を示す太線(幅0.1cm)があった(長さ1.0cm)が③では削除。
①「 四分間の仮説」84-7〜98-16 ③「六 四分間の仮説」96〜112-3
 ①92頁上に15字分、③104頁上に13字分空けて、東京駅No.12〜No.15ホームの概念図。殆ど同じ見える「五」章の図に比べると組み直されていることは一目瞭然で、文字が全て明朝体太字になっている。但しレイアウト等は同じで、文字が違うのは縦組み「4分間」の「分」の両脇にあった横組み「…」が③「‥」に変わっているのみ。
①「 偶然と作為の問題」99〜108-3 ③「七 偶然と作為の問題」112-4〜122-10
①「 北海道と九州」108-4〜122-2 ③「八 北海道と九州」122-11〜138-9
①「 数字のある風景」122-3〜136-14 ③「九 数字のある風景」138-10〜155-9
①「 北海道の目撃者」137〜149-7 ③「十 北海道の目撃者」155-10〜169-11
①「十一 崩れぬ障壁」149-8〜177-10 ③「十一 崩れぬ障壁」170〜202-7
①「十二 鳥飼重太郎の手紙」177-10〜197-12 ③「十二 鳥飼重太郎の手紙」202-8〜225-14
①「十三 三原紀一の報告」198〜220-17 ③「十三 三原紀一の報告」226〜253-5
 ①221頁には1行めに小さく、③は253頁6行め(その前1行分空白)に2字下げでやや小さく、

(注) 本文中の列車、航空機の時間は、昭和三十二年のダイヤによる。

とある。
 ①222〜228頁「解説」末尾(228頁13行め下詰め)に「平 野 謙」。③254〜262頁「解説」は254頁2行めに下詰めで「平 野 謙」とあり、末尾262頁2行めに下詰めで「(昭和四十六年五月、文芸評論家) 」とある。頁付があるのはここまで。
 次いで①には「文字づかいについて」が「六」項目、例は示されない。③には中央下部に小さく「この作品は昭和三十三年二月光文社より刊行された。」とある。
 その裏から1頁6点の目録で、①1〜2頁めの見開き12点は「小説日本芸譚」が1番めに移っている他はカバー裏表紙折返しに同じ。3〜4頁めの見開き12点は、カバーの右側2点めの「Dの複合」までのうち、本書を抜いた12点に一致。5〜6頁めの12点は「渡された場面」までの12点。7頁めの6点のうち1点めは黒岩重吾著『休日の断崖』で、2〜6点めの5点が、カバーの「砂漠の塩」までの5点に一致。続く3頁は「新潮文庫最新刊」でやはり1頁に6点、3行(1行20字)の紹介文があるのも同じだが、最下部に横組み「定価各440円」等と定価が入っているのが違う。ちなみにこの定価は1番めに挙がっている松本清張著『迷走地図』のもの。従って、カバーに挙がっていたもののうち、本書と『黒革の手帖』『岸田劉生晩景』『夜光の階段』の3点が出ていないことになる。ちなみに2分冊のものはカバーとは違って、標題の脇に下詰めで「(全二冊)」と添えてある。③については後日改めて取り上げることにする。
 奥付の上部は③に同じ。縦組みのところは初刷以外のそれぞれの発行日と、発行者、郵便番号が①五十二刷3桁から③7桁、「電話〈業務部/編集部〉」が「電話〈編集部/読者係〉」になり市外局番(〇三)の次に③は「三」が挿入されていること、それ以外は編集部の番号は同じ、業務部の番号が読者係に。次の「振 替 東 京 四 ― 八 〇 八 番」がHPアドレスに、最後の2行は1行めの①五十二刷「小社通信係宛」が③「小社読者係宛」以外は一致。下部の横組み、1本めの横線の下「○ 印刷・東洋印刷株式会社 製本・有限会社加藤新栄社/© SeichÔ Matsumoto 1971  Printed in Japan」とある(最初の○の中に「東」。)が③は「印刷・錦明印刷株式会社 製本・錦明印刷株式会社/© Nao Matsumoto 1958  Printed in Japan」となっている。その下に横線があり、最下部にISBNコードとCコードがあるが、ISBNコードが10桁のときまで③も①五十二刷と一致。(以下続稿)

*1:2014年3月22日追記】投稿当初②版のつもりであった版は実は③版であった。よって「②」を「③」と改めた。②については後述。