瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『こゝろ』の文庫本(14)

・角川文庫(10)
 角川文庫235『こゝろ』のカバーをもう1種追加する。
【一八九版】昭和二十六年八月二十五日初版発行・平成十五年五月二十五日一八九版発行・定価300円・300頁
 カバー表紙はネットで画像検索しても見当たらない。
 中央上部に角切長方形*1の淡い灰色(6.8×4.1cm)に、墨書で真っ直ぐでない子持枠(6.2×3.2cm)があって、縦で「こゝろ|夏 目 漱 石」と明治大正の新聞から拾ったような字体。背景は朱色に塗り潰し、右上に花弁が茶色く開ききった梅一輪、左下にまだ盛りの梅一輪。但し梅にしては花柄が長く曲がっている。そういう品種なのか、それとも別の花なのか。最下部中央に明朝体縦組み白抜きで「角川文庫」とある。
 この題簽風の部分は2012年10月27日付(01)に紹介した改版初版にも縮小されて(カーキ色=6.2×3.5cm、子持枠=5.8×3.0cm)使用されている、
 カバー背表紙は2012年10月27日付(01)に紹介した一八八版に同じ。
 カバー表紙折返し、上部の写真と紹介文は2012年10月27日付(01)に紹介した一八八版に同じ。最下部右寄せでゴシック体で1行「カバー/堀 文子」とある。
 カバー裏表紙は一八〇版に同じ。なお、2014年12月2日付(12)に一八〇版を紹介して「カバー裏表紙は百七十七版に同じ。」と書き、2014年3月1日付(11)に百七十七版を紹介して「カバー裏表紙は一八八版に一致。」と書いたのだが、は2012年10月27日付(01)で一八八版を紹介したときにはあまり詳しく記述していなかった。
 横組みで、左上にバーコード2つ、9784041001127/1920193003000。右上に「ISBN4-04-100112-9C0193 \300E定価:本体300円(税別)」とあり、中央やや下にゴシック体縦組みで、

こゝろ」は後期三部作の終曲で/あるばかりでなく、漱石文学の/絶頂をなす作品。自我の奥深く/に巣くっているエゴイズムは、/ここでぎりぎりのところまで押/しつめられる。誠実ゆえに自己/否定の試みを、自殺にまで追い/つめなければならなかった漱石/は、そこから「則天去私」とい/う人生観にたどりつく。
大正三年作。

とある。
 2013年1月16日付(09)でも、九十六版の紹介文(カバー表紙折返し上部に明朝体横組み)と一八八版のそれを比較していたのに、一八八版の紹介文そのものはこうした異同の指摘にごく一部を抜いたことがあるばかりなのであった。――当初は、あくまでも異同の指摘というつもりで、該当箇所のみ抜いて文をまるまる引くのは厚かましいような気がして遠慮していたのだが、比較するに際してそれでは不便なので、やはり全部抜いて置けば良かったと反省しているのである。(以下続稿)

*1:但し手書きらしく直線になっていない。