瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

筒井康隆『時をかける少女』(5)

・角川文庫3637(1)
 角川文庫3637の六十二版を見た。
 カバー表紙は、2015年4月6日付(1)に貼付した書影に同じ*1Amazon詳細ページでは原寸以上に拡大して見ることが出来る。
 カバー表紙折返し、縦組みで著者紹介文、

筒井康隆(つつい やすたか)
一九三四年大阪生まれ。同志社大学文学部卒。第九回泉/鏡花文学賞、第二十三回谷崎潤一郎賞、第十六回川端康/成文学賞、第十三回日本SF大賞受賞。主な著書『幻想の/未来』『時をかける少女』『農協月へ行く』『虚人たち』『文学/部唯野教授』『朝のガスパール』等多数。

とあって、二重鍵括弧は半角。最下部右寄りにゴシック体横組みで「写真提供: フジテレビジョン」とある*2

 すなわち、カバー表紙の写真で立っている短髪の少女は、フジテレビにて平成6年(1994)2月19日から3月19日まで全5話が放映されたテレビドラマの主演内田有紀(1975.11.16生)である。ビデオ発売されたのは総集編で、貼付したものは表側と背が褪色しているがAmazon詳細ページにて状態の良いものが閲覧出来る。私は放映当時実家にいてチャンネル権がなく、そもそもこういうドラマに興味がなかったから見たことはない。六十二版は放映から4年後の増刷だが、再放送などもなされていたのであろうか。
 カバー背表紙は肌色地*3で最上部にゴシック体で著者名、1字分空けて横並びでごく小さく「つ2-7/Y420」とあってで囲われた、明朝体太字で標題。最下部にやや小さいゴシック体で「角川文庫|■*4
 カバー裏表紙折返し、白地で左下にごく小さく明朝体横組みで「カバー 暁印刷」右下にKBマーク*5
 カバー裏表紙、左上にバーコード2つ「978-4041305102/1920193004205」、右上「ISBN4-04-130510-1C0193 \420E定価:本体420円(税別)*6、中央にゴシック体縦組みで紹介文、

物置同然になった無人のはずの/理科実験室に誰かいる  ガチ/ャーンとガラスの割れる音が響/いた。和子がうす暗い部屋の中/を見まわすと、試験管が床に落/ちて割れていた。中から液体が/こぼれ白い湯気のような甘い匂/いが漂い、急に和子の嗅覚を襲/った。彼女はそのまま、軽い貧/血を起こして気を失った。*7
だが、意識が回復すると、不思/議な事件がたて続けに起こった。/どうも、あの匂いをかいだこと/がきっかけで、彼女に特殊能力/がそなわったらしい。*8
少女が不思議な空想の世界を体/験する会心の表題作、ほか2篇/収録。*9


 ちなみに角川文庫14269(改版初版)ではカバー裏表紙右上にゴシック体横組み、

放課後の誰もいない理科実験室/でガラスの割れる音がした。壊/れた試験管の液体からただよう/あまい香り。このにおいをわた/しは知っている――そう感じた/とき、芳山和子は不意に意識を/失い床にたおれてしまった。そ/して目を覚ました和子の周囲で/は、時間と記憶をめぐる奇妙な/事件が次々に起こり始めた。
思春期の少女が体験した不思議/な世界と、あまく切ない想い。/わたしたちの胸をときめかせる/永遠の物語もまた時をこえる。

となっている。(以下続稿)

*1:11月5日追記】五十九版も同じ。

*2:11月5日追記】五十九版も同じ。

*3:褪色しているかも知れない。

*4:11月5日追記】五十九版はカバー表紙と同じ地色(但し褪色)で、最上部に「つ|2-10 」とあって秀英初号明朝で標題、中央やや下に秀英初号明朝で著者名、最下部にゴシック体で「角川文庫●430」●に白抜き「P」数字は横並び。

*5:11月5日追記】私の見た五十九版は切除されている。

*6:11月5日追記】五十九版はバーコード2つめが「1910193004305」、右上ISBNコードは同じ、2行めが「C0193 P430E 定価430円」定価はゴシック体でやや小さく、下にゴシック体で「(本体417円)」と添える。紹介文は同じ。

*7:ルビ「にお・きゅうかく」。

*8:「あの匂い」に傍点「ヽ」。

*9:「体験」に傍点「ヽ」。