瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

チェーホフ『桜の園』の文庫本(3)

湯浅芳子訳(3)
 最初、3月7日付(1)及び3月8日付(2)では3冊の比較から始めたのだが、その後、カバーの掛かっていないものは第二九刷の他に第33刷・第40刷・第44刷、カバーの掛かっているものは第46刷・第55刷の他に第56刷を見た。
 本体表紙は、第二九刷と第33刷は似ているように見えるが上部の「岩 波 文 庫」の文字は明らかに違うし、その下にある下線のある番号が「4117」から「32-622-5」に変わっている。標題と作者・訳者と、下部の版元名は似ているがやはり組み直されているようだ。
 第40刷も内容は第33刷に同じだがやはり組み直されている。第44刷は下部が帯に隠れているが第40刷に同じに見える。以下の刷はカバーに隠れて見えづらいがやはり第40刷に同じのようだ。
 本体背表紙、上部の標題と訳者(作者)は、第33刷は第二九刷に同じ。第40刷・第44刷は第46刷に、第56刷は第55刷に同じ。下部には、第40刷・第46刷・第55刷・第56刷はゴシック体で「赤六二二-五」とあるのが見える。第二九刷は同じ位置に文字がない(その下の分類票の下に入っているのであろう)。第33刷と第44刷は帯のために見えない。
 赤紫の帯は、第33刷(幅6.9cm)は背表紙側しか保存されていない。第44刷(幅6.0cm)は折返しが切除されている。
 第33刷の背表紙側は、最上部に種を蒔く人のマーク「桜  の  園 六二二−五」漢数字とハイフンは半角。最下部は分類票のために文字等の有無は不明。第44刷は「岩波文庫 六二二−五  ☆★150 」分類番号の前を空白にしたが、ここも分類票に隠れて見えないので「赤」とあるのかも知れないが、とにかく1字分空けて置いた。
 第44刷の帯の表紙側、上部にゴシック体横組みで、

チェーホフ白鳥の歌として知られわが国の新劇でも最もよく演ぜられる名作新しい時代の動きを一荘園の生活の中に描きだす

とあり、左下に直径1.3cmの種を蒔く人のマーク、右下にやはり横組みで「622桜 の 園定価150円」分類番号のうち「5」は若干小さい。
 第44刷の帯の裏表紙側、上下に横線(8.6cm)があってその間(4.8cm)に「カルヴィーノイタリア民話集()戦争と平和()キリスト伝説集石橋湛山評論集」の4点の紹介があるのだが、私の見た本はここにバーコードが貼付されているために一部見えなくなっている。ちなみに米川正夫訳『戦争と平和』はそれまで8分冊で出ていたものを4分冊に改編したもの。(以下続稿)