瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

横溝正史『犬神家の一族』(4)

・角川文庫2897(3)
 さて、7月21日付(2)に述べたように、平成14年(2002)に横溝氏「生誕100年記念新装版」として大路浩実のカバーに改装されており、今年1月に刊行された「発行所株式会社KADOKAWA」に変わった改版27版もやはり大路氏のカバーである。しかしながらその間、平成18年(2006)12月の市川崑監督のリメイク映画に関連したカバーに改装されたことがあり、また、以前の杉本一文のイラストが復活したこともあった。
 私は、杉本氏のカバーの掛かった改版二十三版を見た。但し、リメイク映画公開直前の増刷なので、当初は映画に因んだカバーが掛かっていたはずである。この杉本氏のカバーが復活した時期であるが、角川書店(KADOKAWA)HPの2012年05月24日付ニュースリリース「発見! 角川文庫 横溝正史生誕百十周年記念/期間限定【杉本一文】復刻カバーで発売中!」とあって「<期間> 2012年12月末まで 」であった。平成24年(2012)5月から12月に掛けてであるが、本書はこの時期に増刷されていない。
 カバー表紙は改版前、五十四版や六十版に掛かっていたものに同じ。
 カバー背表紙・裏表紙は大路氏のカバーの改版二十三版・改版二十五版・改版二十六版に同じ。
 カバー表紙折返し、上部の顔写真・紹介文も大路氏のカバーの改版二十三版・改版二十五版・改版二十六版に同じ。最下部左寄りに1行「カバー杉本一文」とある。
 カバー裏表紙折返し、ゴシック体横組みで「角川文庫|横溝正史の本 ||」横線(4.5cm)3本、以下26点28冊「八つ墓村/本陣殺人事件/獄門島悪魔が来りて笛を吹く犬神家の一族/人面瘡/夜歩く/迷路荘の惨劇/女王蜂/幽霊男/首/悪魔の手毬唄/三つ首塔/七つの仮面/悪魔の寵児/悪魔の百唇譜/仮面舞踏会/白と黒/悪霊島(上)(下)病院坂の首縊りの家(上)(下)/双生児は囁く/悪魔の降誕祭/殺人鬼/喘ぎ泣く死美人/髑髏検校/小林信彦 横溝正史読本  ほか」最後の1点が追加されている他は大路氏のカバーの改版二十三版・改版二十五版・改版二十六版に同じ。右下にKBマーク。
 改版27版は「発行」が「角川書店」でなくなったことにより、扉と奥付の形式が従来の角川文庫とは大きく異なっている。しかしながら、それ以外の部分は改版二十六版までと一致している。
 改版二十二版・改版二十三版・改版二十五版・改版二十六版の本体の異同は奥付のみ。目録は改版27版も一致している。奥付の、改版二十二版と改版二十三版の異同はそれぞれの発行日のみ。改版二十五版は発行日と「製本所――本間製本」だったのが「製本所――BBC」となっていること。ここまではHPアドレスは入っていない。改版二十六版は発行日の他「発行所――」の住所の次が「電話・編集 (〇三)三二三八―八五五五」のみになり、次に「〒一〇二―八〇七八」、そして「発売元――株式会社角川グループパブリッシング」とあって4字下げで4行、まず同じ住所、「電話・営業 (〇三)三二三八―八五二一」/「〒一〇二―八一七七」/HPアドレス。次いで「印刷所―暁印刷 製本所―BBC/装幀者―杉浦康平」最後の3行は、5月7日付「壺井栄『二十四の瞳』の文庫本(12)」で見た角川文庫14733『二十四の瞳』改版六版に同じ。改版二十五版までは匡郭内、縦組みの最後に横長の明朝体で小さく1字下げで「定価はカバーに明記してあります。」とあったが、改版二十六版は匡郭左辺の左、下詰めで横長の明朝体で小さく「定価はカバーに明記してあります。」とある。下辺の下、ISBNコードは改版二十五版までは10桁であったが改版二十六版は13桁。(以下続稿)