・岩波文庫『退屈な話・六号病室』湯浅芳子訳(2)
2016年5月23日付(3)に、第一〇刷を見たことにより旧番号分を追加した。それに伴って見出しから整理番号を除いた。
今、第一〇刷・第13刷・第21刷を並べている。第21刷には帯が保存されていない。
本体表紙、茶色の文字は中央揃えで、私の見たものはそれぞれの刷で組み直されている。第一〇刷は文字が傾いて(右が若干下がって)いる。茶色の飾り枠の中、上部に「岩 波 文 庫」、1行分弱空けてオールドスタイルの算用数字「6609―6610」に下線、1行分強空けて大きく標題、中黒点は全角。1行分強空けて「チェーホフ作/湯浅芳子訳」この2行の幅を揃える。第13刷は2行めがオールドスタイルの算用数字「32-622-6」に下線、標題の中黒点は半角。第21刷は1〜2行めの間が半行弱に詰まり、標題の中黒点は全角。
本体背表紙の茶色で縦組みの文字、最上部の明朝体の標題は第一〇刷と第13刷とで同じに見える。第21刷は太く、横長に若干膨脹している。1字空けて割書「チェーホフ作/湯浅芳子訳」この2行の幅を揃える。これはそれぞれの刷で組み直されているようだ。第21刷は下部に「赤 六二二-六」とあるが第一〇刷と第13刷は帯に隠れて、最下部の第一〇刷「★★」第13刷「☆☆」しか見えない。この星のあった部分が第21刷では空いている。
帯は第一〇刷と第13刷を比較しつつ記述して見よう。
表紙側、文字は全て横組みで、最上部左寄りにゴシック体で大きく標題、中黒点は半角。1字分弱空けて第一〇刷は下寄せで「★★」、第13刷は上寄せで「☆☆」その下に「¥ 200」算用数字は細字のゴシック体。第一〇刷は3行分、第13刷はこの定価があるので2行分空けて、右寄りにゴシック体の紹介文がある。
自分の行為に対する自信を喪失し人生の落伍/者の道をたどるロシヤインテリの絶望的苦悩/を描いたチェーホフの代表的中篇二つを収む.
最下部左寄りに種蒔く人のマーク、中央に第一〇刷は「赤 」とあり、大きく「1140」とある。この番号が第13刷では「622-6」となり、その前は「〈著者別/番 号〉 赤 」割書のみ明朝体。
背表紙側、種を蒔く人のマークがあって、以下ゴシック体、第一〇刷は「一一四〇 退屈な話・六号病室 ★★」中黒点は全角。第13刷は「 退屈な話・六号病室 六二二-六 ☆☆」中黒点はやや詰まる。ともに漢数字は半角で特に太く、他の文字の2倍近い横幅がある。
裏表紙側、2本の太線(第一〇刷7.4cm、第13刷7.2cm)に挟まれた間(第一〇刷4.7cm、第13刷4.8cm)に横組みの目録、下の太線の下、右寄りに小さく第一〇刷「R8」第13刷「S2」とある。
第一〇刷は1列で、均等割付の標題と作者/訳者、それから★の間にそれぞれ2字分空白を作って揃えている。ここでは標題の均等割付は再現しなかった。冊数は詰めて右端に配されている。
オネーギン 〈プーシキン/池田健太郎訳〉 ★★
死せる魂(全三冊) 〈ゴーゴリ/平井 肇訳〉 各★★
あかい花 〈ガルシン/神西 清訳〉 ★
桜の園 〈チェーホフ/湯浅芳子訳〉 ★
母 (全二冊) 〈ゴーリキー/横田瑞穂訳〉 〈上★★★/下★★★★〉
どん底 〈ゴーリキー/中村白葉訳〉 ★★
静かなドン(全八冊) 〈ショーロホフ/横田瑞穂訳〉 〈各★★★/8.★★★★〉
鋼鉄はいかに鍛えられ/たか (全二冊) 〈オストロフスキー/金子幸彦訳〉 各★★★
第13刷は1行め中央に「〈 既 刊 書 よ り 〉」とあり、以下左右2列、ゴシック体で標題、標題の右に明朝体で小さく副題や冊数、標題の下に明朝体2字下げで小さく(冊数及び)作者・訳者を示す。ここでは標題の均等割付を再現した。
ロ ラ ン の 歌/ 有永弘人訳
ラブレー第一之書〜第五之書/ガルガンチュワ物語/パンタグリュエル物語/ 全五冊/ フランソワ・ラブレー*1 渡辺一夫訳
トリスタン・イズー物語/ ペディエ編 佐藤輝夫訳
ニーベルンゲンの歌全二冊/ 相良守峯訳
以上左列。右列には
オ シ ァ ン――〈ケルト民/族の古歌〉/ 中村徳三郎訳
カンタベリー物語 〈(上) /全三冊〉/ チョーサー 桝井迪夫訳
アイヴァンホー 全二冊/ スコット 菊地武一訳
イ ー リ ア ス 全三冊/ ホメーロス 呉 茂一訳
オデュッセイアー 全二冊/ ホメーロス 呉 茂一訳
とある。(以下続稿)
*1:この作者名は特に小さい。