瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

チェーホフの文庫本(4)

岩波文庫『退屈な話・六号病室』湯浅芳子訳(2)
 2016年5月23日付(3)に、第一〇刷を見たことにより旧番号分を追加した。それに伴って見出しから整理番号を除いた。
 今、第一〇刷・第13刷・第21刷を並べている。第21刷には帯が保存されていない。
 本体表紙、茶色の文字は中央揃えで、私の見たものはそれぞれの刷で組み直されている。第一〇刷は文字が傾いて(右が若干下がって)いる。茶色の飾り枠の中、上部に「岩 波 文 庫」、1行分弱空けてオールドスタイルの算用数字「6609―6610」に下線、1行分強空けて大きく標題、中黒点は全角。1行分強空けて「チェーホフ作/湯浅芳子訳」この2行の幅を揃える。第13刷は2行めがオールドスタイルの算用数字「32-622-6」に下線、標題の中黒点は半角。第21刷は1〜2行めの間が半行弱に詰まり、標題の中黒点は全角。
 本体背表紙の茶色で縦組みの文字、最上部の明朝体の標題は第一〇刷と第13刷とで同じに見える。第21刷は太く、横長に若干膨脹している。1字空けて割書「チェーホフ作/湯浅芳子訳」この2行の幅を揃える。これはそれぞれの刷で組み直されているようだ。第21刷は下部に「赤 六二二-」とあるが第一〇刷と第13刷は帯に隠れて、最下部の第一〇刷「★★」第13刷「☆☆」しか見えない。この星のあった部分が第21刷では空いている。
 帯は第一〇刷と第13刷を比較しつつ記述して見よう。
 表紙側、文字は全て横組みで、最上部左寄りにゴシック体で大きく標題、中黒点は半角。1字分弱空けて第一〇刷は下寄せで「★★」、第13刷は上寄せで「☆☆」その下に「¥ 200」算用数字は細字のゴシック体。第一〇刷は3行分、第13刷はこの定価があるので2行分空けて、右寄りにゴシック体の紹介文がある。

自分の行為に対する自信を喪失し人生の落伍者の道をたどるロシヤインテリの絶望的苦悩を描いたチェーホフの代表的中篇二つを収む.


 最下部左寄りに種蒔く人のマーク、中央に第一〇刷は「 」とあり、大きく「1140」とある。この番号が第13刷では「622-」となり、その前は「〈著者別/番 号〉 」割書のみ明朝体
 背表紙側、種を蒔く人のマークがあって、以下ゴシック体、第一〇刷は「一一四〇 退屈な話・六号病室 ★★」中黒点は全角。第13刷は「 退屈な話・六号病室 六二二-六  ☆☆」中黒点はやや詰まる。ともに漢数字は半角で特に太く、他の文字の2倍近い横幅がある。
 裏表紙側、2本の太線(第一〇刷7.4cm、第13刷7.2cm)に挟まれた間(第一〇刷4.7cm、第13刷4.8cm)に横組みの目録、下の太線の下、右寄りに小さく第一〇刷「R8」第13刷「S2」とある。
 第一〇刷は1列で、均等割付の標題と作者/訳者、それから★の間にそれぞれ2字分空白を作って揃えている。ここでは標題の均等割付は再現しなかった。冊数は詰めて右端に配されている。

オネーギン  〈プーシキン池田健太郎訳〉  ★★
死せる魂全三冊)  〈ゴーゴリ/平井 肇訳〉  各★★
あかい花  〈ガルシン/神西 清訳〉  ★
桜の園  〈チェーホフ湯浅芳子訳〉  ★
  全二冊)  〈ゴーリキー/横田瑞穂訳〉  〈上★★★/下★★★★〉
どん底  〈ゴーリキー/中村白葉訳〉  ★★
静かなドン全八冊)  〈ショーロホフ/横田瑞穂訳〉  〈各★★★/8.★★★★〉
鋼鉄はいかに鍛えられたか  全二冊)  〈オストロフスキー/金子幸彦訳〉  各★★★


 第13刷は1行め中央に「〈 既 刊 書 よ り 〉」とあり、以下左右2列、ゴシック体で標題、標題の右に明朝体で小さく副題や冊数、標題の下に明朝体2字下げで小さく(冊数及び)作者・訳者を示す。ここでは標題の均等割付を再現した。

ロ  ラ  ン  の  歌  有永弘人訳
ラブレー第一之書第五之書ガルガンチュワ物語パンタグリュエル物語  全五冊  フランソワ・ラブレー*1 渡辺一夫
トリスタン・イズー物語  ペディエ編 佐藤輝夫訳
ニーベルンゲンの歌全二冊  相良守峯訳


 以上左列。右列には

オ シ ァ ン――ケルト民/族の古歌〉/  中村徳三郎
カンタベリー物語 〈(上) /全三冊〉/  チョーサー 桝井迪夫訳
アイヴァンホー 全二冊  スコット 菊地武一訳
イ ー リ ア ス 全三冊  ホメーロス 呉 茂一訳 
オデュッセイア 全二冊  ホメーロス 呉 茂一訳

とある。(以下続稿)

*1:この作者名は特に小さい。