瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『ゼロの焦点』(08)

帝国書院編集部『松本清張地図帳』(2)
 5月31日付(7)の続きで、本作についての、特集ページ(4〜9頁)以外の記述を一通り見て置こう。
 3頁「清張作品の/ 日本地図 」には日本列島の白地図(沖縄を除く)に120箇所、作品の舞台が丸数字で記載され、右側に横組みで都道府県別に地名と作品名が列挙されている。なお、東京都と神奈川県は狭い割に舞台となった場所が多いので、右下に別枠に拡大して示してある。番号は仮に半角括弧と数字で示した。
 本作は、まづ19〜21行め、

東京 (32)立川『ゼロの焦点(33)大宮町善福寺川『黒い福音』(34)永田町『迷
   走地図』(35)西郷札(36)赤坂、有楽町『点と線』(37)深大寺『波
   の塔』

と東京都の筆頭に見え、次いで28行め「石川 (51)能登金剛『ゼロの焦点(52)金沢『ゼロの焦点』」と見える。最後の67行めは半行分空けてゴシック体で「注 「松本清張の旅」(北九州市立松本清張記念館発行)を元に作成」とある。なお、丸数字の色については、2頁右下に横組みゴシック体で「作品別特集に登場する地名  /上記以外の作品に登場する地名」とある。
 64〜65頁「清張の時代 温泉」に掲載される日本地図には25箇所の温泉が挙がるが、本作関連では65頁に「和倉温泉(石川県)ゼロの焦点」と「湯村温泉山梨県ゼロの焦点」が挙がる。湯村温泉は1章め、③5〜29頁8行め「ある夫」の③11頁9行め〜29頁8行め「2」節に記述される新婚旅行の件(③14頁5行め〜27頁7行め)の、1日めの宿泊地(③15頁8行め〜16頁13行め)で、新婚旅行の宿での描写はむしろ、2日めの上諏訪温泉(③22頁5行め〜23頁7行め、24頁13行め〜27頁7行め)の方がいろいろと印象深いのだが、この地図には指摘されていない。
 和倉温泉の場面は、5月29日付(6)に見たように旅館に泊まって温泉に浸かる訳ではないのだが、主人公が観察した「温泉場」の風情が僅かではあるが、描写されている(以下続稿)