瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

ビートたけし『たけしくん、ハイ!』(09)

銀河テレビ小説たけしくんハイ!」シナリオとの異同(2)
 「出演」について、ジャンル別に纏めて確認する予定は変えていないが、場面ごとに、気になった人について取り上げて行くことにした。当時の俳優について余り知識がない私には、ざっとネットで検索する程度の確認でも(それでも不十分であろうが)結構手間なのである。
 と云う訳で、昨日の続き。
・第2回(1)
 ドラマでは、主として伊藤久(伊藤環)と云う、おかっぱ頭の嫌味な感じの同級生が、たけしにちょっかいを出して喧嘩になっている。
 伊藤環は、まあのブログ「嗚呼、人生よ。」の2016-12-11「少年ドラマ その523」に拠れば、子役のちスーツアクター・スタントマンとして活躍した伊藤慎(1975.4.6生)の兄。
 伊藤久は第1回の空地で野球をする場面にも出ていたと思うが、敵役(と云っても子供だから大したことはないが)として目立って来るのはこの回からである。
 それが、習字の時間に「墨の塗りっこ」をして、たけしだけが廊下に立たされる場面である。
 実は『シナリオ』では、この26頁下段16行め~27頁下段3行め「●小学校・廊下」で、たけしにちょっかいを出す、27頁上段13行め「友人一」は、たけしに27頁上段3・4行め「敏坊」と呼ばれており、担任の山口先生(石井めぐみ)にも27頁上段15行め「中根君 何してるの ?! 」と注意されている。それがドラマでは「ひさ坊」に、そして「伊藤君、何してるの?」に変わっているのである。
 212頁中段「キャスト」には16人めと17人めに、

中根敏夫       堀越太郎
牧野 久       伊藤 環

と見える。当初、たけしの敵役は中根敏夫(堀越太郎)だったのが、現場で「久」に変更されたらしい。かつ、「久」の姓も当初「牧野」だったのが本人と同じ「伊藤」に変更されている。役名と役者が同姓なのは伊藤久=伊藤環のみである。
 この後、たけしが仕返しとして「友人一」のランドセルの肩紐を千切り、母親が西野家に怒鳴り込むのだが『シナリオ』では28頁上段12行め「女――中根敏夫の母明代。」と云うことになっている*1。これがドラマでは伊藤明代(田岡美也子)と姓が変わり、真利子(木の実ナナ)の台詞でも「伊藤君のお母さんが来て」とか「何で伊藤君のランドセルの肩紐千切ったりすんの」とか云うことになっている。
 田岡美也子(1947.12.5生)は撮影当時37歳。対する木の実ナナ(1946.7.11生)は撮影当時38歳。
 このとき、竹次郎も平伏しながら「御無理ごもっとも」と言って、明代に凄まれてしまうが、『シナリオ』では28頁上段20行めと下段6行めの2度「御無理ごもっとも」と言っていたのを1回に減らしている。すなわち、1回めは、28頁上段18~20行め、

真利子「ほんとにごもっともで。(と、竹次郎を突つ/ く。)」
竹次郎「全くもって御無理ごもっともで。」

と、真利子の鸚鵡返しで「御無理ごもっとも」と言ってしまったのだが、明代は28頁下段1~5行めの長台詞を繰り出すのに夢中(?)だったのか、このときは咎めない。明代の長台詞を受けて、28頁下段6~10行め、

竹次郎「へえ、ほんとに御無理ごもっともで……。」
明 代「何ですって? 何が御無理ごもっともです/ か。私、無理を言ってます?」
真利子「いえいえ、違うんです。うちの人は物を知/ らないものですから。」

と、この2度めがTVドラマでは活かされているのである。――しかし、事前に年末の放送に気付かなかったので録画しておらず、NHKプラスの見逃し配信も、もう視聴出来なくなってしまったので細かい異同は示せない。(以下続稿)

  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

 昨日、首都圏だけ9月始業にすれば良い、と書いたが、全国的に9月にした方が良さそうだ。大学入学共通テストも、全国的に延期するべきだろう。本当に、先の大戦以来、駄目だったときにどうするのか、と云う案を立てて置くことを憎んでいるのかと思うくらい、何も考えていない。私は独立行政法人の大学院生として文部科学省には酷い目に会わされたから、文科省の役人がどのくらい普通の道理の分からない、無能な連中であるかを知っていたが、彼らは今回も遺憾なくその本分を発揮してくれている。
1月10日追記】「9月始業」については2020年5月3日付「赤いマント(243)」の付足りに書いた。当時は2020年度を9月から始めよ、と云う主張をしていた*2のだが、学校は首都圏でも6月に始業した。しかし、今、当時より悪い状況になっているのに何もしない。既に相当数の感染者が学校で発生している。そんなに大学入試共通テストを延期したくないのだろうか。横浜市等の成人式もそうだ。今からでも今年度を7月まで延ばして、来年度から9月始業にするべきではないか。このままでは飲食業が焦土になった後に、学校が感染の中心地となりかねない。いや、既になりつつある。「学びの遅れ」なんてやる気になれば取り戻せる。差当り始業をずらしてやれば良い。こんな状況で「健やかな学び」もあったものでない。
1月15日追記文部科学省の異常さは2021年1月5日付「小学校中学校及び高等学校等における新型コロナウイルス感染症対策の徹底について(通知)」を参照されたい。全国一斉休校解除後、今度はどのような状況になったら休校を決断するのか、諸外国は目安を示しているのに日本では全くそういう議論をして来なかった。その挙句にこれである。――無能・無神経・非常識を通り越して、恐ろしくなって来る。いや、文科省に限らないのだけれども。しかし大学入試共通テストを大した対策もせずに「万全の対策」だと強弁して強行しようとしている。そんな「万全の対策」があるならば、是非ともコロナ自粛で窮している各方面に教えて差し上げなさいな。

*1:この1回しか登場しないので「キャスト」には出ていない。

*2:もちろん、当時のことだから見込み違いも多々あった訳だが「仮定の話にはお答えできない」総理よりは、見通しが良かった。