瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山田野理夫『アルプスの民話』(4)

 昨日の続き。
 「目 次」7頁3行め「雪 お ん な」を「六四」とするが66頁からである。
 11頁(頁付なし)長野県の略地図があって、郡の境界線と河川、山と主要都市を示す。しかし中央アルプスの山が全く記入されていない。
 以下、各話に仮に番号を附し、末尾にある地名を題に添えて、見て置こう。これに『山の傳説』をそのまま、小説じみた表現を民話風に簡略にするなどして採ったものを「←」、少々『山の傳説』にない話題が追加されているものを「≒」として、ざっと依拠関係を見て置く。厳密な比較を経たものではないので、今後判断を変更することがあるだろうことを先にお断りして置く。
【1】狼の話(伊 那) 13~14頁
【2】上人の話(槍が岳) 15頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【64】播 隆 上 人槍ヶ岳)180~182頁4行め
 ←『山の傳説』北アルプス篇【65】二子岩の假小屋槍ヶ岳)182頁5行め~183頁7行め
180頁、182頁
【3】百 田(伊 那) 16~18頁
【4】大男の話(唐松岳) 19~20頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【66】巨 人 の 足 跡唐松岳)183頁8行め~185頁
【5】高い話(有明山) 21頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【40】脊  の  び有明山)114頁4~8行め
【6】はじめのひと(剣 山) 22頁
 末尾に(剣 山)とあるが本文は2・4行め「剣岳」である。
 ←『山の傳説』北アルプス篇【14】永 久 の 謎(劒 山)33頁6行め~34頁9行め
 本文7・11行め「劍岳*1」――山田氏の敷き写しは明らか。
【7】上高地上高地) 23頁
 ≒『山の傳説』北アルプス篇【52】上  高  地上高地)150頁5行め~151頁5行め
【8】さくらのひと(上高地) 24~26頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【53】櫻  の  精上高地)151頁6行め~154頁5行め
【9】穂高の僧(穂高岳) 27~28頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【58】公 安 さ ま(穗高岳)165~167頁9行め
【10】貝鞍の池(伊 那) 29~30頁
【11】ものぐさ太郎(穂高岳) 31~44頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【60】若 宮 明 神(穗高岳)170頁4行め~175頁8行め
【12】太郎の話(穂高岳) 45~48頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【57】穗 高 神 社(穗高岳)162頁7行め~164頁
【13】若返りの水(御 岳) 49~51頁
【14】羽(御 岳) 52~53頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【71】雷     鳥(御 嶽)192~193頁1行め
【15】樹木のうらみ(黒部峡谷) 54~55頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【19】十 六 人 谷(黑部峽谷)56~57頁3行め
【16】女 神(八ツ岳) 56~58頁
 ≒『山の傳説』南アルプス篇【26】背 く ら べ八ヶ岳)297頁11行め~299頁9行め
【17】握飯と笠(立 山) 59~60頁
【18】小石の高さ(立 山) 61頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【13】小 石 を 積 む(立 山)32頁9行め~33頁5行め
【19】化石の道(立 山) 62頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【3】材  木  坂(立 山)10頁10行め~11頁8行め
【20】鷹と熊(立 山) 63~65頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【1】白     鷹(立 山)3~5頁
【21】雪おんな(白馬岳) 66~71頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【36】雪     女(白馬岳)95頁11行め~99頁
【22】化 身 (赤石岳)72~74頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【5】山  椒  魚赤石岳)245頁8行め~246頁
【23】白馬岳(白馬岳) 75頁
【24】花物語(白馬岳) 76~79頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【29】大  櫻  草(白馬岳)76頁10行め~79頁10行め
【25】山男の話(白馬岳) 80~83頁
 (前半)←『山の傳説』北アルプス篇【30】山  之  坊(白馬岳)79頁11行め~83頁
 (後半)
【26】八千八声(白馬岳) 84頁
【27】赤石岳と猿(赤石岳) 85~88頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【3】猿      赤石岳)243頁3行め~245頁1行め
【28】入道の話(黒部溪谷) 89頁
 ≒『山の傳説』北アルプス篇【23】鐘 釣 溫 泉(黑部峽谷)64頁1~8行め
【29】天空の馬(駒が岳) 90~93頁
 ←『山の傳説』中央アルプス篇【1】天 津 速 駒駒ヶ岳)215頁2行め~217頁
【30】早太郎の話(西駒が岳) 94~96頁
 ←『山の傳説』中央アルプス篇【3】義  犬  塚(西駒ヶ岳)220頁10行め~226頁2行め
【31】火口湖(焼 岳) 97頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【62】山 上 の 池(燒 岳)177頁6行め~178頁10行め
【32】ねぎと木(上高地) 98~101頁
【33】さかさ銀杏(塩見岳) 102頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【13】逆  銀  杏(鹿盬浴場)276頁3~8行め
【34】猿と着物(赤石岳) 103~106頁
【35】斧の話(黒部溪谷) 107~111頁
【36】雪溪と花畑(立 山) 112~113頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【6】千 蛇 が 池(立 山)16頁3行め~17頁
【37】山鳥の矢(有明山) 114~119頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【41】山 鳥 の 征 矢有明山)114頁9行め~118頁2行め
【38】天狗岩(有明山) 120~121頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【44】信  の  宮有明山)121頁6行め~123頁6行め
【39】乳の木(有明山) 122頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【39】タ ラ の 木 樣有明山)113頁~114頁3行め
【40】農牛(鳳凰山) 123頁
 ≒『山の傳説』南アルプス篇【20】大  日  岩鳳凰山)287頁
【41】寝覚の床(御 岳) 124~128頁
 (前半)
 (後半)←『山の傳説』北アルプス篇【77】寝 覺 の 床(御 嶽)202頁9行め~210頁4行め
【42】冠(冠着山) 129~130頁
 ≒『山の傳説』南アルプス篇【25】手 力 男 命冠着山)296頁2行め~297頁10行め
【43】のうが池(駒が岳) 131~133頁
 ≒『山の傳説』中央アルプス篇【2】濃  ヶ  池駒ヶ岳218~220頁9行め
【44】姫 川(白馬岳) 134~135頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【32】姫 川 傳 説(白馬岳)87頁6行め~89頁2行め
【45】猫又の話(猫又山) 136頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【27】猫  又  山(黑部峽谷)71~75頁6行め
【46】棲替え(八ツ岳) 137頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【28】大 蛇 昇 天八ヶ岳)302頁9行め~304頁2行め
【47】たのしい爺さま(白 山) 138~141頁
【48】経 机(白峰山) 142~143頁
【49】河 童(白峰山) 144頁
【50】清 水(立 山) 145頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【3】弘 法 清 水(立 山)11頁9行め~12頁7行め
【51】白 雉(白 山) 146~147頁
【52】竜の嫁女(黒部溪谷) 148~149頁
 ≒『山の傳説』北アルプス篇【17】黑 部 川 の 主(黑部峽谷)48頁7行め~50頁1行め
【53】二つの谷(黒部溪谷) 150~151頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【18】祖父谷、祖母谷(黑部峽谷)50頁2行め~55頁
【54】二つの顔(黒部溪谷) 152頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【21】黑 薙 川 傳 説(一)(黑部峽谷)58頁10行め~60頁
【55】仏石(黒部溪谷) 153頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【26】佛 石 の 茶 屋(一)(黑部峽谷)69頁5行め~70頁
【56】笛(黒部溪谷) 154頁
【57】こがね湯(白馬岳) 155頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【33】蓮華溫泉縁起(白馬岳)89頁3行め~91頁7行め
【58】姫 川(白馬岳) 156頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【34】姫 川 由 來(白馬岳)91頁8行め~93頁
【59】夫恋し(佐々良峠) 157~158頁
 ≒『山の傳説』北アルプス篇【38】里 人 の 古 説(佐々良峠)111頁4行め~112頁
【60】秀綱(徳本峠) 159~160頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【48】秀 綱 の 死(德本峠)141~143頁1行め
【61】狐(徳本峠) 161~162頁
 ≒『山の傳説』北アルプス篇【49】旅 人 と 小 狐(德本峠)143頁2行め~146頁5行め
【62】髪(三 岳) 163~164頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【17】蛇  ケ  淵(三 岳)282頁
【63】地蔵峠(御 岳) 165頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【75】縁 結 び の 木(御 嶽)199頁~200頁10行め
【64】娘の笛(徳本峠) 166~167頁
【65】神坂峠(神坂峠) 168~170頁
【66】仙丈岳仙丈岳) 171頁
【67】荒 川(赤石岳) 172頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【2】大 小 寺 平赤石岳)242頁3行め~243頁2行め
【68】大聖寺平(赤石岳) 173頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【2】大 小 寺 平赤石岳)242頁3行め~243頁2行め
【69】太子のはしご(駒が岳) 174~176頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【8】蹄  の  跡(東駒ヶ岳)267頁3行め~270頁1行め
 ←『山の傳説』南アルプス篇【9】大 御 鞍 石(東駒ヶ岳)270頁2行め~272頁5行め
【70】塩(塩見岳) 177頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【10】諏 訪 明 神(盬見岳)272頁6行め~273頁8行め
【71】クハジヤ(塩見岳) 178頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【12】虚 空 藏 山(盬見岳)275~276頁2行め
【72】鴛鴦(高鳥谷岳) 179~181頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【6】眞 菰 ヶ 池(高鳥谷岳)247~252頁9行め
【73】河 童(伊 那) 182~183頁
【74】大男の生涯(伊 那) 184~186頁
【75】朱 椀(駒が岳) 187~188頁
 ←『山の傳説』中央アルプス篇【4】駒  ヶ  池(西駒ヶ岳226頁3~227頁6行め
【76】梅の木(八ツ岳) 189頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【27】南  の  家八ヶ岳)299頁10行め~302頁8行め
【77】山 姥(伊 那) 190~192頁
【78】姫の湯(八ツ岳) 193~194頁
 ←『山の傳説』南アルプス篇【31】姫     湯八ヶ岳)307頁5行め~309頁
【79】鹿の角(大無間山) 195頁
【80】熊の皮(大無間山) 196~197頁
【81】昼神の里(伊 那) 198~199頁
【82】鹿の仔(大井川奥) 200~201頁
【83】少年(天竜川) 202頁
【84】静(大 町) 203~204頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【51】刈 馬 村 の 櫻(大 町)147頁3行め~150頁4行め
【85】白狐(御 嶽) 205~207頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【73】興禅寺の檀家(御 嶽)194頁4行め~197頁
【86】つばめの死(燕 岳) 208~210頁
 ←『山の傳説』北アルプス篇【69】燕  の  糸(燕 岳)188~189頁4行め
【87】山猫の話(燕 岳) 211~213頁
【88】うばすて(伊 那) 214~216頁
【89】投草履(松本平・安曇) 217頁
【90】デーランボウ(伊 那) 218
 『山の傳説』以外の典拠も、幾つか見当が付いている。遠からずここに補うか、別に記事にしようと思っている。(以下続稿)

*1:ルビ「つるぎだけ」。