瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

成瀬昌示 編『風の盆おわら案内記』(1)

・新版と定本の比較①
 本書には以下の3つの版がある。版元は言叢社(東京)、A5判並製本
①初版(1991年8月・112頁)
②新版(一九九五年八月五日発行・定価1942円・112頁)
③定本(二〇〇四年七月二五日発行・定価2000円・120頁)

 ①初版は未見。今手許に②新版と③定本がある。書影は③定本のもの。「風」の右に明朝体で添えてある③「[定本]」が②ではやや太い明朝体の「[新版]」である他は同じ。なお、カバー表紙のみ「日本の古本屋」に①の鮮明でない写真が掲出されているが「風」の脇に文字がない(だけの違いのようだ)。
 カバー背表紙も標題の下、白抜きで②明朝体太字「[新版]」とあるのが③明朝体「[定本]」に変わっているのみ。
 カバー裏表紙、右上にカバー表紙よりも狭い朱色地に風を表すような放物線を何本か引いて、そこに右上から左下へ明朝体太字の標題、やはり「風」の右脇に②「[新版]」③「[定本]」、そしてゴシック体白抜き横組み「おわら /案内記」はカバー表紙では「盆」の左にあったが、ここでは「の」の左脇にある。「盆」の左下に版元名、その下に②は細いゴシック体「定価――2000円(本体1942円)」とあったのが③はゴシック体と明朝体で「定価(本体2000円+税)」。それ以外のほぼ全面(上端・下端がカバー表紙からカバー背表紙を経て続く白地)が、女性を右肩の後ろから捉えた写真なのであるが、③は左上部、女性の後頭部に肌色の長方形(6.6×5.2cm)を置いて、OCR-Bフォントでバーコード2つ「9784905913955/1920026020006」と「ISBN4-905913-95-0/C0026 ¥2000E」。②はこの肝心な部分を隠すようなことはなく、写真の最下部左寄りにOCR-Bフォントの白抜きで「ISBN4-905913-54-3 C0026 P2000E」とあって、写真の邪魔になっていない。
 カバー折返し、私の見た②は表紙折返しが、③は裏表紙折返しが切除されている。しかし②の表紙折返しに存している、写真の右端が③の写真に一致するようだから、折返しには②③で同じ写真が入っているものと思う。白地で、表紙(裏表紙)から朱色の枠が少し入り込んでいて、その斜め下に、表紙折返し瓢箪の酒を酌み交わす中年男性2人、裏表紙折返しには漆黒の中に浮かび上がる大人4人と子供4人。裏表紙折返しの左下に明朝体縦組みでごく小さく「カバー裏写真 里見奈津子」とあるのは私の見た③にも残存している。
 見返しは淡い桃色の用紙に赤紫色で全面に印刷、すなわちカバー折返しが切除したのはこの印刷を隠さないためであった、私の見た②は裏表紙見返しの左半分が見えなし、③は表紙見返しの右半分が見えない。
 表紙見返しの右側、女性の踊り姿を左後ろから描いた墨絵で、墨書で右上「雪の立山遠くにかすむ/八尾坂道オワラ水の音」右下「秋  路」路に重なるように淡く白文方印「秋」*1。左側には上部に「越中おわら 正調」の詞章が楷書体で題共に16行。
 裏表紙見返しは八尾町中心部の航空写真で、右が北。右側の右下に富山県の地図で八尾町の位置を示す。同じ写真で地図にも変更点はないようだ*2。(以下続稿)

*1:右側の右半分がカバー表紙折返しに隠れるので、私の見た③ではこの墨書の詞章と落款が見えない。

*2:左側の左半分がカバー裏表紙折返しに隠れるので、私の見た②では、図中にゴシック体で入っている地名等のうち「めがね橋 別荘川」「天満町」「久婦須川」「久婦須橋」「杉原橋」そして「高山線」のうち「高山」が隠れて見えない。