・竹書房文庫『「超」怖い話†(クロス)』(3)
それでは細目を見て置こう。各話に番号は打たれていないが仮に番号を付して【 】に示した。次いで冒頭に4行取りの明朝体太字でやや大きく入っている各話の題、これに( )に頁を添えた。なお、1頁15行、1行37字で組まれている。次に*に体験者(話者)と時期、場所等を摘記して、最後に ← にてケイブンシャブックス『「超」怖い話』の、仮に附した《番号》と収録頁を示した。すなわち、これがないのが「新たな書き下ろし」である。ケイブンシャブックス版と勁文社文庫21版の異同は別に示す*1。なお、途中で1行空けて同じ人の別の話になっている場合、【4附】などとして〔話の概要〕を改めて記した。
【1】イボの花が咲く(9~10頁)
*私自身の体験・五歳のとき・うちの地方(名古屋北郊部)
←《1》14~15頁
【2】夢枕に立つ(12~15頁)
*私の母親・私が中学生だった頃/数年後
←《2》16~19頁
【3】廃屋と竹やぶ(16~21頁)
*私が子供の頃/小学四年生の秋
←《22》86~90頁
【4】マリア様のミイラ(22~26頁)
*ライターの池山さん(女性)の子供の頃・小学生だった池山さん
【4附】〔三人で写真に写る〕25頁8行め~
*高校生のときの、学園祭での出来事
←《37》138~142頁
【5】開かずの離れの人形奇談(27~32頁)
*広告会社の営業マン川辺氏の学生時代の話
←《20》76~80頁
【6】あなたの子供になって、生まれたい……(33~36頁)
題下に「*蜂巣敦氏による寄稿」と小さく添える。
*出版社で営業をしている合田・東京近郊にある国立大学の学生寮
←《5》27~30頁
【7】生まれ変わってこい!(37~46頁)
*ITベンチャーで役員をやっている染谷氏・もうすぐ40歳
【8】不思議な子供(47~48頁)
*出版社に勤める川村さんがまだ赤ん坊だった頃
←《55》200頁
【9】カラスを呼ぶ少年(49~53頁)
*前出の広告会社の営業マン、川辺氏(「開かずの離れの人形奇談」に登場)・大学時代
←《53》194~197頁
【10】人はひとりじゃない……(54~55頁)
*生命保険会社に勤めている篠原氏の子供の頃の話
←《52》192~193頁
【11】俺が見えるのか?(56~57頁)
*美容室のオーナー福山さんが、東京に上京してきたばかりの頃の話・渋谷
【12】俺だけに見えない!(58~61頁)
*編集プロダクションGのオフィス
←《26》104~106頁
【13】塀の上の小人たち(62~64頁)
*渋谷のキャバクラのマヤちゃん/マミちゃんの家は新宿区四谷の某所にある。
――同一人物のはずなのだが62頁6行め「マヤ」64頁3行め「マミ」
【14】喫茶店の常連客(65~68頁)
*不動産会社に勤めるOL大村さんが、昔バイトをしていた喫茶店の話・五反田
←《25》101~103頁
【15】水子供養で運をつかんだ男(69~72頁)
*イラストレーターの村上義夫・故郷新潟
←《6》31~34頁
【16】三点セット(73~77頁)
*デザイン事務所に勤める河野氏
←《4》23~26頁
【17】指輪を捨てて……(78~83頁)
*専門学校生の神野くん
←《39》146~150頁
【18】覗き女(84~92頁)
*美容室のオーナー福山さん(前出「俺が見えるのか?」にも登場)
兵庫県尼崎市出身
十代の頃、鳥取県の大山(スノーボード)のロッジ~東京に引っ越すまで
【19】続・覗き女(93~101頁)
*福山さん・東京に出てきて三~四年/狭山の放置されたラブホテル
【20】ラブホテルの怪異(102~107頁)
*広告会社に勤める吉野氏・神奈川県の逗子の隧道/横浜は伊勢佐木町のラブホテル
←《23》92~96頁
【21】帰ってこない(108~120頁)
*かつて手広く事業を営んでいた佐藤から聞いた話
【22】新しいトンネルのはずなのに(121~127頁)
*パチプロの吉井さんがナンパに人生をかけていた頃の話
【23】車のガラスを叩くもの(128~132頁)
*TV制作会社に勤める沢野さんが番組の収録のため、式根島に出かけたときの話
←《24》97~100頁
【24】幽霊に説教INサイパン(133~135頁)
*広告会社の営業マン山川・広告の撮影のためサイパンに行った時の話
【25】金縛り人生(136~140頁)
*ファミコン・ソフトのシナリオを担当していた頃
【25附】〔血まみれの女の人の夢、など〕~137頁6行め
←《50》185~188頁
【26】頭の中でチューニング(141~144頁)
*大阪・文具メーカーに勤めるOLの葉山さん
←《51》189~191頁
【27】お札の霊験(145~147頁)
題下に「*蜂巣敦氏による寄稿」と小さく添える。
*今年三十歳になる編集者の田端さん
←《38》143~144頁
【28】行かなくっちゃ、行かなくっちゃ(148~150頁)
*前出の文具メーカーに勤めるOL葉山さんのお兄さん・子供の頃
←《54》198~199頁
【29】黒い人と白い人(151~153頁)
*ライターの池山さん(前出「マリア様のミイラ」)実家は広島で病院を経営
←《3》20~22頁
【30】鳴かなくなった猫の話(154~157頁)
*不動産会社に勤めるOL大村さん(「喫茶店の常連客」にも登場)
・彼女の家は品川にある*2
←《21》82~84頁
【31】新聞売りの老婆(158~161頁)
*あるプロジェクトのため、友人の会社に詰めて仕事をしていた頃
【32】おんぶおばけ(162~168頁)
*幼稚園児だった頃→二十数年後/三十歳を目前にした頃
【33】送られてきた巻き物(169~171頁)
*杉並のOL神谷さんの学生時代の話
←《36》136~137頁
【34】恐山に行こうとしたら(172~178頁)
*ITベンチャー会社に勤務していた私・一人旅・九月
【35】時計(179~182頁)
*前出の「覗き女」の福山さんが仕事中に遭遇した話・「例の隙間女の話など」の後
【36】結界はずれ(183~189頁)
*昔・知り合いのデザイン事務所(183頁9行め~186頁)
*数年後・ゲームプロデューサーの坂田氏(187頁~)
186頁2行め「野村さん」の3行め「靴のヒールがポキリと折れた」のに4行め「井上さんはそのまま派手に転び、捻挫した。」となっているが、ここは前後から見ても「井上さん」ではなく「野村さん」であるべきである。
【37】大榎木の話(190~196頁)
*名古屋市の北の端にある、私が生まれ育った町A・小学生だった頃、など
こうして見ると勁文社版には(当然のことながら)安藤氏以外の話が相当含まれていることが実感される。次に、そちらの方を見て置くこととしよう。(以下続稿)