瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(119)クリスティ③

 Agatha Christie(1890.9.15~1976.1.12)の文庫本は早川書房に限らないので各社纏めて7月23日付(113)に示して置いたが、新書は殆どが7月25日付(115)に見たH・P・Bなので、他社から出た次の1冊は含めなかった。これは先月家人が持ち帰っていたので何処にあったか分らない。
・角川小説新書角川書店
アガサ・クリスティ/松本恵子訳『情婦』昭和三十三年三月五日 初版印刷・昭和三十三年三月十日 初版発行・定価百二十円・219頁
 なお Amazon で表示される書影はどう見ても文庫版で、装画も異なる。角川小説新書版は中川一政風の婦人画である。角川文庫版の書影は少なくとも3種あって、そのうち時計の柄のものをそのまま使って「検察側の証人」と改題刊行されている。
 それから、単行本も幾つか持っていた。
 4冊とも、客間のクローゼット右側3段めにあった。
・世界傑作探偵小説シリーズ No.9『殺人準備完了』アガサ・クリスティー/三宅正太郎訳 昭和二十六年九月 二十 日 印刷・昭和二十六年九月二十五日 發行・定 價 二二〇円・早川書房・297頁・四六判上製本
 国立国会図書館デジタルコレクションにて全く同版のカラー画像が公開されている。例によって本体背表紙(角背)が撮影されていないが、2色刷の扉と同じ筆蹟にて上半分に大きく標題、下部には「アガサ・クリスティー/三宅 正太郎訳」と割書、最下部にごく小さく「早川書房」と横書き。
 本書はかなり売れたらしく、ネットオークションに出品されているものの画像を幾つか閲覧出来た。それらはカバーが掛かっていて、帯も保存されているものもある。祖母のものは国立国会図書館と同じくカバーも帯もない状態である。
 この、カバーと帯を完備したものの奥付に2種類ある。1つは国立国会図書館及び祖母の蔵書と同じもの、そしてもう1つは白い紙に刷って貼付したものである。
「昭和二十六年八月二十日 印刷/昭和二十六年八月二五日 発行」と1ヶ月前の日付で「定價 二二〇円」は同じ。
・松本恵子訳・クリスチー探偵小説集/ポワロ探偵シリーズ (8)『みさき荘の秘密』昭和31年5月25日 第1刷発行・¥ 200・大日本雄弁会講談社・238頁・四六判並製本

 本書も国立国会図書館デジタルコレクションで全く同版のカラー画像が閲覧出来る。異同は表紙見返し・裏表紙見返しともに祖母の蔵書には遊紙が1葉あることで、裏表紙見返しの遊紙の右上隅に「40」と鉛筆の書入れがあり、祖母は古本屋で購入したようだ。
 細かい照合をする余裕はなかったが、奥付の下部の横線の上、祖母の蔵書には「¥ 200」と入っている。「¥」の下が太線の左端に当たる。極薄く、印のようでもある。
 折返しのある表紙でカバーではない。国立国会図書館デジタルコレクションでは撮影されていない背表紙も緑色地に白抜きで、上半分に表紙にあるのと同じ字体で、やや縦長にした標題があって、その下( )内にゴシック体割書で「ポワロ探偵/シ リ ー ズ」とあり、少し空けて「8」とやはり小さくゴシック体、下部に下部にもゴシック体で「ク リ ス チ ー 作/松  本  恵  子  訳」とある。
・Hayakawa novels早川書房)四六判上製本
アガサ・クリスティー鳴海四郎訳『白昼の悪魔』昭和51年7月15日 再版発行・定価 1200円・304頁 書影は映画化(邦題「地中海殺人事件」)に因んだカバーで、祖母の持っている再版のカバーは、カバー表紙折返しの右下「装幀 真鍋 博」とある、もっと控えめなものである。
アガサ・クリスティー/綾川 梓訳『スリーピング・マーダー』昭和52年1月31日 初版発行・定価 1200円・282頁※ 帯あり、1つめの書影に同じ
 長年愛読して来たクリスティの歿後刊行の新訳と云うことで、単行本に手を伸ばしたようだ。(以下続稿)