瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

生歿年

田辺貞之助『女木川界隈』(4)

次に巻頭から1節ずつ取り上げて、改稿して再録している『江東昔ばなし』との異同を細かく挙げて行こうかと思ったのだが、それは大変な作業量になってしまい、とてもでないがこの年末までに済ませられそうにないので、差当り登場する人物について述べた箇所を…

園田てる子(1)

横書きで読む、画面で読む、ということに馴染まないので、青空文庫で作品を読んだことは、殆どない。 もちろん、理由はそればかりではない。30年来の図書館主義者で、作品は本文だけでなく収録している本の装幀やら、編集振りやら解説などにも注目する癖があ…

学会誌の訃報欄(4)

遺稿でも調べる機会でもない限り、B氏がどこまで突き止めていたかは分かりません。――改竄や錯簡は、これまで『C』に触ったことのある人のうち、『C』から言葉の用例を摘み食いしただけの人はともかく、『C』を真面目に自分の研究に援用しようと考えた人…

学会誌の訃報欄(3)

この『C』という本は、素性のはっきりしない、ちょっと使いづらい本なのです。明治以前から知られている、そこそこ有名な本で、言及されることも少なくはないのですけれども、最初に紹介した人物が誤った成立年とともに世に広めたため、その後、成立年をめ…

学会誌の訃報欄(2)

もう10年近く会っていないと思うのだけれども、その、既に発病して後と思われる頃に、1度だけ電話がありました。今はネットや携帯電話での通信が主流なので、携帯電話もメールも使用しないでいると、ほぼ存在しないような按配で暮らせます。私も誰からも連絡…

学会誌の訃報欄(1)

先日、遥か以前、まだ院生だった頃に引き受けてしまったためにやっている古典研究関係の仕事の調べ物で久し振りに出身大学の図書館を訪ねました。校友の資格でずっと継続して貸出を受けているのだけれども、普段は通勤途中に定期で立ち寄れる別館に寄ってし…

河本正義『覗き眼鏡の口上歌』(2)

5月28日付(1)の続き。 7〜17頁、上笙一郎「解説」は、12頁13〜14行め「‥‥原本の編者や書誌的事項に」ついて、「‥‥、まず編者の河本正義に/ついて見れば、兵庫県在住の民俗学研究者であった‥‥」として、昭和戦前の兵庫県民俗研究会の機関誌「兵庫県民俗資…

鎌倉の案内書(12)

昨年の9月上旬から中旬にかけて書きかけていたもの。 * * * * * * * * * *・岩波ジュニア新書(岩波書店) 以前調べたことのある塩嘗地蔵の記述をもう一度拾ってみようと思ったのは、岡田寿彦・関戸勇『カラー版 鎌倉 感じる&わかるガイド(岩波…

画博堂の怪談会(1)

田中河内介の怪談が語られ(なかっ)た画博堂の怪談会については、東雅夫編『文藝怪談実話(ちくま文庫・文豪怪談傑作選・特別篇)』(二〇〇八年七月十日第一刷発行・定価900円・筑摩書房・394頁*1)に「史上最恐の怪談実話!?――田中河内介異聞」131〜201頁…