瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山岸凉子『ヤマトタケル』(6)

 上製本と単行本(あすかコミックス)の本体を比較してみよう。
 上製本は巻頭にカラー口絵、1頁(頁付なし)は2月7日付(1)に指摘したように単行本『前編』のカバー表紙に、3頁(頁付なし)は2月17日付(2)に指摘したように単行本『後編』のカバー表紙に使われており、この2枚を作者は気に入っていたようである。2頁(頁付なし)全面を黒地に刷って、2月18日付(3)に注意した、カバー表紙の上部にあった文字(標題や作者名)全てを白抜きで、縮小して入れている。表紙との異同は標題の「ル」に白い大きな鳥を被せていないことと「ル」の右下に小さく「角川書店」と添えていること。4頁(頁付なし)は白地で下部中央にごく小さいゴシック体横組みで「◆1986年「ASUKA」12月号~1987年「ASUKA」7月号掲載」◆は中央を白く四角く抜き、実際には▲が4つ組み合わさった形である。
 単行本の1頁(頁付なし)扉は上部に黒の長方形(3.5×9.5cm)があって横組み白抜きで、上部左寄りに「○あすかコミックス」○の中に翼と脚を拡げ羽を銜えた鳳凰、下部にゴシック体で大きく「ヤマトタケル 」、下に太い枠(幅0.1cm)に囲われた扉絵(10.7×9.3cm)があって『前編』は黒地で葉を散らす楓を背景に、肌脱ぎになって矢を番えた弓を構えるヤマトタケルで10頁(上製本12頁、ともに頁付なし)全頁に描かれる全身像の一部。『後編』は椿の花を背景に、やや斜め右前方から眺めたヤマトタケルの胸から上を大きく描く*1。標題と扉絵の間(1.5cm)に丸ゴシック体横組みで『前編』には「山岸凉子 原作梅原猛   前編」とあってルビ「やまぎしりょうこ」は明朝体、「うめはらたけし」は丸ゴシック体。『後編』はほぼ同じで異同は「後編」になっていること。(以下続稿)

*1:3月21日追記】この絵は上製本312頁・単行本後編150頁の上、左寄りに描かれている主人公を拡大したもの。