瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

ビートたけし『たけしくん、ハイ!』(33)

銀河テレビ小説たけしくんハイ!」シナリオとの異同(26)
 昨日の続き。
・第9回(1)宮森圭子①
 私は36年前に「たけしくんハイ!」、35年前に「続たけしくんハイ!」を見た。その後、2018年7月9日付(01)に述べたように、3年前の夏に図書館のリサイクル本コーナーで『シナリオ』正続2冊を入手して、口絵写真を眺めて再見の機会を得たいものと思っていたところ、この年末年始にNHKの地上波で「たけしくんハイ!」の放送があった。放送予定をチェックしていなかったので録画は諦めたが、NHKプラスの見逃し配信も含めて2度通して(回によっては3度)見、NHKプラスの見逃し配信では『シナリオ』と対照させることも出来た。
 やはり、細かいところは殆ど忘れていた。翌年の「続たけしくんハイ!」を見たら、もっと覚えているところが多いだろうか。主題曲はよく覚えていたがイントロは忘れていた。それから滑稽味を帯びた挿入曲は、1度だけ似た旋律が流れただけだったので「続たけしくんハイ!」で多用されたのだろう。「たけしくんハイ!」でのたけし(小磯勝弥)は特に面白い子でも何でもないのだが、「続たけしくんハイ!」ではヒロインの伊藤弘子(後藤久美子)の、結果的に遺書になってしまった手紙に「‥‥。西野君って、どうしてあんなに面白い/事が出来るのかふしぎです。私は、*1」とあるように、かなり滑稽な振舞いが目立ったようである。
 「たけしくんハイ!」に宮森圭子(岡崎由喜枝)と云うヒロインがいたことは全く覚えていなかった。TVドラマも余り見なかったので岡崎由喜枝(1974.2.16生)のことも知らなかった。しかし、知っていた人にとっては「続たけしくんハイ!」は違和感があったようだ。


 撮影当時11歳で小学6年生、中学1年生の小磯勝弥(1972.5.27生)の1学年下であるがこの年頃の常として男子の方が幼く見える。
 私はどうも、こういう何故かいなくなってしまった登場人物が、2017年10月6日付「水島新司『ドカベン』(17)2017年10月7日付「水島新司『ドカベン』(18)2017年10月8日付「水島新司『ドカベン』(19)」に取り上げた『ドカベン』の朝日奈アッコのように、気になってしまうのである。
 さて、宮森圭子は同じ小学校で、第2回の初登場時の『シナリオ』に、25頁上段19行め~下段2行め、

  たけし、ハッと立ち止まる。
  同級生の美人の女の子――宮森圭子が四ツ角を/  曲がって来たのに出会ったからである。
圭 子「おはよう。」
たけし「――。」

とあって、私は「同級生」と云うと「同じ学級の生徒」と云う風に取りたいのだが、1月8日付(11)及び1月27日付(30)に取り上げた、やはり第2回、学校の廊下での宮森圭子の台詞で「二組の西野君」と言っているから、同学年だが別のクラスである。
 そのことは、1月6日付(09)に触れた、やはり第2回、伊藤久(伊藤環)と「墨の塗りっこ」をしてたけしだけが廊下に立たされたとき、校庭の体育の授業で体操着の宮森圭子を見かけてときめくシーンがあったことからも裏付けられる。
 こうして見ると、このドラマの初期(主として第2回)、宮森圭子はかなりの存在感があった。しかしながら、それからしばらく登場しない。同じクラスではないから父親参観で騒ぎになった五年(?)二組(?)にもいなかったし(たけしにとっては不幸中の幸いと云うべきかも知れないが)、遊び仲間でもないから当然なのだが、この第9回の前半に再登場して、やや思わせ振りな展開になっていたのだが、TVドラマではその場面がほぼ省かれており、そのまま「続たけしくんハイ!」では、新たに登場した岡崎氏と同学年の後藤久美子(1974.3.26生)演ずる伊藤弘子の陰に隠れて、と云うか全く登場せず、まるで初めからいなかったような扱いにされてしまったのである。(以下続稿)

*1:『シナリオ続』131頁下段1~2行め、ここで絶筆。