瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

成瀬昌示 編『風の盆おわら案内記』(5)

 題に(1)まで遡って「 編」を補った。
・新版と定本の比較③
 本書は新潮社の「とんぼの本」や、河出書房新社の「ふくろうの本」や「らんぷの本」と同じ作りのビジュアル概説書である。
 前回引いた版元HPの紹介文にあったようにオールカラーではない。カラーのアート紙は③定本で増補された8頁の他に、②新版で1~24頁、73~80頁の合計32頁、③定本では増補があって全40頁になっている。他はマット紙で白黒写真と本文のみの頁が多いが、42~43・46~47・50~51・54~55・81・84~85・92~93・96頁の合計14頁がカラー印刷である。技術的な問題からか、マット紙では両面カラー印刷にしていないようだ。
 以下、ざっと異同を拾って見る。誤植の修正などの細かいところまで確認する余裕がなかった。
・1頁(頁付なし)扉、1月12日付(1)に指摘した、カバー表紙と同じ標題に添えてある②明朝体太字「[新版]」が③明朝体「[定本]」となっていること。
・2~3頁(頁付なし)「目次」は、現在「八尾町民ひろば」になっている畑地の辺りから、今町・西町辺りの石垣の上に続く家並みを写したもので、架け替えられる前の禅寺橋や、紅白の鉄柵の続く禅寺坂が写っている。その空の部分に細目が、縦線(9.8cm)で項目ごとに仕切りながら示されている*1のだが、3頁11行め、10本めと11本めの縦線の間に、②には秀英初号明朝で「付録おわらの踊り方 109 風の盆案内 112」とあったが、③は明朝体太字で「二〇〇三年 風の盆 97」とある。その前の3行の頁が、この増補に合せて8行め②「97」③「105」、9行め②「99」③「107」、10行め②「100」「103」③「108」「111」に変わっている。
 なお、異同ではないが3頁12行め、11本めの縦線の左に添えて明朝体太字で小さく「表見返し 林秋路画カバー・表紙・扉装幀 芦澤泰偉」とある。林秋路は上新町生れの版画家・俳人明治36年(1903)生、歿年はネット上には昭和49年(1974)と昭和48年(1973)とが混在している。

 昨年刊行された、西新町生れの小谷契月(1902~1971)の作品集の装画も、やはり林秋路の絵が使われている。 芦澤泰偉(1948生)は装幀家。(以下続稿)

*1:2頁10本、3頁11本。