瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

道了堂(51)

松原タニシ異界探訪記 恐い旅』(2)
 昨日、勘定が合わないことを問題にした。本文に164箇所、そして「もくじ」に細目が示されていない「異界ギャラリー」に36箇所、重複もあるが延べで合計200箇所が取り上げられている。ところが12~014頁「異界巡りスポットリスト」には見出しに「206箇所」とあるのだけれども数えて見ると延べで205箇所である。年ごとに見て行くと2016年は26箇所で全て本文に取り上げられている。2017年は150箇所挙がっているが本文には117箇所、「異界ギャラリー」32箇所で合計149箇所が本書に取り上げられていることになる。2018年は29箇所、本文21箇所、「異界ギャラリー」4箇所の合計25箇所、4箇所取り上げていないことになる。しかし細かいところは、今後必要があればリスト化するかも知れないが、続篇も出ており現在も継続中らしいのでそれこそ松原氏のファンにお願いしたいところである。差当り数が合わないことが気になるだけなので。

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「2017年春」の章、164~165頁「●道了堂跡(東京) 3月16日」上の黒丸は下が尖っている。
 164頁(頁付なし)の下右に東京都の白地図に位置を示している。写真はない。
 このときは「はじめに」に示したルールの4条めと違って、松原タニシ(1982.4.28生)ゆんぽだんぷのカシューナッツ(1986.9.19生)ハニートラップの梅木一仁(1983.8.24生)横山メイデン(1987.3.14生)の4人で出掛けている。――私の芸人の知識が生活笑百科爆笑オンエアバトルで止まっているので、見たことがあるかも知れないがそれと認識していない人なので生年月日から確認して置いた。「JR中央線高尾行の最終列車」で「八王子駅」まで行き、出掛ける先は4~7行め、

‥‥、四人で東京で最もメ/ジャーな心霊スポットの一つ、道了堂跡へ向かう。
 ここは今までいろんなテレビ番組で特集され、すでに何人ものタレントや素人が探索を試み/ている。だから今さら僕が行く必要もないのだが、‥‥

と、ここでルールの1条めと違っていることを断っている。
 私は心霊スポットを訪ねるような番組を見ないので、どのくらい取り上げられているのかよく分からないが、大塚山公園として整備される平成2年(1990)までの番組が見られるのなら見てみたい。
 8~15行め、

‥‥。今回は、心霊スポットソムリエという肩書きを持っている梅/木さんに、入口で説明してもらう。
「この道了堂跡は、その昔、堂守をしている老婆が強盗に殺されまして、さらにはですね、あ/る教員が教え子の女子大生と不倫の末このあたりに殺して棄てたという話もありまして、そし/てまだ他にもあるんですよ。これがかなり怖いんですけど、先に進んでいくとお地蔵さんが並/んでるっていうんです。稲川淳二さんの怪談によると、その中の首なし地蔵に触ると死ぬとい/われており、実際に触ってしまったADが事故にあっています」
 さすが心霊スポットソムリエ。一度に聞きたい情報をまとめてくれた。


 しかしこの纏めは好い加減である。まづ2018年10月10日付「閉じ込められた女子学生(7)」以来再々、立教大学助教授教え子殺しの現場が道了堂だとする書籍やネットの記述を(成り行き上)取り上げて来ましたが、その都度繰り返して述べて来たように、同じ八王子市鑓水でも北端の道了堂と、谷戸を2つ3つ隔てた多摩美術大学に近い女子学生の屍体遺棄現場は全く違う場所と云うべきだし、それから流石に「触ると死ぬ」は大袈裟で、せいぜい「祟りがある」程度、件のADも直後に事故を起こしたそうだが死んではいないはずである。
 なお、この後「山道」に入り「別荘のような一軒家の前」を通っているので「入口」は鑓水三叉路、八王子市指定史跡「絹の道」の登り口であることが分かる。松原氏たちは他のことには関心がないらしく、とにかく地蔵を目掛けている。そして165頁8~10行め、

 首がない地蔵はなかったが、おそらく首なし地蔵だったであろう地蔵に新たな首がつけられ/た地蔵があった。首より上だけが明らかに新しいので、完全に違和感がある。僕らはその元首/なし地蔵前で寝袋を広げ、樹海以来久しぶりに一泊を試みた。‥‥


 稲川氏の見た首無し地蔵は座像なのだが5月10日付(49)に見た『廃墟巡霊』の高島氏・岡戸氏と同じくコンクリートで後補された首を戴く立像と取り違えている。
 2度めは「2017年夏」の章、294~295頁「●道了堂跡(東京) 8月21日」は、291~294頁「●八王子城(東京) 8月20日」の続きで、ニコニコ生放送の生配信のため、事故物件講じサイトの大島てる(1978.3.16生)とライターの村田らむ(1972.10.26生)の3人で、294頁(頁付なし)3~6行め、

‥‥八王子城址に行ったあと、同じ八王子市内にある道了堂跡へ移動する。この/場所は少し前にハニートラップ梅木さんらと来たのでよく覚えている。稲川淳二さんが紹介し/ていた触ると災いが訪れる「首なし地蔵」の怪談や、ここで殺害された事件の被害者の霊の怪/談などで有名な場所である。

と、この書き方ならば問題はない。295頁の左に写真2つ、上に立像の地蔵に懐中電灯らしき光を当てた写真に「触ると災いが訪れるといわれた首な/し地蔵だったと思われる元・首な/し地蔵。」との明朝体横組みのキャプションを添えるが、くどいようだが稲川氏がそれと語っているのは座像の方である。しかしこうやって立像の方が「元・首なし地蔵」として定着して行くのかも知れぬ。続いて「道了堂跡」碑を移して「さまざまな怖い噂のある道了堂跡。」とキャプション。ちなみにこの後3人で更に、296~297頁「●ありがた山(東京) 8月21日」に移動している。(以下続稿)