瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

柴田隆行『片倉の自然』(6)

 1月21日付(5)の続き。
 さて、1月17日付(1)に引いた「改訂版あとがき」にあった、「片倉の自然環境」の変化による「改訂版」は結局刊行されなかった。それは「まだ資料不足」と云うより昭和60年(1985)から柴田氏が、従来の東洋大学に加えて神奈川大学國學院大学でも非常勤講師を勤めることになった影響もあろうか。それと云うのも、柴田氏は『片倉の自然』改訂版刊行の頃からしばらく、手書き原稿を版下にして印刷した「片倉の自然」を何号か刊行しているからである。すなわち、柴田氏としては片倉周辺の自然観察を続ける意志はあった。しかし大学講師の仕事が忙しくなり、かつ少なからぬ会員を抱える多摩川の自然を守る会の幹部、やがて代表となるに及んで、個人的な趣味に近い『片倉の自然』改訂版に取り組む余裕がなくなってしまったらしく思われるのである。
 私は本誌を昨年12月に八王子市中央図書館にて閲覧したのだが、怱卒の間にメモを取ったので第2号と第3号についてはごく簡単でしかないことを、まづ断って置く。
・「片倉の自然」創刊号(1982年11月14日発行/編集:柴田隆行/発行:柴田隆行/印刷:日光企画/14頁)
 B5判を少し横長にしたものを2つ折りにした大きさ。横書きで、表紙は「片倉の自然/1/特集 秋の片倉」とある。奥付末に「無断転載・複製を許す/Printed in Japan」とある。発行には柴田氏の住所/「TEL」番号が添えてある。印刷の日光企画には「03-294-‥‥」の電話番号のみ、現在池袋に「池袋同人工房 日光企画」と云う同人誌専門の印刷所があるが、関係あるだろうか。
・「片倉の自然」第2号(1983年3月10日発行・14頁)
 表紙には「特集 早春の片倉」とある。奥付に「販価無料(〒60)」とある。
・「片倉の自然」第3号(1983年4月20日発行・14頁)
 表紙には「特集 春の片倉(4~5月)」とある。奥付末に「《無断転載・複製を許す》」とある。
・「絹の道―歴史と自然―「片倉の自然」臨時増刊号(1983年10月2日発行/編集兼発行 柴田隆行/印刷 日光企画・14頁)
 標題は奥付による。題と副題の下には横線。表紙には大きく「絹の道」とあってその下に「歴史と自然(秋)」と添え二重の下線。
 奥付の柴田氏の名前に住所と市外局番抜きの電話番号を載せる。印刷の電話番号はない。
 1頁「片倉周辺の地図」2頁「絹の道周辺図」は手書きの略地図。
 3~5頁「絹の道」
 6~9頁「歴史散歩のポイント地点」
 10~11頁「秋の野鳥」
 12~14頁「秋の野草」
 八王子市中央図書館参考室に所蔵されているのは以上4号である。この後続刊はされなかったのであろう。
 もちろん、本誌の存在は「絹の道」で検索して臨時増刊号を知ったことで3号の「片倉の自然」に遡り、さらに(以前から「かたくら書店新書目録」で存在は知っていた)かたくら書店新書2『片倉の自然』に遡ったのである。明日は、本誌を確認した目的であるところの記述を見て置こう。(以下続稿)