瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(093)流行歌

 ここしばらく、6月21日に見付けた、客間のクローゼットの左側、床の上の段ボールにあった本を取り上げているが、昨日唱歌を取り上げたので今日は(やはり冊数が少ないが)流行歌を取り上げて置こう。
・『想い出の流行歌』昭和五四年四月一日 改訂第十二版発行・定価六〇〇円・新興楽譜出版社・239頁・文庫判並製本
 奥付の標題・定価に添えて、横転させて「© 1973 by SHINKO MUSIC」とあるから初版は昭和48年(1973)発行なのであろう。 
 版元名はカバー表紙・カバー背表紙、扉には「シンコー・ミュージック」のロゴ。カバー表紙折返し「シンコーのポケット判歌謡曲」12点16冊の6点めに本書。さらに「三鷹 高橋書店」の書店カバーが掛かる。これは「新 潮 文 庫」の販売促進用のもので表紙側折返しに「新潮社創立八十年 記念出版新潮日本現代文学 80」の広告。書店名の下の電話番号があるが、これにより高橋書店三鷹市下連雀1丁目に現存することが確認出来た。場所は6月19日付(079)に見た、小僧寿し下連雀店のチラシに載る地図に、ぎりぎり入っている。
・文春新書171 倉田喜弘『「はやり歌」の考古学――開国から戦後復興まで平成13年5月20日 第1刷発行・定価710円・文藝春秋・254頁

※ 帯あり。栞「文春新書」あり。さらに祖母行きつけのショッピングセンターにあった書店カバーが掛かる。
 以下は別記事にすべきかと思ったのだが今日のことだからやはりここに上げて置こう。今後流行歌の本が見付かったらこの前に追加して行くこととしよう。(以下続稿)
8月25日追記2022年10月16日付(046)に述べた居間のソファの脇にあった本のうち、童謡・唱歌の歌集は7月2日付(092)に追加して置いた。ここには流行歌の1冊を追加して置く。
・野ばら社編集部 編集『思い出のうた』1986年7月10日 初版発行©・1997年3月31日 7刷発行・定価600円・野ばら社・256頁・四六判並製本 書名は奥付に拠る。これにもB5判チラシを四つ折にしたものが挟まっていて、裏面に『唱歌(増訂版)』に挟まっていたものと同じ、「征空行」の歌詞が4番まで、やはり題を示さずにびっしりと書いてある。表の方は西隣の町内の学習塾の無料講習チラシで「3/1(月)~3/5(金)」とあるから1999年のものと特定出来る。この学習塾も Google ストリートビューで見ると2009年8月の写真では所在地に、近隣市にも2つほど教室のある(今もあるかは不明)個別指導学習塾の地元市名校がある。しかし電話番号が同じなのでとにかく何らかの形で引き継いでいるようである。しかし2014年4月と2015年3月では別の個別指導学習塾の地元駅名校になっており電話番号も違う。しかし2017年6月の写真では、看板は撤去されていないが電話番号や校名などを白く塗っている。同じ個別指導学習塾は北隣の町内にも2009年8月の写真ではコンビニエンスストアだったところに2014年4月の写真に町名校が入っている。こちらは今もある。統合したと云うことなのであろう。

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 先週の月曜の朝、7時過ぎに電話が掛って来て、家人の母が祖母の家に入りたいから鍵を貸して欲しいと言う。洗濯物を入れた白いポリ袋を忘れたと云うのである。祖母宅の鍵は家人が久しく預かっていて、もう1組は長男夫婦が持っていて、祖母が入院した当座は祖母宅に泊まり込んでいたから、この鍵で出入りしていたのだが、その後祖母を自宅近くの施設に移して、久しくこちらに来ることのないままになっているうち、今回売却することになってその鍵が何処に行ったか俄に分からない、と一寸した騒ぎになったりした。幸い見付かって、今回の上京を最後にもう来ることもないからとて、その鍵も家人が預かって、今は私が預かっている。
 義母は、その鍵を貸して欲しいと言うのである。出勤する家人を駅の改札で待ち構えて、鍵を借りてそれで祖母宅に入ると言う。それは良いとして、昼に東京駅を発して帰ることになっている。その後、鍵はどうするの? と家人が聞くと、失くしたと言えば良いって言ってたじゃない、と言う。――引き渡す際に鍵も全て引き渡すことになっているのだが、鍵がしばらく見付からなかったとき家人が仲介業者に確認したところ、あるはずの鍵が見付からないとしても構いません、と言われていたので、やっぱり見付からなかったことにすれば良い、と言うのである。
 確かに、どうせ鍵は付け替えるのだろうから、家人が持っている分だけ渡せば良いようなものだけれども、それではまだ少なからず残っている本や書類の整理に入るのに支障が生じかねないので(後で送り返してもらうとしても*1)少々困ると思って、そうでなくても自転車だと3分と掛からないのだから私が急行して、本の整理をしながら待っていると旅館*2の朝食時間の前に抜けて来た義母が来て、私の足労に謝しながらひとしきり見て廻って、やっぱりないと言うので、何処か判り易いところにあると思いますよ、と見送って、私も3冊ばかり片付けて怱々に引き揚げて来たのだが、その日の夕方、帰宅した義母から電話があって、前日自宅に発送した荷物の中に入っていた、とのことだった。
 しかしその後、折角鍵を手許に留めたのに、雨の予報やら何やらもあって祖母宅に行けなかった。今日、仕事帰りに1週間ぶりに立ち寄って、時間に余裕がなかったのだがそれでもつい小一時間居座ってしまった。本以外の、色々なものがなくなっていた。例えば献体の感謝状――客間のクローゼットの左側は、客間の絨毯がクローゼット内まで続いているのだが、右側は3段の簞笥になっていて、その上の衣裳ケースの上に献体関係の書類が纏めてあった。衣裳ケースに翻訳家だった家人の伯母(祖母の長女)の本があることには気付いていたのだが、上に載っていた内容的に重い書類がなくなってこれで何だかすっきりした。よって衣裳ケースの内外に伯母が訳した詩集絵本が(版元から著者への献本分として)30冊くらいあるのを初めとする伯母の訳書、それから旧蔵書を引き取ろうと思っている。この辺りがなくなればさらにすっきりする。とにかくどんどん片付けてしまわないといけない。
 しかしそれは自転車で来たときでないと運べないので、今回は本以外のもの――衣裳ケースの上に置いてある、祖母の肩掛けポーチを、改めて見たのである。
 こう云う物に意外と、何か入ったままになっているものなのである。
 中にはタオル地のハンカチが3枚。外側のファスナの付いた小さなポケットには、長男の家の近くの神社の「厄除御守」、のし袋、「1930日まで」の東京都の「都内有効東京都シルバーパス」が入っていた。――平成18年(2006)10月以降の発行だから、10月3日生の祖母がほぼ満91歳のときのものである。この頃まではバスに乗って出掛けるようなこともあったのだろうか。
 それから、中央のファスナを開けると小さな蟇口、野村修平の茶色の革の札入れ、緑色の革の札入れ、これらは何も入っていなかったが「AROMAORIGINAL」の黄色い革製の財布には小銭が多数、500円玉1枚(平成二十二年)、100円玉(昭和42年~平成24年)10枚、50円玉(昭和42年~平成3年)8枚、10円玉(昭和四十八年~平成二十四年)16枚、5円玉(昭和四十六年~平成十年)7枚、1円玉(昭和三十三年~平成十九年)31枚の合計2126円入っていた。この財布のカードを差すところには、次のようなカードがあった。
 地元商店街のスタンプカード「13-08-26」の日付は発行日であろうか。45ポイント入っているが今も有効なのかどうか。
 隣のマンションの1階にあるクリーニングショップの「20%OFF/プレミアムカード」
 未使用の5000円の図書カードが2枚、1枚は PETER RABBIT の「お出かけ/品番:I-5000-56」、もう1枚はルノワール「読書」を使用した「名画シリーズ/品番:I-5000-58」で、日本図書普及株式会社のサイト「図書カードNEXT」の「過去に発行した図書カード」に拠ると前者【第3次ピーターラビットシリーズ】は2002年11月発行開始、後者「名画シリーズ」は2007年2月発行開始である。「過去に発行した図書券・図書カードは、現在もご使用いただけます。」とのことだけれども、いつ使えなくなるか分からないから使うべきだろう。しかし祖母の買った本を二束三文で処分している現在、本を欲しいと思う気持ちがいよいよ失せているのだが、しかし無駄にする訳にも行かない。
 札入れの間には親族や知人の住所・電話番号を書いた手帳。
 インナーポケットに近くの美容室の各種カード、磁気カードの印字は「2013/06/26」らしい。そして手書きの方には「5/22」「6/26」「7/26」「8/21」の日付がある。祖母は毎月下旬に髪の手入れをしていたようだ。この店は今はない。
 それから、別のインナーポケットには1000円くらい使用したらしい図書カード「名画シリーズ/品番:I-5000-58」1枚と、前記長男の自宅近くの神社の「厄除御守」で外側のファスナのあるポケットに入っていたものと全く同じもの。そして前記クリーニングショップの「お預り票」で「受付2013年08月12日 09:31 仕上日09月09日 18時」で品名「ロングベスト」。すなわち、これは受け取っていない。隣の、その後も前を通ったはずの店に立ち寄っていないのである。――8月までは日常生活をこなしていたのが*3、9月からどうも、色々いけなくなってしまったらしい。
 こんなことをしているうちに何だか空き巣に入っているような気分になってきたが、しかし引き渡してしまってから見付かっても連絡して来ないだろう。今、少しでも時間を作って見て行くよりないのである。

*1:しかし家人は郵送には難色を示していた。いや、帰り掛けに義母にマンション玄関のダイヤル式集合受箱に放り込んで置いてもらえれば、私も開け方をしっているからすぐに回収出来たのに。以前、そう云う受け渡しもしたことがあったと思うのだけれども。

*2:祖母宅は空調が壊れており、もうガスや給湯器を止めている。よって近所の旅館に泊まってもらった。――水道や電気は入る度に使うから引き渡し前日まで契約してある。

*3:そうすると、先に見たポイントカードの日付は発行日ではなく最終利用日が「2013826日」と云うことらしく思われる。