瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(133)野村胡堂②

 鍵を引き渡す2日前に130冊余りを掘り出して大いに慌てたことは、8月2日付(122)に述べた。翌日、最寄りの古本屋に声を掛けて『童話』復刻版75冊と別冊解説、写真集1冊と明治期の木版本10巻5冊の3点を3000円で引き取ってもらった。『童話』は定価が19万8千円だから(明日までしか片付ける余裕がないと云うのに付け入られて)足許を見られたような気もしたのだけれども、何せ持ち帰るのも大変だし(外箱の大きさは幅54cm×奥行き29cm×高さ18cmで重さは20kgはありそう)、売れればかなりの儲けになるだろうがすぐに売れるようなものでもない。かつ、町の古本屋をささやかながら応援することにもなると思って、全くごねずに気持ち良く手放したのである。
 写真集は寝間の洋服箪笥と行李簞笥の間にあった、山手樹一郎の文庫本40冊が入っていた段ボールの上に、野村胡堂の本など13冊が入った紙袋などと一緒に立ててあった。今回はこの紙袋に入っていた本を中心に整理して置く。
 まづ、それ以前から存在の分かっていた2冊を取り上げて置こう。次の本は客間のクローゼット左側1段めにあった。
・『野村胡堂捕物名作選集』第二卷・昭和二十五年五月 二 十 日 印刷・昭和二十五年五月二十五日 發行・定價百圓・矢貴書店・279頁・B6判上製本
 これは国立国会図書館デジタルコレクションにてカラー画像で閲覧出来るが、本来の表紙は失われている。祖母の蔵書は原装だったから、もう少し詳しくメモして置けば良かった。
POPULAR BOOKS『長編銭形平次捕物控』桃源社並製本(17.8×11.8cm)
 桃源社は矢貴書店の後身。このシリーズは客間のクローゼット右側3段めに1冊だけあったのを見ていた。
・『幽霊大名』昭和46年3月27日  発行・¥ 380.・327頁

 これ1冊だけかと思っていたところ、上記紙袋から6冊出て来たのである。但し1冊はダブリ。
・『幽霊大名』昭和46年3月27日  発行・¥ 380.・327頁・『地獄の門昭和46年4月27日  発行・¥ 380.・302頁
・『お部屋様お退屈』昭和47年2月25日  発行・¥ 380・308頁
※ カバー欠
・『江戸の恋人達』昭和47年4月25日  発行・¥ 380・314頁
・『通り魔』昭和47年6月25日  発行・¥ 380・319頁
※ カバー欠
・『お転婆娘』昭和47年8月25日  発行・¥ 380・251頁
 祖母がカバーを外している本は、良く読んでカバーを傷めてしまったものらしい。このシリーズもかなり癖が付いていた。それで寝間に持ち込んでいたらしいのだけれども、どうもそのまま、久しく手にしなかったらしく、嶋中文庫の『銭形平次捕物控』を買ったりしていたようだ。
 この紙袋には他に7冊入っていた。うち2冊は平岩弓枝はやぶさ新八御用帳』で2022年7月27日付(010)に追加して置いた。残る5冊は全て「銭形平次」だったが文庫本2冊は明日の記事に纏めることにする。ここでは新書判1冊とやや大ぶりな四六判(19.0×13.1cm)並製本2冊を取り上げて置く。
・時代推理小説選集 3『銭形平次捕物控』昭和43年5月30日 初版発行・¥340・秋田書店・295頁・新書判並製本
 裏表紙見返し(遊紙)の右上に「MUSASHINO/さかえ書房/TEL(武)22-2252」の書店票貼付。
 祖母の蔵書はカバーを欠いている。メルカリに出品されている再版(昭和43年5月30日 初版発行/昭和46年9月30日 再版発行・¥340)により木目調のカバー(表紙・裏表紙)を見ることが出来た。
・『銭形平次捕物控 地の巻発行 昭和四十七年一月二十日・定 価  五八〇円・広済堂出版・433頁・四六判並製本
 カバーを欠く。
・『銭形平次捕物控 人の巻発行 昭和四十七年 四 月 十 日・定 価  五八〇円・広済堂出版・434頁・四六判並製本
 こちらはカバーあり。
 この広済堂出版の四六判並製本のシリーズは天地人の3巻でこの2冊の前に『天の巻』が出ているのだが、『天の巻』は他の場所にも見当らなかった。(以下続稿)