瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(09)

 昨日の続き。
・「現代民話」の出典②~立石憲利の著作
 昨日見た松谷みよ子『現代民話考』を出典とする話の中では『現代民話考Ⅱ 軍隊』が44題で最も多く、『現代民話考第二期Ⅱ 学校』が32題でこれに次ぎ、さらに『現代民話考第二期Ⅰ 銃後』が23題でこれに次ぐ。うち『軍隊』と『銃後』は全て⑩『戦争をめぐる民話』に利用され、106題中67題とその63%を占めている。その、残り39題の中で目立つのが立石憲利の著作からの引用(16題)である。
 松谷みよ子の戦争民話については、3月27日付「飯盒池(7)」・3月28日付「飯盒池(8)」そして3月28日付「飯盒池(9)」に述べた。立石氏は岡山県在住の民俗学者・民話研究家で、私は岡山県には縁がなく、余りその著作に接する機会がないが、昔話を調べていた小学6年生の頃から名前は知っていたし、昔話よりも怪異談に軸足を移してからは『現代民話考』にしばしば引用されている*1ところから、目にする機会は少なくなかった。しかし東京都の公立図書館の開架には殆ど見当たらないので、近年では僅かに2017年8月30日付「消えた乗客(2)」に取り上げた『風呂場ばなし 岡山県長船町の民話―』に目を通したくらいである。
・『戦争の民話 息子は帰ってきた』 立石憲利 手帖舎 一九八五
 ⑩七・⑩二十三・⑩五十七・⑩八十八・⑭六
・『戦争の民話Ⅱ 戦場からの知らせ』 立石憲利 手帖舎 一九八九
⑩十四・⑩二十一・⑩二十六・⑩二十九・⑩三十七・⑩四十三・⑩五十・⑩五十一・⑩七十七・⑭六十八
・『やなはらの民話』 立石憲利・片山薫 手帖舎 一九九四
⑩二十七
・『しんごうの民話』 立石憲利 手帖舎 一九九五
⑩三十八・⑩四十
・『柵原町の世間話と民謡』 立石憲利 自刊 一九九六
⑩五十二
・『風呂場ばなし―岡山県長船町の民話』 立石憲利 吉備人出版 二〇〇一
⑮三・⑮五十三

戦争の民話3 夢のなかの息子 (戦争の民話 (3))

戦争の民話3 夢のなかの息子 (戦争の民話 (3))

 『戦争の民話』は3冊出ているが、3冊めは利用されていない。時期からして松谷氏の「民話の手帖」での募集に呼応しての蒐集であったろうか。(以下続稿)

*1:松谷氏と同じような志向の人であるらしい。