瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『豊島図書館郷土シリーズ』(2)

1月7日付(1)の続きで『豊島風土記』の初刷と四刷を比較して見る。 頁数は265頁で同じだが、初刷の用紙は裏写りしてしまっていたのが、四刷は裏写りしないよう紙を厚くしたため、初刷(1.3cm)よりも四刷(1.7cm)は厚くなっている。宮尾氏の手になる表紙…

『北区の歴史』(2)

・北区役所企画部広報課編集発行『北区の歴史』(2) 並製本、表紙は初版と第五版は細かい毛を漉き込んだ、やや青みがかった横縞模様の用紙。第十二版・第十三版は縞模様はなく、第十二版は橙色、第十三版は紫色の用紙。 表紙、初版は左上に明朝体で「北 区…

『北区の歴史』(1)

『北区の歴史』と云う本は名著出版刊行「東京ふる里文庫」、それから愛知県郷土資料刊行会刊行「名古屋区史シリーズ」にもあって、それらも含めても良いのだが、ここではまづ東京都北区が刊行した『北区の歴史』に複数の種類があると云う話から始める。 ・北…

平野威馬雄『お化け博物館』(1)

・お化け博物館(国土社・A5判上製本) お化け博物館①『怪奇! 幽霊屋敷の本』 怪奇!幽霊屋敷の本 (お化け博物館 1)作者: 平野威馬雄出版社/メーカー: 国土社発売日: 1984/08/05メディア: 単行本この商品を含むブログを見る・一九八四年八月五日初版発行(94…

赤いマント(157)

昨日の続きで、松山ひろし『壁女 真夜中の都市伝説』の「第46夜 怪人赤マント」について、146頁「解説」を見て置きましょう。まづ血痕のように黒くしたところにゴシック体白抜きで「解説」とあり、その下から、つまり少し下がった位置から黒のゴシック体で解…

赤いマント(156)

昨日見た松山ひろし「現代奇談」の赤マント関係の記述、「現代妖怪夜行」が先行して、後に「奇談メモ」の「2003/2/18 赤マント」条が書かれたようです。ともに小沢信男「わたしの赤マント」に由来する記述が見えますが、「現代妖怪夜行」はもちろんのこと、…

赤いマント(155)

昨年の1月末、松山ひろし「現代奇談」のアーカイヴを見ていて「奇談メモ 2003年2月分」に、以下の条があることに気が付きました。 2003/2/18 赤マント 昭和の赤マントといえば、戦前の日本の子供たちの間に口裂け女のときのようなパニックを引き起こした大物…

恠異百物語(6)

最後、4話めに引き続いてオチになる。 さて―― これで話の数は満ちました、この灯心を抜きますと、/もう暗闇となります、そうなりますと怪しいことが起/こると申します、、それでは、、イ、イ、、失礼を致/しまし、フぇ、エ、エクシ、。、エキシ、 (闇の…

恠異百物語(5)

昨日の続きで、4話め(100話めという設定)を抜いて置く。 さて、よたびわたくしの番でございます、、ズぅズ/ズーーゥ、、失礼を致しました、夜も更けて参りまし/て、今晩は殊のほか涼しゅうございます、わたくしも/つい先日患ったところでございますがみ…

恠異百物語(4)

3日前からの続きで、3話め(100話中の75番めという設定)を抜いて置く。 みたびわたくしの番でございます、これも大阪の話/でございます、北の新地に身持ちの悪い女がおりまし/た、瀬戸内の島の出身で、二十になる前に大阪に出ま/して、随分ひどい目に遭…

恠異百物語(3)

一昨日からの続きで、2話め(100話中の50番めという設定)を抜いて置く。 さて、再びわたくしの番でございます、少し肩の力/を抜こうと存じます、 わたくしの母校に、四階の一室だけ窓に格子がつい【16下】ておる教室がございます、わたくしは知りません…

恠異百物語(2)

旧作を持ち出したのは、別に出来栄えを誇ろうとしてではない。以下に潤色して書いた「四つ」の怪異談のうち、3つはもとになった話の記録があるのだが、最後の1つは中学時代にそれまでに聞いた話を思い出して纏めた際に何故か忘れていて、ここに小説仕立てに…

恠異百物語(1)

別に不思議な世界を考える会の『怪異百物語』に対抗する訳ではないが、私も同じ題で小説(?)を書いたことがある。 大学時代、私は手品サークルや邦楽サークルなど、複数のサークルに入って見たのだが、技藝の修練を要するサークルは飽きっぽい私には向いて…

「怖い噂」リアル・ホラー・コレクション(1)

私はホラー自体にそんなに興味がある訳ではないので、そういう雑誌も必要がない限り(どんな必要なんだか、と突っ込まないように)手に取ることもありません。 平成21年(2009)5月から平成25年(2013)8月まで18冊が刊行された「怖い噂」は、2016年2月13日…

宮澤賢治の文庫本(24)

・新潮文庫4192『新編 銀河鉄道の夜』(4) 2015年8月16日付(05)の一覧には追加済みだが、その後、①二刷と①十三刷を見た。 カバー表紙・表紙折返しは一致。 カバー表紙折返しは「新潮カセットブック」の広告。右下に「カバー 加 山 又 造」。 カバー背表…

赤いマント(154)

・常光徹 監修/山村浩二 絵『みたい! しりたい! しらべたい! 日本の学校の怪談絵図鑑』全3巻(定価2,800円・ミネルヴァ書房・32頁・AB判上製本) ❶教室でおこる怪談(2016年2月1日 初版第1刷発行)教室でおこる怪談 (みたい! しりたい! しらべたい! 日本…

『夢で田中にふりむくな』(3)

2016年12月19日付(1)が白水社版『日本の現代伝説』全4冊の、2016年12月20日付(2)がポプラ社版『怪異百物語』全10冊の書影を示しただけに終わって、本書については殆ど何の説明もしていなかった。 カバー用紙の表面は、光沢があって雲のような模様を、…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(19)

・第十七話「孤独死」(9) 2月9日付(17)に述べた、場所の問題に話を戻す。 小池氏がこの話の現場として印象付けようとしている(ように読めてしまう)場所は、方角が違っている。 2月2日付(11)には一部引用したのみであった冒頭、本書53頁2〜6行めを抜…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(18)

・第十七話「孤独死」(8) 場所について、正確な位置を割り出そうなどとは思っていない。解体前の住宅地図を見れば見付けられるだろうけれども、これ以上踏み込もうとは思わない。但し、解体されてから今年で13年になり今や何の痕跡も残っていないだろうか…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(17)

・第十七話「孤独死」(7) それでは、「読売新聞」2004年(平成16年)6月10日(木曜日)付朝刊の記事の、事の詳細に及んだ2段落め以下を抜いて置こう。 調べによると、遺体が発/見されたのは一日午前十一【3段め】時四十分ごろ。二階建て木/造アパ…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(16)

・第十七話「孤独死」(6) 昨日の続きで、「読売新聞」2004年(平成16年)6月10日(木曜日)付朝刊の記事から、近所の人の証言を抜いて置こう。8段めの最後、10〜17行め、 /‥‥。付近に住む男性会社/員(65)は「アパートの存在/は気にも留めていなか…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(15)

・第十七話「孤独死」(5) 2月4日付(13)に、小池氏が「平成十六年の六月一日」に見たとする「読売新聞」の引用について、某区立図書館で「読売新聞縮刷版」No.550を書庫から出してもらって見たが、平成16年(2004)6月1日付の紙面には当該記事が見当たら…

閉じ込められた女子学生(4)

昨日まで、他人の著書の疑問点を論って来ましたが、私がこうした作業を重視する理由については2015年10月18日付「試行錯誤と訂正」等に述べた通りです。 もし、本にでもする機会があるなら、それこそ現地踏査もして、徹底的に調べ尽くすつもりですけれども(…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(14)

3日前からの続きで第十七話「孤独死」について。 その後「読売新聞縮刷版」〈2004/平成16年〉6月号を見に行く余裕がないので「今月一日」の記事が何日付の紙面に出ているのか、まだ確認出来ていないのだけれども、それは確認し次第補うことにして、ひと…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(13)

一昨日からの続きで第十七話「孤独死」について。 1行分空けて、最後にオチとなる段落がある。まづ、その冒頭3行を見て置こう。『異界の扉』26頁7〜9行め、 この話を聞いてから半年後、平成十六年の六月一日、新聞を見てビックリした。 ヤヨイに案内されたア…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(12)

昨日の続きで第十七話「孤独死」について。 続いて『異界の扉』24頁12行め〜25頁4行め、水野氏が現在住んでいるのが「比較的新しいマンションである」ことと、水野氏の食後の習慣が紹介される。本書56頁12〜16行めは内容は同じだが簡潔に纏めている。続く怪…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(11)

本書は副題の「FINAL EDITION」から察せられる通り、また2013年2月28日付(01)に一部引用した「まえがき」にもある通り、小池氏の先行する著述と重なるところが多い。昨今の風潮から話の時期や場所が暈かしてあるので、先行するものと比較してそのブレを測…

不思議な世界を考える会 編『怪異百物語』(2)

1月29日付(01)の続き。雛型は出来たけれども入力量が多いので毎日は仕上げられない。要領は前回に同じだが、少し補足して置く。――題の振仮名は省略。太字が巻末の「参考資料一覧」からの引用だが、左開き横組みのI頁2〜4行めにゴシック体で小さくやや右寄…