瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

改版

祖母の蔵書(149)獅子文六

角川小説新書(角川書店)新書判並製本 ・『嵐といふらむ』昭和三十一年七月三十一日初版發行・昭和三十一年十一月二十日三版發行・定價 百五拾圓・292頁嵐といふらむ (1956年) (角川小説新書)作者:岩田 豊雄角川書店Amazon カバーを欠く、本体表紙に青鉛筆…

祖母の蔵書(146)山本周五郎

山本周五郎の小説は、2011年1月1日付「森鴎外『雁』の年齢など」に述べたような理由で、私は読んでいない。父の本棚にもそこそこあったと思うのだけれども。 穏健な読書家で時代小説を特に愛好していた祖母は、昭和50年代に続刊されていた新潮文庫を中心に、…

祖母の蔵書(145)明治生れの男性作家

ここには、祖母が少数しか持っていなかった、日本の男性作家のうち、別に纏めている推理小説・時代小説・歴史小説に属さない作品を書いている明治生れの人物を纏めて置こう。 【谷崎潤一郎】 祖母は『源氏物語』を愛読していて、與謝野晶子・円地文子・田辺…

祖母の蔵書(138)食物

祖母の部屋には1合炊きの電気炊飯器があって、近所のスーパーマーケットやコンビニエンスストアで惣菜を買ったり、ショッピングセンター1階の魚屋で干物や刺身などを買っておかずにして、余り料理はしなかったらしい。たまに急にどうしても食べたくなったお…

祖母の蔵書(136)海外推理小説家

海外の女流推理小説家については6月5日付(067)に纏めてある。 【ビル・プロンジーニ】 プロンジーニは4冊あったので独立させようかとも思ったのだが、何せ知識がない。よって他の作家と一緒に纏めることとした。 ・名無しの探偵シリーズ ・新潮文庫2772/…

祖母の蔵書(131)デュマ

昨日、祖母が他の作品を買っていないらしい海外の歴史小説の作家を3人取り上げた。 その序でに、祖母が最も多くの分量を読んでいたと思われる、歴史小説家を取り上げて置こう。 ・世界文學選書69 デューマ/秦 一郎譯『黑いチューリップ』昭和二十六年 一 月…

祖母の蔵書(130)海外歴史小説家

【ディケンズ】 寝間の本棚にあったように思うのだがうっかり場所を控えて置くのを忘れていた。 ・新潮文庫『二都物語』中野好夫訳(新潮社) 1735 赤30=3 (上)昭和四十二年 一 月 三 十 日 発 行・昭和 六 十 年 二 月 十 日 三十一刷・定価320円・319頁 …

祖母の蔵書(128)戸板康二①

戸板康二の本は以前論文を書くのに使ったこともあり、残して置いても良いかと思って新しい本から持ち帰っていたのだが、祖母はエッセイ・小説ともに愛読していてかなりの数があった。図書館で用が足りることも確かである。そこで思い切って処分することにし…

祖母の蔵書(127)マルティン・ベック・シリーズ

●マイ・シューヴァル ペール・ヴァールー●高見 浩訳(角川書店) 客間のクローゼット左側2段めに文庫版が何冊かあった。 ・角川文庫2920/赤 五二〇 ―2―『笑う警官』昭和四十七年七月二十日 初版発行・昭和四十七年九月 十 日 三版発行・¥260・433頁 Amazo…

祖母の蔵書(126)平岩弓枝⑤

平岩弓枝『御宿かわせみ』は紙袋に詰めてあった単行本10冊ともう1冊を2022年8月2日付(015)に紹介し、8月9日に仏間の硝子棚にあった文庫版の最初の4冊を追加して置いた。 ところがその後、8月29日に大量の『御宿かわせみ』が寝間に畳んであった蒲団の陰から…

祖母の蔵書(122)童話

いよいよ明後日、仲介業者に鍵を引き渡すことになっている。電気や水道の契約は明日までにしてあるから、明後日は朝のうち、入ることは出来るがもう作業は出来ない。明日の夕方、仲介業者が見に来ると云うので、今日の午前、家人が久し振りに祖母宅に出掛け…

祖母の蔵書(121)田辺聖子④

居間の簞笥の上から7段めに1冊、8段めに9冊、田辺氏の文庫本が入っていた。 以下、文庫版の初刊の順に、文庫別に整理して置こう。但し『言い寄る』『私的生活』『苺をつぶしながら』は3部作なのでそこだけ入れ替えた。所在場所を、簞笥の7段めを7、8段めを…

祖母の蔵書(120)與謝野晶子

・『與謝野晶子集』大正四年三月十三日印刷・大正四年三月十七日發行・大正十年八月三十日廿版・定價金壹圓貳拾錢・新潮社・302頁・文庫判 上製本だったらしいが背表紙しか残っていない。「日本の古書店」には同じ20版の「函付」が1900円で出ている。 函はも…

祖母の蔵書(119)クリスティ③

Agatha Christie(1890.9.15~1976.1.12)の文庫本は早川書房に限らないので各社纏めて7月23日付(113)に示して置いたが、新書は殆どが7月25日付(115)に見たH・P・Bなので、他社から出た次の1冊は含めなかった。これは先月家人が持ち帰っていたので何処…

祖母の蔵書(118)コナン・ドイル

家人はシャーロック・ホームズを愛好しているのだがこれは祖母と、ジェレミー・ブレットのTVドラマの影響が大である。 家人は小学生の頃モーリス・ルブランの『ルパン対ホームズ』を読んで、ホームズが原作に比して間が抜けているのに憤慨したと云うのだが…

祖母の蔵書(117)團伊玖磨

・朝日新聞社の文庫版シリーズ『パイプのけむり』 書影の説明には「朝日文庫」とある*1が、『10』まではまだ朝日文庫と云うレーベル名にはなっていなかった。かつ『2』以降は奥付の後に「朝日新聞社の文庫版シリーズ」の目録があるが『1』は奥付の裏が白紙…

祖母の蔵書(116)吉屋信子①

吉屋信子の本は文庫や新書判が殆どなく、単行本で持っていた。 ・『吉屋信子全集』朝日新聞社・四六判上製本函入 函にパラフィン紙と帯が掛かるがこれを欠いているものはその旨註記した。 月報はB5判を若干小さくした紙を二つ折にしたもの。これは挟まってい…

祖母の蔵書(115)クリスティ②

・HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS(早川書房)ポケット・ブック判 7月23日付(113)に見た文庫版はレーベル毎に表記がまちまちであったが、これはハヤカワ・ミステリ文庫と同じく「著 者 アガサ・クリスティー」と最後が長音になる表記である。なお、書影に…

祖母の蔵書(114)E・S・ガードナー

いよいよH・P・Bやハヤカワ・ミステリ文庫の整理に着手したのだが、そのとき、別々にしていたはずのA・A・フェアの中にE・S・ガードナーが紛れ混んでいて、おや、と思って良く見ると、H・P・Bは裏表紙、ハヤカワ・ミステリ文庫ではカバー裏表紙にある作者…

祖母の蔵書(113)クリスティ①

祖母はクリスティも数多く買い込んでいた。しかしこれも、場所ごとにある程度は纏めてはあったが、何箇所かに分散して保管されていた。 寝=寝間の本棚 仏=仏間の硝子棚 2=居間の隅の9段の簞笥の上から2段め 左=客間のクローゼット左側1段め 右=客間の…

祖母の蔵書(112)A・A・フェア②

どうやら古本屋は余程のことがない限り小説の文庫版を引き取ってくれないことが分ってきた。もう部屋の引き渡しまで2週間を切って、部屋を買った業者が大量に残ったままになっている本をどう始末するのか、しかし家財と違って売り物になるとは思えない。私は…

祖母の蔵書(111)A・A・フェア①

・HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS(早川書房)ポケット・ブック判 祖母が推理小説をかなり読んでいるらしいことは、話の端々から察せられたのだけれども、そもそも私に知識が少ないので、どうしようもなかった。私には推理小説を読む根気がなく、稀に家人に…

祖母の蔵書(110)クロフツ

Freeman Wills Crofts(1879.6.1~1957.4.11)はお気に入りの作家だったと見えて、かなり読み込んだ(状態の悪い)文庫本が多々あった。 ▲=客間のクローゼット左側1段めより。 ▼=客間のクローゼット左側床の上の段ボールより。 ★=寝間の本棚より。 特に寝…

祖母の蔵書(108)佐々木邦

今日はサイパンで戦死した祖母の夫の命日と云うことになっているので、祖母宅に保管してあった家族宛の軍事郵便の紹介にも着手したいと思ったのだが、かなりの枚数があるし、保存して置くつもりなので急いで着手する必要もない。80年になる来年に着手するこ…

祖母の蔵書(106)松本清張②

松本清張の文庫本は2022年9月7日付(042)に纏めてある。松本氏の著書の多さに比べるとそれ程の数でもない。昨日、いよいよ単行本を整理する段になって、目に付くところにあったものを段ボールに収めた。まだ見落としがあるかも知れない。その追加を見越して…

祖母の蔵書(104)三田村鳶魚

祖母は個人全集を揃いで買うと云う発想がなかったらしく、昨日見た『真山青果全集』は第一巻だけだし、『吉川英治全集』は9冊、『田辺聖子長篇全集』は2冊だけである。――これまで、意外なところから少なからぬ冊数を掘り出して来たが、流石にここまで来て、…

祖母の蔵書(102)落語

・ちくま文庫 筑摩書房 あ 14 3 安藤鶴夫『わが落語鑑賞』一九九三年三月二十四日 第一刷発行・定価951円・490頁わが落語鑑賞 (ちくま文庫)作者:鶴夫, 安藤筑摩書房Amazon※ 帯あり「今月の新刊」 こ 5 16 麻生芳伸 編『落語特選 下』二〇〇〇年二月九日 第一…

祖母の蔵書(098)三枝和子

寝間の本棚に次の4冊があった。標題は奥付に拠る。 ・福武文庫(福武書店) さ0601『小説清少納言 諾子の恋』1994年10月1日 第1刷印刷・1994年10月5日 第1刷発行・定価534円・213頁*1 小説清少納言―諾子の恋 (福武文庫 さ 601)作者:三枝 和子福武書店Ama…

祖母の蔵書(096)山手樹一郎②

山手樹一郎の本は6月10日付(072)に、ティッシュケースを再利用した文庫立てに入っていた12冊を取り上げた。これは、今も祖母宅にそのままにしてある。 他に居間の隅の9段の簞笥の2段めに次のシリーズの2冊が入っていた。 ・『山手樹一郎長編時代小説全集』…

祖母の蔵書(094)池波正太郎⑦

池波正太郎の本は先月のうちにほぼ整理を終えたつもりでいたのだが、居間の簞笥から『鬼平犯科帳』の文庫版が2揃い出て来た。他にも何冊か掘り出している。 9月5日付(40)の最後に述べた、寝間の本立てにあった1冊。 ・文春文庫 や 29 11 山本一力 編『おれ…