瑣事加減

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2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

夏目漱石『三四郎』の文庫本(4)

・角川文庫271(3) 角川文庫271については、2012年3月20日付(1)に、栃折久美子のカバーで本体が282頁の九十八版(定価260円)と、わたせせいぞうのカバーで本体が337頁の百二十版(定価340円)とを比較したのが手始めだった。 その後、前者に同じ九十六…

北杜夫『楡家の人びと』(5)

・新潮文庫(3冊)(3) 最近開館した2つの図書館で3冊本セットを借りて来た。開館に合わせてセットで購入したはずだが、刷次が異なっている。 3冊本の増刷状況は、以下の通り。 ・平成二十三年七月五日発行(第一部・第二部・第三部) ・平成二十三年十一…

森鴎外『舞姫』の文庫本(12)

・角川文庫704『舞姫・うたかたの記』(8) 昨日の続きで、改版三十五版の東宝提供写真のカバーについて、主に改版三十四版と比較しつつメモして置く。改版三十四版については2013年4月21日付(09)にメモして置いた。 カバー背表紙は淡い橙色地で、改版三十…

森鴎外『舞姫』の文庫本(11)

・角川文庫704『舞姫・うたかたの記』(7) 角川文庫704『舞姫・うたかたの記』については、2011年3月6日付(01)に改版四十四版・改版四十八版、2011年3月8日付(02)に改版四十四版・改版四十八版と改版四十七版(なか見!検索)、2011年3月10日付(03)及…

芥川龍之介『羅生門』の文庫本(16)

・角川文庫7499『羅生門・鼻・芋粥』(5) 2012年12月7日付(06)の続き。 七版を見た。これまで見た再版・十二版・十六版・十七版・二十二版のうちでは、再版に近い。よって再版を借りて来て、比較して見た。 まずカバーについて。【再版】のカバーは既に201…

太宰治『人間失格』の文庫本(18)

・角川文庫(13) 角川文庫7501『人間失格・桜桃』については、専ら2012年5月31日付(02)に取り上げた二十四版を、角川文庫28『人間失格・桜桃』改版五十四版や角川文庫14732『人間失格・桜桃』改め『人間失格』と比較して来たのだったが、漸く別の版を見た…

講談社文庫の松本清張(1)

・伊藤憲治のカバー(1) 角川文庫の松本清張作品の、伊藤憲治のカバーのついて、まだ全てではないが、2013年4月17日付「角川文庫の松本清張(5)」及び2013年5月15日付「角川文庫の松本清張(6)」に、ある程度を集めて纏めたことがあった。伊藤氏は講談…

鉄道人身事故の怪異(3)

4月21日付(2)の続き。 前回引用した「奇談メモ」は、単行本『呪いの都市伝説 カシマさんを追う』に取り込まれた際には次のように書き改められています。75頁2〜10行め、 また、昭和10年(1935)5月31日付けの東京朝日新聞には、「係官に明瞭な答 両足…

芥川龍之介『羅生門』の文庫本(15)

・角川文庫45『羅生門・鼻・芋粥』(5) 2013年1月19日付(7)以降「黒田征太郎+K₂」のカバー表紙の改版四十一版・改版四十三版について述べたが、異なるカバーの改版四十一版を見ることが出来た。 【改版四十一版】昭和二十五年十月二十日初版発行・昭和四…

鉄道人身事故の怪異(2)

4月1日付(1)の続き。 松山氏の『呪いの都市伝説 カシマさんを追う』では、65〜85頁「第四章「四肢欠損の呪い」考」に、カシマさんの由来について、踏切事故で体がバラバラになったという原田宗典『いろはに困惑倶楽部』、両脚を切断されたという「▼90年 …

内館牧子『必要のない人』(1)

放映中の大河ドラマ「軍師官兵衛」の、藤村志保(1939.1.3生)のナレーションを聞いていて、平成21年(2009)1月2日放映のTVドラマ「寧々〜おんな太閤記」を思い出しました。 ちなみに藤村氏は残念ながら骨折のために第6回(2月9日放送)までで降板してし…

芥川龍之介「人を殺したかしら?」(1)

4月10日付「赤いマント(130)」で、「奇跡体験!アンビリバボー」に触れました。私はこの番組を殆ど見ていません。 2011年10月13日付「七人坊主(1)」にも触れましたが、「奇跡体験!アンビリバボー」で小池壮彦が怪奇探偵をやっていた頃は、まだ実家にい…

赤いマント(138)

・一柳廣孝 監修『知っておきたい 世界の幽霊・妖怪・都市伝説』(6) 4月15日付(135)の続きで、4月14日付(134)の最後に挙げた疑問点について。 * * * * * * * * * * さて、警察官が問題の便所で刺殺される、というオチですが、既に1月11日付(…

赤いマント(137)

・大野晋『日本語と私』 自伝『日本語と私』に赤マントの記述がありそうだと思って当たって見たのですが、それは案外あっさり見つかりました。そこで、単行本も見て置きました。初出誌はまだ見ておりません。 ・単行本(一九九九年十二月十日第一刷発行・定…

赤いマント(136)

昨日の続きを挙げるべきですが、しばらく踏み込まずにいるつもりだった「赤い半纏」や「赤いちゃんちゃんこ」との関連に入り込んでしまいまして、正直準備不足です。ある程度のところまで示せば良いとも思ったのですが、もう少し関連資料が見られればと思い…

赤いマント(135)

・一柳廣孝 監修『知っておきたい 世界の幽霊・妖怪・都市伝説』(5) 157頁下部の囲みコラムで「もっと知りたい」に紹介される「バリエーション」は、4月13日付(133)で見た、157頁に紹介される人攫いの赤マントではなくて、4月12日付(132)に引いた156頁…

赤いマント(134)

・一柳廣孝 監修『知っておきたい 世界の幽霊・妖怪・都市伝説』(4) 昨日の続きを抜いて置きましょう。 また、「マント」それ自体への恐怖もこの都市伝説を生む原/因となった可能性がある。昭和初期の子供たちにとって、「マ/ント」は身近なものではなく、…

赤いマント(133)

・一柳廣孝 監修『知っておきたい 世界の幽霊・妖怪・都市伝説』(3) 昨日の続きで、157頁「「マント」に対する恐怖」の内容を検討して見ます。 赤マントに関していえば、もうひとつエピソードがある。 昭和初期に伝わった話で、赤いマントをつけた男が子供を…

赤いマント(132)

・一柳廣孝 監修『知っておきたい 世界の幽霊・妖怪・都市伝説』(2) 4月9日付(129)の続き。 それでは、まず156頁「警察も巻き込んだトイレ騒動」から内容を検討して見ましょう。 赤マント・青マントは、少しずつその姿に違いがあるが、/全国の小中学校の…

赤いマント(131)

・近藤雅樹『霊感少女論』(2) 2013年9月22日付「三角屋敷(1)」*1でも少し触れたように、本書は学生たちのレポートから豊富な事例を紹介しています。その調査手法は7〜9頁「まえがき」の最後(9頁1〜5行め)に、 付記 本書で紹介した諸事例の大部分は、…

赤いマント(130)

・近藤雅樹『霊感少女論』一九九七年七月八日初版印刷・一九九七年七月一八日初版発行・定価1800円・河出書房新社・253頁・四六判上製本霊感少女論作者: 近藤雅樹出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1997/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 16回この…

赤いマント(129)

・一柳廣孝 監修『知っておきたい 世界の幽霊・妖怪・都市伝説』2008年9月25日発行・定価1000円・西東社・255頁 知っておきたい世界の幽霊・妖怪・都市伝説 (なるほど!BOOK)作者: 一柳廣孝出版社/メーカー: 西東社発売日: 2008/07メディア: 単行本購入: 3人 ク…

角川文庫「感動の名作シリーズ」(1)

平成10年(1998)前後に存在した角川文庫内のレーベル「角川文庫クラシックス」の目録については、3月2日付「角川文庫クラシックス」の目録(1)に2頁の目録について、3月13日付「角川文庫クラシックス」の目録(3)に22頁(推定)の目録について、既に整…

大野晋の新潮文庫(1)

2013年11月22日付「赤いマント(32)」に、国語学者大野晋(1919.8.23〜2008.7.14)の回想を引きました。その時期について、大野氏の伝記は差し当たり川村二郎『孤高』を参照したのでしたが、269〜270頁「あとがき」に、270頁3〜4行め「‥‥。前半部分の記述で…

芥川龍之介『杜子春』の文庫本(3)

・新潮文庫1806『蜘蛛の糸・杜子春』(3) 3月31日付(2)の続き。 ②六十四刷から③に至る南氏装幀のカバーについて、適宜高松氏装幀のカバーと比較しつつ眺めて置く。 カバー表紙・表紙折返しは一致。 ③八十三刷改版・八十四刷・八十五刷・八十八刷のカバ…

松本清張「或る「小倉日記」伝」(3)

・角川文庫1762(3) 4月3日付(2)の続きで「REVIVAL COLLECTION Entertainment Best 20 '60〜'80」のカバーについて。 カバー裏表紙は白地で左上にバーコード2つ、1つめは改版五版・改版六版に一致。2つめは改版再版「1910193004701」で改版五版・改版六…

松本清張『軍師の境遇』(6)

・角川文庫18107(3) 3月30日付(5)の続き。 私の見た本には帯が保存されていた。長さ37.1cm、幅5.0cm。裏は白地で裏表紙折返しの下部に、左に逆「コ」字形の破線、右に「コ」字形の破線に挟まれて、QRコードとその右に縦組み「角川文庫」。 表は黄色地…

松本清張「或る「小倉日記」伝」(2)

・角川文庫1762(2) 2013年10月17日付(1)にて、角川文庫1762『或る「小倉日記」伝』の改版は、「REVIVAL COLLECTION Entertainment Best 20 '60〜'80」に際して行われたもので、「平成九年二月二十五日改版初版発行、なのではないか、と見当を付けている…

杉浦日向子『隠居の日向ぼっこ』(1)

書影は3月10日付「杉浦日向子『江戸アルキ帖』(2)」の【追記】に示した。文庫版カバーは単行本カバーの柄を構成し直している。 ・単行本 ・二〇〇五年九月一五日発行(170頁)定価1200円・新潮社 ・二〇〇五年一〇月一五日三刷 定価1200円・新潮社 異同は…

鉄道人身事故の怪異(1)

人身事故など何処の駅・何処の踏切でも起こっているだろう。 実家を出て線路沿いのアパートの2階に住んでいたときのことである。ある夕方、ひっきりなしに通り過ぎていく列車が一向に通らなくなった。丁度駅と駅との中間で上りも下りも最も速度を出している…