瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

松本清張『ゼロの焦点』(7)

・帝国書院編集部『松本清張地図帳』2010年5月17日印刷・2010年5月21日初版発行・定価1,600円・帝国書院・112頁・B5判並製本松本清張地図帖作者: 帝国書院編集部/編,帝国書院編集部出版社/メーカー: 帝国書院発売日: 2013/12/10メディア: 単行本 クリック: 1…

松本清張『半生の記』(5)

・新潮文庫1909(2) 本文について2012年10月31日付(1)に若干の補足。 章題は4行取りで①は5字下げ、②は3字下げ、巻頭「父の故郷」のみそれぞれ最初に1行分余計に空白を作っている。 ・松本清張全集34 1974年2月20日第1刷・1985年8月30日第4刷・定価1800…

松本清張『ゼロの焦点』(6)

・関川夏央『昭和三十年代 演習』(3) 主人公の禎子は昭和33年(1958)12月の短期間に夫、独自に夫の行方を捜索していた義兄(夫の兄)、夫の後任で夫の捜索を献身的に行っていた本多良雄の3人が死ぬ、うち2人は毒殺と云う尋常でない状況下*1に置かれてい…

松本清張『ゼロの焦点』(5)

・関川夏央『昭和三十年代 演習』(2) 『昭和三十年代 演習』と云う本についての確認で少々飛んでしまいましたが、それでは5月24日付(5)の続きで、『昭和三十年代 演習』に見える本作に関するコメントを見て置きましょう。 「第二講/「謀略」の時代──…

関川夏央『おじさんはなぜ時代小説が好きか』(1)

本書のことは5月25日付「関川夏央『昭和三十年代 演習』(1)」及び5月26日付「関川夏央『昭和三十年代 演習』(2)」に引いた、同書の「『昭和三十年代 演習』その経緯と始末――「あとがき」にかえて」に言及されていた。 本書はもともと「ことばのために…

関川夏央『昭和三十年代 演習』(2)

昨日の続きで、もう少し「『昭和三十年代 演習』その経緯と始末――「あとがき」にかえて」を眺めて置きましょう。 192頁5〜11行め、 若い世代は、過去になずみたがる旧世代を嫌悪します。少なくとも、うるさく思います。ですが/同時に、遠く素朴で元気なもの…

関川夏央『昭和三十年代 演習』(1)

投稿当初「[小説の背景]松本清張『ゼロの焦点』(5)」と題していたが、『ゼロの焦点』の内容には全く及ばないので改題した*1。 * * * * * * * * * * 書影及び発行日等は5月24日付「松本清張『ゼロの焦点』(4)」に示しました。 カバー表紙折返…

松本清張『ゼロの焦点』(4)

・関川夏央『昭和三十年代 演習』2013年5月28日第1刷発行・定価1500円・岩波書店・醃+194+6頁・四六判上製本昭和三十年代 演習作者: 関川夏央出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/05/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 関川氏の書…

岡本綺堂の文庫本(07)

・河出文庫『風俗江戸東京物語』(1)今井金吾 校註風俗 江戸東京物語 (河出文庫)作者: 岡本綺堂,今井金吾出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2001/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (10件) を見る・二〇〇一年一二月一〇日…

山田洋次『映画をつくる』(1)

・国民文庫840(1)大月書店映画をつくる (1978年) (国民文庫―現代の教養)作者: 山田洋次出版社/メーカー: 大月書店発売日: 1978/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る・1978年11月17日第1刷発行(215頁) ・1978年12月28日第3刷発行 ¥350…

Anne Morrow Lindbergh“GIFT FROM THE SEA”(2)

・新潮文庫1746『海からの贈物』(2) 本体、①は活版(の紙型)である。 1頁(頁付なし)扉、四隅の丸い匡郭は①三十五刷(10.2×6.2cm)②六十二刷(10.4×6.4cm)、中の割付は同じ。①②「リンドバーグ夫人」が③(10.5×6.5cm)では「アン・モロウ・リンドバーグ…

Anne Morrow Lindbergh“GIFT FROM THE SEA”(1)

・新潮文庫1746『海からの贈物』吉田健一訳 ①昭和四十二年七月二十日発行(123頁)海からの贈物 (1967年) (新潮文庫)作者:リンドバーグ夫人出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1967メディア: 文庫・昭和五十六年五月二十日二十一刷 定価180円*1 ・昭和五十八年…

高梨みどり『Order-made』(2)

昨日の続き。 名古屋駅の西側から、駅の南側を迂回して東側に出て、どこをどう通ったかははっきり覚えていないが、多分、泥江町の交差点から那古野に入って、そして円頓寺商店街に至ったのである。アーケードにパネルを敷いた通りで、御多分に漏れず寂れてい…

高梨みどり『Order-made』(1)

私がまだ院生だった頃、学会発表のための資料調査で、名古屋に泊り掛けで出掛けたことがあった。 私は高校では山岳部だったので、汚い夜具で寝ることも大して苦にならない。院生時代の私は、大阪では堂山町の裏通りにあった床の傾いた和風の旅館を定宿にして…

『都電往来』(4)

昨日の続き。 見返しの用紙は見開きの裏も絹目。 1頁(頁付なし)扉から100頁までアート紙。 扉は初版・再版で一致しており、左上に細い線の枠(12.9×3.4cm)があって中は灰色地に表紙と同じ墨書の標題、左下に同様の枠(5.7×1.4cm)があって副題「豊島区と…

『都電往来』(3)

4月15日付(2)の続き。 背表紙は角背だが初版・再版とも文字は刷られていないようだ*1。 表紙見返し、絹目を刷り出した白地の紙に、見開きで右上に横組みで「[ 都電・荒川線 ]」と題する路線図があって、初版・再版で一致する。 右下に、崩した「4」と「+…

高校図書館

先日、過去の記事を漁っていて、当ブログを始めた頃に書いた、高校図書館の回想を見付けた。 2011年3月8日19時頃に作成した草稿で、もう少し補足してから上げるつもりだったのだろう。しかし当時は出身地を明かしていなかったから、書いては見たものの寝かせ…

Prosper Mérimée “Carmen”(2)

・岩波文庫32-534-3『カルメン』(2) 5月7日付(1)の続きで、本体について、今、手許にある本によりメモして置く。 1頁(頁付なし)扉は、第51刷と第58刷の間で組み直されたらしく、第51刷の匡郭(10.5×6.5cm)の右上隅・右下隅・左上隅に隙間があったの…

遠藤周作『海と毒薬』(07)

・角川文庫1932(3) 四十版を見た。 【四十版】昭和三十五年七月三十日初版発行・昭和六十二年五月二十日四十版発行・定価260円・165頁 角川文庫は奥付に改版と示さないため版次を整理しがたいので、一覧にして示さず見た順にメモすることにしたが、それで…

佐多稲子『くれなゐ』(2)

・新潮文庫360(2) 2012年10月25日付(1)に補ったように、その後、四十四刷を見た。 書影は三十四刷に同じ。前回表示出来なかった書影をここに補っておく。くれなゐ (1952年) (新潮文庫〈第360〉)作者:佐多 稲子発売日: 1952/05/28メディア: 文庫くれな…

岡本綺堂の文庫本(06)

・『女魔術師』(4) 今回は4月26日付(03)の補足をして置こう。 「◎底本出典一覧」を見て「可能な限り早い本に拠ったと云う訳でもない」との感想を抱いたのだが、これはむしろ、著者生前の最も新しい版を積極的に採用した、と云うことなのだろうかと思い…

かとー君の怪

私は高校時代を兵庫県で過ごしたけれども、卒業後は、既に父が東京に転勤になっていたため、初めから東京の大学だけ受験していた。いや、国立大学なら地方でも良いと云うので、以前住んだ場所に近い某国立大学を受験した。2016年4月3日付「万城目学『鹿男あ…

大澤豊監督『せんせい』(2)

4月9日付(1)の続きで、映画の本編について。 最初に、青地にゴシック体白抜き横組み左揃えで、 文部省選定 日本映画ペンクラブ 特薦 東京都教職員組合 特薦 厚生省 中央児童福祉審議会 推薦 日本PTA全国協議会 推薦 優秀映画鑑賞会 推薦 映倫 青少年映…

アパートの一本杉

2月から薬を毎日服用しているので、涙が止まらないとか鼻水が止まらない、と云った症状はほぼ出ない。目がごろごろする程度である。しかし、鼻の通りが悪いから、寝覚めが悪い。休日は午前中ぼんやりしている。出勤したら、仕事をするより仕方がないが、そう…

Prosper Mérimée “Carmen”(1)

・岩波文庫32-534-3『カルメン』メリメ作/杉捷夫訳 ①1929年4月25日第1刷発行 ②1936年カルメン (1950年) (岩波文庫)作者: メリメ,杉捷夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1950メディア: 文庫この商品を含むブログを見る③1960年12月5日第33刷改版発行©(1…

スキー修学旅行(3)

昨日の続き。 * * * * * * * * * * 帰りは大町駅までバスで出て、それから貸切の夜行列車に乗り換えたのだと思うが、はっきり覚えていない。 すっかり暗くなった駅前のロータリーを歩いた記憶だけがあるのである。 だから、多分、ここまでバスで、…

スキー修学旅行(2)

5月2日付(1)の続き。 * * * * * * * * * * それはともかく、私はスキーの修学旅行が嫌で仕方がなかった。 山岳部員と云うこととは関係なしに常日頃から、中学の頃は地形図を見ながら自転車で走り回り、高校は自転車が使いづらい地域だったので…

Paul Heyse “L'Arrabbiata” (1)

・岩波文庫32-426-1『改訳 片意地娘 他三篇』パウル・ハイゼ作/関泰祐 訳片意地娘(ララビアータ)―他三篇 (1953年) (岩波文庫)作者: パウル・ハイゼ,関泰祐出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1953/12/25メディア: 文庫この商品を含むブログを見る片意地娘(ラ…

学生社版『東京史跡ガイド』(1)

・東京史跡ガイド⑯『豊島区史跡散歩』 ①伊藤栄洪・仲田喜三郎・堀切康司(昭和52年10月5日初刷印刷・昭和52年10月10日初刷発行・¥780・208頁・小B6判並製本) ②伊藤栄洪・堀切康司(1994年1月10日初刷印刷・1994年1月20日初刷発行・定価1650円・139頁・B6…

スキー修学旅行(1)

高2の頃、私はクラスの連中と折り合いが悪くて、ほぼ孤立していた*1。 私は偏った人間で、好きなことはどこまでも突き詰めるが、嫌いなことは全くやらない。だから定期考査の最高点と最低点が100点差と云う、通常あり得ないようなこともしでかした。少しでも…