瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

怪異談

赤いマント(335)

・竹中労の赤マント体験(2) さて、竹中労が赤マント流言に接した時期と場所だが、①昭和3年(1928)3月生説の場合、2019年6月25日付(183)に見た田辺聖子と3日違いの生れで昭和9年(1934)4月小学校入学、昭和15年(1940)3月卒業、昭和14年(1939)2月の…

赤いマント(329)

私は4年前に「赤マント流言」に関する本を出したいと当ブログに書いたのだが、実はその後、消極的になっている。 構想としては『昭和十四年の「赤マント」』と題して、新聞・雑誌・日記等から拾った当時の記事を順を追って辿りながら、赤マント流言の発生・…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(189)

これも今日投稿しないと2022年は投稿なしになってしまうので急遽準備して投稿することにした。 2021年12月19日付(188)に続いて、叢書東北の声44『杉村顕道作品集 伊達政宗の手紙』に収録される小説の設定を検討したものを(189)と(190)として準備してい…

稲川淳二『稲川怪談』(8)

念のために断って置くと、私は『新耳袋』は殆ど読んでいない。何冊か借りて見たのだが、昨日の最後の方に述べたように、私はどうしても背景、すなわち、時代や場所、人間関係などの説明に具体性がなくて、体験そのものだけが書かれたものにはリアリティを感…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(6)

昨日の最後に取り上げた、「中山市朗ブログ」の2009年04月15日「マスコミについて」に、稲川氏が『新耳袋』と共通の話をライブで語り、書籍にも載せていることについて「‥‥。で、あの人はライブで話したことを本にする(ゴーストライターが、ですけど)んで…

稲川淳二『稲川怪談』(7)

細かいところを見て行くと際限がなくなる上に、私はそもそも稲川淳二のことをそんなに知らぬので、このまま続けても勘違いをしては後でそのことに気付いて訂正また訂正と云うことになりそうだ。そんな訳で、この辺りで本題である稲川氏が取り上げて有名にな…

稲川淳二『稲川怪談』(6)

こんな記事を上げているものだから(但し殆ど閲覧されていないから気にする必要はないかも知れぬのだが)再々断っているように、私は怪異の体験談とか実話怪談とか云うものが苦手である。体験したと云う主張を否定するつもりはない。当人が見たと云う以上、…

稲川淳二『稲川怪談』(5)

昨日取り上げた②『昭和・平成・令和 長編集』第二章【4-2】「ピンクの女」は、昨日も注意したように【4-1】「闇夜の赤ん坊」と抱き合わせて【4】「ナオ・バーズ・バー」として纏められている。 そのため、初出『稲川淳二のすご~く恐い話(PARTⅠ)』第34話「…

稲川淳二『稲川怪談』(4)

一昨日、12月22日付(3)に見た、②『昭和・平成・令和 長編集』の「出典・初出一覧」に『稲川淳二のすご~く恐い話』の『ベストセレクション』が入っていることに注意し、昨日、そのリイド文庫『稲川淳二のすご~く恐い話 ベストセレクション』について、12…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(5)

昨日述べたような理由で、実物未見ながら次の本を取り上げる。 ・リイド文庫『稲川淳二のすご~く恐い話 ベストセレクション』平成13年8月2日 第1刷発行・平成17年7月11日 第2刷発行・定価457円稲川淳二のすごーく恐い話ベストセレクション (…

稲川淳二『稲川怪談』(3)

昨日の続きで今年刊行された②『昭和・平成・令和 長編集』の細目と「出典・初出一覧」を眺めて置こう。要領は昨日に同じ。 ・7頁(頁付なし)扉「第一章 怖い記憶」全面に写真、カバー裏表紙「6」に同じ。 【1】真っ赤な男(8~13頁) ユニJオフィース 【2…

稲川淳二『稲川怪談』(2)

昨日の続きで①『昭和・平成傑作選』と②『昭和・平成・令和 長編集』の細目と222~223頁「出典・初出一覧」を合わせて確認して置こう。 ①②とも222頁1行めには「本書に掲載した作品は、リイド社より刊行された、次の書籍に掲載されたものを改訂・改題したもの…

稲川淳二『稲川怪談』(1)

稲川淳二は同じ話を繰り返し語っています。語り藝ですから、当然揺れがあります*1。単に稲川氏の怪談を愉しみたいと云うのであれば、前に聞いた、或いは読んだのと違うところが、少し引っ掛かって、SNSなどに書いて、それ以上別に何ともしない訳ですが、私は…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(4)

・リイド文庫『稲川淳二のすご~く怖い話』(4)PARTⅢの細目 昨日の続きで③PARTⅢの細目を見て置こう。①と同じ要領で写真が挿入されているが、メモする余裕がなかった。再見の機会があれば補いたい。 「もくじ」の題は古印体、本文では行書体、人魂の枠は灰…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(3)

・リイド文庫『稲川淳二のすご~く怖い話』(3)PARTⅡの細目 昨日の続きで②PARTⅡの細目を見て置こう。①と同じ要領で写真が挿入されているが、メモする余裕がなかった。再見の機会があれば補いたい。 「もくじ」と本文とも題は行書体。 第1話『犬泣きトンネ…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(2)

・リイド文庫『稲川淳二のすご~く怖い話』(2)PARTⅠの細目 昨日の記事で、このシリーズの最初に出た3冊を並べて(仮に①②③として)装幀や構成を比較して見たのだが、②PARTⅡと③PARTⅢは先に返却してしまったので、細目と、気になった話若干についてメモが取…

『稲川淳二のすご~く恐い話』(1)

私は体験談に余り興味がない。それなのに取り上げる理由は、場所や時代、それから登場人物に対する興味からである。 稲川氏の話の場合、後で引用するが、どうも話を盛っているところが目に付いて、そのまま考証に使えない。しかも稲川氏は同じ話を繰り返し語…

道了堂(114)

・郷内心瞳『拝み屋念珠怪談』(5) 昨日の続き。『奈落の女』224頁8~10行め、 遊佐さんたちの目当ては、同じ境内に祀られている首なし地蔵と呼ばれる地蔵だった。*1 こちらもその名のとおり、首から上の部分が欠損した地蔵尊で、悪戯半分で触れると/祟り…

道了堂(113)

昨日の記事は郷内氏の説明する「ノート」の性質の確認だけに終わってしまい、道了堂跡の記述に及びませんでした。或いは『拝み屋念珠怪談』の方を記事の題にすべきかとも思ったのですが、通読する余裕のないまま『奈落の女』は返却してしまったし、『緋色の…

道了堂(112)

・郷内心瞳『拝み屋念珠怪談』(3) 取材ノートの纏め方については『緋色の女』180頁8行め~181頁9行めに以下のように説明されている。 乗換駅までは四十分近い時間があった。かなりの余裕があるため、鞄*1からメモ書き用/の取材ノートを取りだし、先ほど…

道了堂(111)

ところで、都内の民俗調査報告書などにも「オガミヤ」のことは出ているから、そのような存在が村社会にいたことは知識としては知っている。イタコとか、テレビの心霊番組に出ていた霊能者も、そして道了堂の堂守もそう云った存在だったのだろう。そう云えば…

道了堂(110)

・郷内心瞳『拝み屋念珠怪談』(1) 近年の実話怪談の類にも、道了堂或いは道了堂跡を取り上げたものがあって、9月13日付「『「超」怖い話』(1)」に述べたように、少しずつ拾い集めている。元より私は7月10日付「新聞解約の辯(4)」に述べたように、体験…

清水成夫『八王子ふるさとのむかし話』(08)

・巻一(5)加住地区 昨日の続きで4章めを眺めて置く。要領は11月24日付(05)に同じ。 135~144頁5行め「<加住地区>」 *「目次」3頁め下段10行めには1字下げでやや大きく「加住地区(九話)」とある。 《1》滝は落ちると移った滝山城(八王子市丹木町)…

清水成夫『八王子ふるさとのむかし話』(05)

・巻一(2)八王子地区 本書には、前回引いた「まえがき」にあったように、八王子市内の5つの地区の伝説等が纏められている。 以下、地区ごとに、仮に《番号》を打って細目を眺めて置くこととしよう。4行取り2段抜きの題の左下に添えてある(地名)は、仮に…

大和田刑場跡(2)

大和田刑場跡は心霊スポットとして、工場がなくなった後にむしろ有名になったらしい。 しかし私は心霊スポットに興味がないので大和田刑場跡のことは知らなかった。11月4日付「東京都八王子市『ふるさと八王子』(4)」に述べたように八王子には縁がなかっ…

大和田刑場跡(1)

東京都八王子市『ふるさと八王子』を通覧していて、1章め「ふるさと八王子」の、昭和47年(1972)10月1日発行の八王子市の広報に掲載された【17】「大和田河原の刑場」なる記事が、気になったのである。 記事の冒頭、40頁上段~下段7行め、 天正十八年、八王…

『「超」怖い話』(19)

・安藤君平『[小説]ウィザードリィ②【アラビクとマルグダの物語】』1992年3月25日第1刷発行・定価971円・双葉社・254頁・新書判上製本小説ウィザードリィ〈2〉アラビクとマルグダの物語 (双葉社ファンタジーノベルスシリーズ)作者:安藤 君平双葉社Amazon …

『「超」怖い話』(18)

・勁文社文庫21 Q-019『新「超」怖い話』(2) それでは収録されている話について、仮に附した収録順の《番号》「題」執筆者(頁)に、*に体験者(話者)・時期・場所、樋口明雄執筆分については復刻選集『「超」怖い話∞(エンドレス)』への再録状況について…

『「超」怖い話』(17)

9月28日付(15)に取り上げたシリーズ2作めに続いて、3作めを見て置こう。 ・勁文社文庫21 Q-019『新「超」怖い話』1993年8月1日 第1刷・1995年7月20日 第5刷・定価544円・220頁新「超」怖い話 (勁文社文庫21)作者:樋口 明雄勁文社Amazon 本書からケイブ…

『「超」怖い話』(16)

・勁文社文庫21 Q-016『続「超」怖い話』(2) 昨日の続き。「「超」怖い話公式ホームページ」の「「超」怖い話 資料集」には、 ※新書版発刊当時のタイトルは「超」怖い話2とされていたが、文庫化時に続「超」怖い話に改題された。 ※※文庫化の際に、一部のエピ…