瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

怪異談

赤いマント(267)

・中村希明『怪談の心理学』(19) それでは次の節、37頁13行め「「赤い紙ヤロカ、白い紙ヤロカ」」を見て置きましょう。第一章「トイレの怪談の系譜――デマの心理学」の細目は2014年1月5日付(075)に示しましたが、その9節めです。 14行め~38頁8行め、 筆者…

赤いマント(266)

・中村希明『怪談の心理学』(18) 昨日は途中から脇に逸れてしまいました。しかし、中村氏及び217~218頁「あとがき」の最後の段落(218頁9~11行め)に見える「資料集めに御協力いただいた講談社資料センターの板谷洋一氏」が資料探索にもう少し手間を掛け…

赤いマント(265)

・中村希明『怪談の心理学』(17) 昨日の続きで、続く35頁9行め「報道管制とデマゴーグ」の節を見て置きましょう。まづは前半、35頁10行め~36頁5行め、 戦時色が強まるにつれて、軍需工場の多かった北九州の小学校でも、「敵間諜*1の謀略によ/る『流言蜚語*2…

赤いマント(264)

・中村希明『怪談の心理学』(16) 9月1日付(262)の続きで、「なぜ赤マントの怪人になったか」の節の最後を見て置きましょう。34頁13行め~35頁8行め、 ではなぜこの時期にトイレの赤マントの恐怖デマが成立したのだろうか。 しのびよる戦争の不安は、まず…

赤いマント(263)

・中村希明『怪談の心理学』(15) 本書の赤マント流言関連の記述を徹底的に検討して見る、と云う課題を私は長らく後回しにしてきたのですが、やって見てこれまで甚だ気乗りしなかった理由が分かりました。――既に嫌気が差しているので「大阪から東京」説の確…

赤いマント(262)

・中村希明『怪談の心理学』(14) さて、中村氏は昨日見たように、赤マント流言の時代背景を纏めた上で、この節の題である「なぜ赤マントの怪人になったか」に話を進めて行きます。33頁6~8行め、 こうした少年少女の空想の世界のなかで、トイレの「赤マン…

赤いマント(261)

・中村希明『怪談の心理学』(13) 中村氏は、鳥越信が松谷みよ子に語り、松谷氏が『現代民話考』に「学校の怪談」を取り上げる原点になった、旧制姫路高等学校の寮に伝えられていた怪談「あかずの便所」から、「赤マントの怪談」へと筋を引こうとしているの…

赤いマント(260)

・中村希明『怪談の心理学』(12) 昨日の続き、と云うか2014年1月8日付(078)の続きで、中村氏の描いた赤マント流言の流れを、30頁12行め「暗い情動」の節から順を追って見て行きましょう。 中村氏はまづ、30頁13行め「 この「赤マント」のルーツを『現代…

赤いマント(259)

・中村希明『怪談の心理学』(11) 昨日の続き。 中村氏の赤マント流言の検討は、2014年1月5日付(075)に見たように、第一章「トイレの怪談の系譜――デマの心理学」にて、松谷みよ子『現代民話考[第二期]Ⅱ 学校』に載る話を主たる資料として、なされています…

赤いマント(258)

・中村希明『怪談の心理学』(10) 昨2019年6月に、井上雅彦「宵の外套」に赤マント流言が取り上げられていることを知って、借りて読んだとき、赤マントが大阪から東京に伝播した、と云う説を読んで、どこからこんな説が提示されたのだろう、と思ったもので…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(165)

・日本民話の会 学校の怪談編集委員会『学校の怪談大事典』 昨日までで、ともに吉沢和夫の手に成る、本書の「峠の一軒家」と、怪談レストラン❸『殺人レストラン』の「とうげの一けん家」との本文の比較を終えた。 最後に、例話の前後に丸ゴシック体で添えて…

赤いマント(257)

・井上雅彦「宵の外套」(12) 赤マントに関連しそうなところはここまでであるが、序でに以後の展開を眺めて置こう。 友人に大切な何かを汚されてしまったように感じた「私」は「深草」に赴き、自転車を引いた黒い外套の「老人」に逢う。 続いて、四条大橋の…

赤いマント(256)

・井上雅彦「宵の外套」(11) 昨日の続きで①初出『京都宵』②再録『四角い魔術師』③再々録『夜会』の異同を確認しつつ内容を見て置こう。要領は8月8日付(250)に同じ。 昨日引いた、地の文になっている友人の説明の最後までと「私」の感想。【G】カイナデ…

赤いマント(255)

・井上雅彦「宵の外套」(10) 昨日の続きで①初出『京都宵』②再録『四角い魔術師』③再々録『夜会』の異同を確認しつつ内容を見て置こう。要領は8月8日付(250)に同じ。 昨日引いた、地の文になっている友人の説明の続き。【F】赤マントとの関連(二)(①47…

赤いマント(254)

・井上雅彦「宵の外套」(9) 昨日の続きで①初出『京都宵』②再録『四角い魔術師』③再々録『夜会』の異同を確認しつつ内容を見て置こう。要領は8月8日付(250)に同じ。 昨日引いた会話の続き。【E】赤マントとの関連(一)(①474頁3行め~475頁2行め②247頁…

赤いマント(253)

・井上雅彦「宵の外套」(8) 一昨日の続きで①初出『京都宵』②再録『四角い魔術師』③再々録『夜会』の異同を確認しつつ内容を見て置こう。要領は8月8日付(250)に同じ。 「黒い外套の男」の候補として、「私」は2人の人物(?)を上げている。1人は冥界と…

赤いマント(252)

2019年6月16日に作成して置いたのだが、投稿しないままになっていた。昨日触れた「コトリ」について突っ込んだ記述があるので、少々整わない草稿だけれども、ここに上げて置くこととする。 * * * * * * * * * *・平凡社新書165『謎とき 名作童謡の…

赤いマント(251)

・井上雅彦「宵の外套」(7) 昨日の続きで①初出『京都宵』②再録『四角い魔術師』③再々録『夜会』の異同を確認しつつ内容を見て置こう。要領は昨日に同じ。 語り手の「私」は、6月28日付(246)に引いた「自作解題」の類に「母から聞いた想い出話」等と述べ…

赤いマント(250)

・井上雅彦「宵の外套」(6) 8月1日付(249)までで①初出『京都宵』②再録『四角い魔術師』③再々録『夜会』の本文比較を終えたところで、小説の内容について見て置くこととしよう。 まづ6月28日付(246)に引いた、これら3冊に添えられた作者・井上雅彦(19…

青木純二『山の傳説』(08)

・「戸臺部落」と「人骨をかぢる狐の話」(3) 昨日の続き。要領は一昨日に示した。 【C】人骨をかじる狐~事件 村人の体験談の後段。 ①『山の傳説』278頁5~10行め 暫く行くと、ガリ、ガリと異樣な音をきいた、思はず立すくむと、雪の中に一匹のきつねが…

青木純二『山の傳説』(07)

・「戸臺部落」と「人骨をかぢる狐の話」(2) 昨日の続き。要領は昨日に同じ。 【B】冬の野天の火葬場~事件前段 ①『山の傳説』278頁7行め~279頁4行め ある年の冬、村人が用事をすまして歸路についたのは夜も深んで居た、雪はぴつたりとやんで/居た、空…

青木純二『山の傳説』(06)

・「戸臺部落」と「人骨をかぢる狐の話」(1) 前回、8月4日付「「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(156)」の冒頭に触れた丸山政也は、2019年9月22日付(125)に見たように、その著書『長野の怖い話』の「参考文献・出典・初出・引用」に、2019年9月…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(154)

何事もなければ今頃、1月31日付(152)までに目録やネット検索にて洗い出した青木純二の著述活動について、所蔵機関に出向いて出来るだけ現物に基づいて確認を済ませているつもりだったのだが、緊急事態宣言の以前から休館し始めた図書館は、現在ほぼ再開し…

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(16)

・「現代民話」の出典⑨~内輪の資料(3) 昨日の続き。今回は順に列挙して置く。 ⑮『噓のようなホントの話』編集:高津美保子(細目:7月19日付(07)) ・二〇〇二年に矢部敦子が話し、高津美保子が記録 ⑮七 ・一九八〇年ごろに林義明が話し、高津美保子が…

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(15)

・「現代民話」の出典⑧~内輪の資料(2) 昨日の続きで、今回は⑫と⑬について見て置く。数が多いので年代・報告者50音順・追記の有無で並び替えた。 ⑫『乗物とメディアの怪』編集:渡辺節子(細目:7月14日付(04)) ・一九九三年高津美保子が記録 ⑫八十五 …

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(14)

一昨日の続き。 ・「現代民話」の出典⑦~内輪の資料(1) 本シリーズにも、2月4日付「『夢で田中にふりむくな』(7)」に見た⑫渡辺節子と⑪岩倉千春の共著『夢で田中にふりむくな』と同様に、「不思議な世界を考える会会報」にも載せていない、内輪の資料が…

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(13)

鼻中隔彎曲症の手術を、近いうちに受けたいと思っていろいろ調べて(と云うか家人が調べて)見たのだけれども、なかなかハードルが高い。時期が余程悪くなければ1週間くらい、いつだって休んだって構わないのだが、目下、政府・与党が旗を振り、そして少なか…

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(12)

不思議な世界を考える会や民話と文学の会の会報など、実際に見ることが出来ないものについて、見られないなりに整理すると云う空しい作業をしていると、疲労感が一際募る。もうそろそろ「ヤングの知っているこわい話」を分担していた人たちも60代、70代にな…

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(11)

4連休だが在宅の仕事もあるし、もともと出掛ける予定もない。 緊急事態宣言下、自宅に籠もっていたときに、息切れが酷くて運動も儘ならなかったことを思い出した。あの頃は、実は既に蔓延していると云う説もあって、ひょっとして感染しているかも知れないが…

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(10)

昨日の続き。 ・「現代民話」の出典③~「不思議な世界を考える会会報」 ⑩を除く5冊の編集担当は、皆、2016年12月19日付「『夢で田中にふりむくな』(1)」に見たように、白水社版『日本の現代伝説』の編著者である。2016年12月20日付「『夢で田中にふりむく…