瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

川端康成『古都』(07)

・単行本(5)分ち書き 8月12日付(4)に指摘したような、字詰めの都合で出来た空白を活用(?)した、植字工に拠るものと思われる分ち書きらしき箇所を列挙して置く。 句読点のところをやや広く取って調整している箇所も多いが、流石にそれは見分けづらか…

川端康成『古都』(06)

・単行本(4) 243頁の裏は白紙で、次に奥付。 中央に印刷の「新潮」印、その上に横組みで「古 都/定価 350円」、印の下は縦組み明朝体で、まず小さく「昭和三十七年六月二十五日 発行/昭和三十七年八月三 十 日 三刷」。少し離して1字下げで「著 者 川 …

壺井栄『二十四の瞳』の文庫本(11)

・角川文庫2094(6) 2013年1月14日付(06)に紹介した五十一版と同じ表紙の掛かった版を見たので、五十一版と比較しつつメモして置く。 ・昭和五十九年九月十日五十四版発行(214頁)定価220円 カバー表紙・背表紙・裏表紙折返しは同じ。 カバー表紙折返し…

川端康成『古都』(05)構成

・単行本(3) 8月11日付(3)の続きで、構成を確認して置こう。これから暫く、組み方や内容について述べるつもりだが、この対照表を、位置を確認するときの目安として示して置く。文庫版②③には「目次」がなく、本編各頁上部に横組みで入っている柱(ヘッ…

松本清張『増上寺刃傷』(3)

・講談社文庫(3) 8月25日付(2)の続きで、本体について。 1頁(頁付なし)上下は双辺で左右は短辺、初版・新装版とも12.0×8.1cm。文字は横組みで、上部に「■/講談社文庫」■のところは講談社文庫のマーク、文字は丸ゴシック体。中央やや上に明朝体でや…

山岸凉子『舞姫 テレプシコーラ』(1)

何故本書を読むことにしたのか、から説明したかったのだが準備が整わないので、基本事項の確認から始めよう。 ・第一部(メディアファクトリー)B6判並製本 まず書名だが、カバー表紙・カバー背表紙での表示は書影を参照。カバー表紙は右側の「舞姫」と「テ…

松本清張『増上寺刃傷』(2)

・講談社文庫(2) 2013年5月9日付(1)に新装版についてメモして置いたが、初版を見ることが出来たので、新装版(第5刷)と比較しつつメモして置く。増上寺刃傷 (講談社文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: 講談社発売日: 1987/01メディア: 文庫この商品…

『加賀乙彦 自伝』(1)

・加賀乙彦『加賀乙彦 自伝』2013年3月10日第1刷発行・定価2000円・293頁・四六判上製本加賀乙彦 自伝作者: 加賀乙彦出版社/メーカー: ホーム社発売日: 2013/03/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 版元はカバー裏表紙に「発行/ホーム社 …

松本清張『軍師の境遇』(7)

随分間が空いてしまったが、3月26日付(4)で触れた、今年のNHK大河ドラマを当て込んで刊行された文庫版の、もう1冊を取り上げて置こう。こちらの方が角川文庫の新装版よりも若干早い。 ・河出文庫(二〇一三年八月一〇日初版印刷・二〇一三年八月二〇日初…

早川聞多『現代語訳 春画』(1)

もともと古典専攻なので、院生の頃には所蔵先を調べて指導教授に推薦状を書いてもらって大学図書館を通して閲覧申請をして送付されて来た許可状に印鑑を持って、版本や写本や、書簡の類も読んだものである。今は、ネット上にカラー写真で公開している大学や…

佐藤純弥「新幹線大爆破」(1)

学部を卒業した春休み、私は内海に面した田舎町に、友人の実家を訪ねた。2011年2月22日付「上野顕太郎『帽子男』(1)」にも書いた、『帽子男は眠れない』を持っていた友人である。彼は地元の中小企業に就職が決まっていて、今は公務員になってしまったのだ…

遠藤周作『作家の日記』(3)

この噴火目撃については「私の履歴書」以後にも語る機会があった。 ・遠藤周作・佐藤泰正『人生の同伴者』 平成3年(1991)3月から6月にかけて行われた対談を纏めたもの。佐藤泰正(1917.11.26生)はカバー裏表紙の紹介文に、新潮文庫版には8〜10行め「‥‥。“…

遠藤周作『作家の日記』(2)

遠藤周作(1923.3.27〜1996.9.29)はこの留学体験について、私はまだ殆ど読んでいないのだけれども、たびたび取り上げているようだ。 「日本経済新聞」文化面の「私の履歴書」は、当ブログでも『どくとるマンボウ回想記』として纏められている北杜夫(1927.5…

開高健『裸の王様』の文庫本(3)

・新潮文庫1394『パニック・裸の王様』(1) ①昭和三十五年六月二十五日発行(260頁) ・昭和五十一年四月一日発行 高校図書館用 ②昭和六十二年五月二十日四十五刷改版(283頁) ・平成十六年九月十日七十二刷 定価438円パニック・裸の王様 (新潮文庫)作者:…

三島衛里子『高校球児ザワさん』(3)

一昨日からの続きで『高校球児 ザワさん1』について。 第9話 東京都 会社員 28歳女(082〜092頁) 093頁(頁付なし)のカットは085頁3齣めの一部。 第10話 アンダーシャツ(095〜100頁) 101頁(頁付なし)のカットは097頁1齣めの一部。 第11話 都澤(10…

三島衛里子『高校球児ザワさん』(2)

昨日の続きで『高校球児 ザワさん1』について。 それから、昨日取り上げた017頁2齣めだが、「小学館コミック/スピリッツ 連載作品紹介/高校球児 ザワさん」のイラストとして、カラーで掲載されている。このイラストでは背景が青空になっているが、セーラ…

三島衛里子『高校球児ザワさん』(1)

・BIG SPIRITS COMIC SPECIAL(小学館・B6判並製本) 『高校球児 ザワさん1』2009年5月5日初版第1刷発行・定価524円・158頁高校球児 ザワさん 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)作者: 三島衛里子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2009/04/30メディア: …

ネタバレと引用

当ブログは、本を主とするブログということになるのだろうけれども、書評ブログではない。一応書物系(?)なのだけれども、別段、読んで感動した本の魅力を伝えたいとか、そんな気持ちは、ない訳ではないけれども、常にある訳ではない。 基本は、突っ込みで…

遠藤周作『作家の日記』(1)

・講談社文芸文庫(二〇〇二年二月一〇日第一刷発行・定価1700円・504頁)作家の日記 (講談社文芸文庫)作者: 遠藤周作出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/02メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る 他にも幾つかの版があるが差当り一番新しいこ…

川端康成『古都』(4)

・単行本(2) 7月22日付「中島京子『小さいおうち』(40)」にて毛筆の連綿について触れた。過去にも2011年6月25日付「「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(14)」でも触れたことがあった。最近、高島俊男(1937.1.16生)の訓読み廃止論の影響を受け…

川端康成『古都』(3)

昨日の続き。 ・新潮文庫1833(3) ②③ともに1頁(頁付なし)扉、3頁(頁付なし)中扉「古 都」、5頁から本文で目次はない。 章題は4行取り3字下げ。冒頭、5頁の「春 の 花」のみ、さらに前に1行分の空白。 以下「あとがき」までは単行本にもあるが、「あと…

川端康成『古都』(2)

7月30日付(1)の続き。 ・新潮文庫1833(2) カバー裏表紙の紹介文、②と③で組み直されているが同文。但し、5〜8行め、 ‥‥。互いにひかれあい、懐か/しみあいながらも永すぎた環境の違/いから一緒には暮すことができない/……。‥‥ というのは違うのではな…

北杜夫『どくとるマンボウ回想記』(5)

・私の履歴書(4) 3日前からの続き。連載の番号が⑳を超過して、私のワープロソフトでは丸数字では示せなくなったので( )を○の代わりとした。 (21) 2006年(平成18年)1月22日(日曜日) 第43117号 44 1248 「無一文」株に全財産つぎ込む/税金滞納、前借…

北杜夫『どくとるマンボウ回想記』(4)

一昨日からの続き。 ・私の履歴書(3) ⑫ 2006年(平成18年)1月13日(金曜日) 第43108号 40 708 「執筆開始」文壇で相手にされず/相次ぐ門前払い、焦り募る 「幽霊」の出版記念会で/(1954年、右から2人目が/筆者、同3人目が田畑麦彦) ※ →単行本81頁…

北杜夫『どくとるマンボウ回想記』(3)

昨日の続き。 ・私の履歴書(2) ④ 2006年(平成18年)1月5日(木曜日) 第43100号 44 260 「小学校入学」最初の恩師と出会う/図画の自信作、担任が評価 姉(左端)、妹(中央)と一緒に ※ →単行本33頁・文庫版33頁 ⑤ 2006年(平成18年)1月6日(金曜日) 第4…

北杜夫『どくとるマンボウ回想記』(2)

8月3日付(1)の続き。 ・「私の履歴書」(1) 「日本経済新聞」の「私の履歴書」は、[ 文 化 ]*1面になっている最後の頁の左上に5段組、1〜2段めの右側に2段抜きで著者自筆の題字「私の履歴書」とゴシック体の著者名に明朝体で振り仮名、これらの下に丸数…

開高健『裸の王様』の文庫本(2)

・角川文庫1928『裸の王様・流亡記』(2) 本体、1頁(頁付なし)扉、匡郭、三十一版は11.4×7.4cm、三十三版は11.6×7.6cm、子持枠(4.5×4.8cm)の中の文字と翼と脚を拡げ羽を銜えた鳳凰は同じ。 3頁「目 次」は組み直されているが同じレイアウト、下部に半角…

開高健『裸の王様』の文庫本(1)

・角川文庫1928『裸の王様・流亡記』(1) 【三十一版】昭和三十五年五月十日初版発行・昭和六十一年九月二十日三十一版発行(258頁)定価340円裸の王様・流亡記 (角川文庫)作者: 開高健出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1960/05メディア: 文庫この商品を含…

北杜夫『どくとるマンボウ回想記』(1)

単行本と文庫版の書影は7月29日付「北杜夫『楡家の人びと』(09)」に貼って置いた。他に朗読CDがあるが未見。 ・オーディオブックCD [オーディオブックCD] 北杜夫 著 「どくとるマンボウ回想記」(CD4枚)作者: 北杜夫出版社/メーカー: ことのは出版発売日: 2…

Robert Louis Stevenson “The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde”(3)

・新潮文庫1759『ジーキル博士とハイド氏』(3) 7月24日付(1)の一覧には追加したが、その後②五十四刷と五十九刷を見て、①四十二刷・②四十六刷・四十七刷と5冊を並べて見た。 四十二刷・四十六刷・四十七刷については7月26日付(2)にも述べたので、こ…