瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

山中恒『なんだかへんて子』(2)

・大林宣彦監督『さびしんぼう』 昭和60年(1985)4月13日(土)公開。未見。サウンドトラックCDを聴き、シナリオ写真集を見た。――公開当時私は中学生で、映画を見に行く趣味も金もなく、この映画のことも知らなかった。2015年12月22日付「Géza von Bolváry …

祖川孝 訳『ランボオの手紙』(1)

・角川文庫101(1) ①昭和二十六年九月十五日初版発行(206頁) ・平成元年十一月十五日十五版発行 定価388円ランボオの手紙 (角川文庫)作者: A.ランボオ,祖川孝出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1951/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 3回この商品を…

山中恒『なんだかへんて子』(1)

まづ諸本を挙げて置く。細かい点は追って記述することにするが、差当り気になったところをメモして置いた。 ・新選創作どうわ 10『なんだかへんて子』(偕成社・153頁・A5判上製本) ・1975年12月 1刷・1980年3月 11刷*1 ・1975年12月 1刷・1982年8月 15…

昭和50年代前半の記憶(5)

当時――昭和50年(1975)7月から小学2年生の昭和55年(1980)3月まで、スポーツと云えば野球だった。『キャプテン翼』はまだなかった。尤も、当時私が過ごしていた場所はサッカーが盛んだったので、私もそういうチームに入ってお遊びみたいな試合をした記憶が…

昭和50年代前半の記憶(4)

話が脇道に逸れた。しかしこんなことを何となく覚えているのも、その後の私に異性から惜しまれた経験がないからで、それに昭和50年代の小学生は男女が仲良くしないのが常識(?)で、その後、幼馴染がおらず思春期にそういう話をする友人が周囲にいなかった…

昭和50年代前半の記憶(3)

庭の梅の木から実が落ちるようになって、昨日今日は小粒の実が200粒ほど落ちていた。拾って水洗いして虫が入っていない実を硝子瓶で蜂蜜漬けにするのである。で、今日は朝、拾う余裕がなく、帰ってまだ明るかったので盥に拾い集めて、真っ直ぐ生えない梅の幹…

昭和50年代前半の記憶(2)

数日前、ある本についての記事に、ふと思い付いて「約40年前の記憶」を書き付けているうちに長くなって、昨日、本から切り離して独立の記事にした。けれども小学2年生までを過ごした土地のことなので、何の広がりもない全くの身辺雑記に過ぎない。それから、…

昭和50年代前半の記憶(1)

私は父の転勤に従って3つの小学校に通ったのだが、初めの2年間通った小学校の頃、いろいろと世間を理解し始めて、それが世間とはこういうもんだという一種の刷込みになったのである。 小学校は踏切を越えて中学校の脇の坂をさらに上り続けた山の中腹にあった…

チェーホフの文庫本(3)

・岩波文庫6609-6610『退屈な話・六号病室』湯浅芳子訳*1 ・昭和三八年八月一六日第一刷発行©(184頁) ・昭和四八年八月三〇日第一〇刷発行 定価★★ ・岩波文庫32-622-6『退屈な話・六号病室』湯浅芳子訳(1) ・1963年8月16日第1刷発行©(184頁) ・1976…

松本清張『鬼畜』(11)

昨日の続きで、桂千穂+編集部「松本清張映像作品 サスペンスと感動の秘密(メディアックスMOOK448)」から、映画「鬼畜」の助監督松原信吾(1947生)に対するインタビューの、3節めの2段落め(065頁中段4〜20行め)を見て置こう。 余談ですけど、/当時…

松本清張『鬼畜』(10)

5月16日付(08)に誤解があったのを修正した。 * * * * * * * * * * 昨日からの、桂千穂+編集部「松本清張映像作品 サスペンスと感動の秘密(メディアックスMOOK448)」の映画「鬼畜」に関するインタビューについての続き。 063〜065頁「監督…

松本清張『鬼畜』(09)

5月16日付(08)の続き。 それでは桂千穂+編集部「松本清張映像作品 サスペンスと感動の秘密(メディアックスMOOK448)」のインタビューから、映画『鬼畜』の解釈に関する発言を見て置こう。 056〜059頁「撮影監督・川又繡インタビュー」は「「3人の子…

山中恒『おれがあいつであいつがおれで』(3)

・角川文庫14698 ・平成十九年五月二十五日初版発行(214頁)定価476円 ・平成二十年七月二十日三版発行 定価476円*1 おれがあいつであいつがおれで (角川文庫)作者: 山中恒出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/05/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 4…

山中恒『おれがあいつであいつがおれで』(2)

昨日の続き。 ・TVドラマ「放課後」ボクたちのドラマシリーズ 放課後 [VHS]出版社/メーカー: フジテレビジョン発売日: 1993/04/21メディア: VHSこの商品を含むブログを見る 平成4年(1992)10月15日〜11月12日放映、全5回。未見。 この他にも何度かTVドラ…

山中恒『おれがあいつであいつがおれで』(1)

・旺文社創作児童文学(224頁・A5判上製本)*1 おれがあいつであいつがおれで (旺文社創作児童文学)作者: 山中恒,長谷川集平出版社/メーカー: 旺文社発売日: 1980/06/20メディア: 単行本 クリック: 22回この商品を含むブログ (4件) を見る 奥付はカバー裏表…

松本清張『鬼畜』(08)

昨日の続き。 本書は「松本清張映像作品」と題しているが、5月1日付(05)に紹介した背表紙下部や表紙上部の文言に「映画の創り手たちが語る松本清張映画化作品の全て」とあるように映画がメインで、テレビドラマ化しかされていない作品は取り上げられていな…

松本清張『鬼畜』(7)

・映画(7)野村芳太郎監督 昨日の続きで、桂千穂+編集部「松本清張映像作品 サスペンスと感動の秘密(メディアックスMOOK448)」の、映画『鬼畜』に関する内容を見て行こう。 まず、052頁のタイトルの右の枠にゴシック体で、 【作品紹介・桂千穂】ラス…

松本清張『鬼畜』(6)

・映画(6)野村芳太郎監督 5月1日付(5)の続きで、桂千穂+編集部「松本清張映像作品 サスペンスと感動の秘密(メディアックスMOOK448)」の『鬼畜』に関する箇所の細目を見て置こう。007〜120頁、第一章「野村芳太郎作品」8作品のうち、年代順で5番…

芥川龍之介『杜子春』の文庫本(5)

・新潮文庫1806『蜘蛛の糸・杜子春』(5) 2014年5月14日付(4)の続き。 2014年3月27日付(1)に2015年11月5日に追加した②八十一刷は、南伸坊(1947.6.30生)装幀だったと記憶するのだが、今手許にある②八十一刷に掛かっているカバーは、南氏装幀ではな…

筒井康隆『時をかける少女』(08)

・角川文庫14269(1) 2015年4月6日付(01)に追加分も含め、現在までに取り上げた改版初版と改版十八版・改版二十一版・改版二十七版・改版三十二版を、比較して見た。 カバー表紙は同じ*1。 カバー背表紙、改版初版*2は最上部にQRコード「|つ|2-7|Y438|筒…

赤いマント(149)

・北区史編纂調査会 編集『北区史 資料編 現代別冊/新聞記事目録』(2) 昨日の続きで、「解説」1頁め20〜25行め、「國民新聞」に関する段落を抜いて置こう。 ②『国民新聞』の記事を収録したのは、日常生活のなかに「戦争」が入り込んできた時期の市制や/…

赤いマント(148)

赤マントの噂は昭和14年(1939)2月中旬に、当時の東京市瀧野川區、現在の東京都北区の飛鳥山辺りから広まったらしいのだが、その地元である北区の郷土資料を見ても、なかなかそれらしい記述が見当らない。漸く先月、次の本を探し当てた。――探し方が悪くて、…

赤いマント(147)

鞠村奈緒(元宝塚歌劇団星組、65期生、11.13生)吉池悟(事務局代表、1960.12.1生)の文・写真・検証・取材に拠る、戦前を中心とするWeb Magagine「昭和からの贈りもの」の「昭和14年の出来事 1939」(2015.7.20up)に赤マントの記述があることに気付きまし…

松谷みよ子『あの世からのことづて』(2)

4月16日付(1)に文庫版の消費税導入前後のカバーを比較したが、今回は単行本の第一刷・第七刷・第八刷を比較して見る。 カバー表紙及び裏表紙は同じ桃色の7行罫紙で、1行は17.5×1.6cm。 カバー表紙、2行め上部に楷書体で灰色で「松谷みよ子」とあるが、第…

壺井栄『二十四の瞳』の文庫本(12)

・角川文庫14733(4) 角川文庫は、新潮文庫が増刷を「十八刷」と表示するのと違って、「十八版」としている。新潮文庫は改版すると「十九刷改版」として、以後の増刷に初刷「発行日」とこの「十九刷改版」の日付を表示し続ける。常にどの時点での改版の増…

幽霊弁士(3)

昨日の続きで、怪異の内容を並べて見よう。 【A】東雅夫編『昭和の怪談実話ヴィンテージ・コレクション(幽クラシックス)』035頁下段15行め〜036頁上段12行め、「一晩中、「椿姫」のことを口にしていた」佐川は翌朝、冷たくなって発見されるのだが、 その夜…

幽霊弁士(2)

5月2日付(1)の続きで、それぞれの違いを見て行くこととしよう。 まず、舞台となった場所と、幽霊になった弁士の名前を見るに、以下の通り。 【A】名古屋の今春館、佐川秋水 【B】京都、ある説明者 【C】不明、鶯清次郎 鶯清次郎について何か資料が得ら…

チェーホフの文庫本(2)

・岩波文庫32-622-3『可愛い女・犬を連れた奥さん 他一篇』神西清 訳(2) 4月23日付(1)の続きで、改版前の第38刷・第42刷・第45刷・第53刷の比較の、本体について。 122頁まで一致。 奥付の文字は全て明朝体。 第38刷・第42刷・第45刷のレイアウトはほぼ…

草輕電氣鐵道(2)

4月9日付(1)の続き。 なお、ネットで「鶴溜」を検索したところ、内田康夫(1934.11.15生)の『死線上のアリア』がヒットした。 ・角川文庫11415(平成十二年三月二十五日初版発行・定価533円・301頁)死線上のアリア (角川文庫)作者: 内田康夫出版社/メー…

幽霊弁士(1)

2015年7月8日付「正岡容『艶色落語講談鑑賞』(14)」に引いた、正岡容「芸苑怪異談集粋」に載る、――無声映画の弁士が、病気のため解説を念願していた『椿姫』の初日に死んでしまう。その日『椿姫』の上映が始まるや、怪異が発生する、と云う話には、見覚え…