瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

小林信彦『回想の江戸川乱歩』(3)

昨日の続きでカバーについて。 単行本のカバー表紙は、上半分に顎に左手を当てる江戸川氏の写真を使用したデザインで、同じデザインは扉にも縮小し色遣いを変えて使用されている。左上に明朝体縦組みで「小林信彦」、中央右から下部に明朝体太字横組みで「 …

小林信彦『回想の江戸川乱歩』(2)

昨日の続きで、今回はそれぞれの本の宣伝文句を見て置く。 単行本の書影はAmazonでは表示されないが、画像検索で幾つかヒットする。帯の背表紙側には「若き日に接した /江戸川乱歩の素顔」とあり、帯の表紙側には横組みで、 弟・泰彦との初の対話 エッセイと…

小林信彦『回想の江戸川乱歩』(1)

探偵小説は殆ど読まないのだが、昨年、偶々山本禾太郎(1889.2.28〜1951.3.16)に興味を持って、いろいろ周辺も調べ――と云うほどではないが、何冊か参考になりそうな本を読み(それはまた別に記事にする)久々に長編小説にも手を伸ばして――蒼井雄「船富家の…

小沢昭一『芸人の肖像』(2)

昨日の続き。 カバー表紙の写真は051頁の犬を、別に撮したもの。 カバー表紙折返しの写真は054頁の縮小、カバー裏表紙折返しの写真は070頁の写真の一部を縮小。 1頁(頁付なし)扉、右上は077頁、右下は184頁、左上は165頁の写真の一部を縮小。左下の写真は1…

小沢昭一『芸人の肖像』(1)

・ちくま新書996(二〇一三年二月一〇日第一刷発行・定価900円・筑摩書房・217頁)芸人の肖像 (ちくま新書)作者: 小沢昭一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/02/01メディア: 新書この商品を含むブログ (7件) を見る 2015年5月28日付「河本正義『覗き眼…

山岸凉子『メタモルフォシス伝』(3)

昨日の続き。 秋田文庫版11頁(頁付なし)1コマめ、上部に長方形の枠があって横組みで「第1章 クネッ! *1」とあるのだが、第2章以下は見当たらない。連載時には第2章以下の章立てもあったのか、途中で章立てを止めたのに単行本に纏める際に「第1章」を…

山岸凉子『メタモルフォシス伝』(2)

ここに描かれる高校生活は、私の高校とは全くレベルが違うけれども、雰囲気は今の高校よりも余程近い。 【6月26日追記】この高校のレベルについては、秋田文庫版12頁7コマめ、新田忍の台詞に「すくなくとも偏差値70の我が校*1」云々とあり、小口側欄外下部に…

山岸凉子『メタモルフォシス伝』(1)

初刊本(花とゆめCOMICS)は、2015年7月21日付「山岸凉子『妖精王』(11)」の【8月11日追記】に述べたように、余裕があれば現物を借りに行くところだったのだが、当時いろいろと慌ただしかったために機会を逸してしまった。関東の公共図書館では、東…

横溝正史『金田一耕助の冒険』(2)

前回、6月9日付(1)で問題にした横溝正史出演シーンについて、監督の大林宣彦の記述を見た。 それから、前回未見であった角川文庫19611『角川映画 1976-1986[増補版]』を見た。そこで文庫版から問題の記述を改めて抜いて置こう。115〜150頁「第四章 『復…

山岸凉子『自選作品集』(07)

・文春文庫ビジュアル版(7) 前回の続きで、同じ『タイムスリップ』に収録される短篇「コスモス」をMF文庫版と比較して見た。 「コスモス」 文春文庫『タイムスリップ 自選作品集』49〜89頁 MF文庫『パイド・パイパー』53〜93頁 ・1頁め(頁付なし)扉 …

山岸凉子『自選作品集』(06)

・文春文庫ビジュアル版(6) 『タイムスリップ』の表題作は、2015年5月23日付「山岸凉子『ゆうれい談』(1)」に取り上げたMF文庫『ゆうれい談』にも収録されている。そこで両者を比較して見た。 「タイムスリップ」 文春文庫『タイムスリップ 自選作品…

山中恒『なんだかへんて子』(07)

・偕成社文庫2082(1) 2刷は未見だが初版第1刷を2冊、3刷を3冊見た。 初版第1刷は厚さが1.6cmあるが、3刷は1.2cmである。初版第1刷の本文用紙はアドニスラフで30年以上経た現在、藁半紙のような色になっている。3刷は上質紙で白くて滑らかで薄い。但し裏写…

山中恒『なんだかへんて子』(06)

15刷(新選創作どうわ10)と20刷(山中恒みんなの童話3)のカバーを比較して見る。 但し折返しについては、私の見た新選創作どうわ10(15刷)では切除されており、比較の対象がないので今回はメモを省略する。いづれ折返しを保存した本を見て補いたいと思う…

山中恒『なんだかへんて子』(5)

5月29日付(1)の時点では山中恒みんなの童話3は20刷と21刷を見ただけであったが、その後、18刷も見た。21刷と比較するに、カバーは一致、本体の異同は奥付の発行年月「1985年2月 18刷」のみである。 6月11日付(4)の続きで、奥付について。 奥付は明朝…

吉田秋生『海街diary』(1)

・flowers comics(fsc-025)海街diary1 『蟬時雨のやむ頃』 海街diary 1 蝉時雨のやむ頃作者: 吉田秋生出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/04/26メディア: コミック購入: 26人 クリック: 297回この商品を含むブログ (442件) を見る・2007年5月1日初版第…

筒井康隆『時をかける少女』(10)

・角川文庫3637(5) 昨日の続きで、五十一版の本体についてメモして置く。 1頁(頁付なし)扉の子持枠(4.4×4.8cm)には羽を銜え翼と脚を拡げた鳳凰。以下は226頁の著者の紹介まで、2月3日付(6)及び2月4日付(7)に示した六十二版に一致する(ようだ)…

筒井康隆『時をかける少女』(09)

・角川文庫3637(4) 五十一版を見た。まずカバーについて、2月2日付(5)に示した六十二版のカバーのメモとも比較しつつ、記述して見る。 カバー表紙、左上に青緑色の長方形に「時をかける少女 / 筒井康隆」標題は縦長の明朝体の斜体で薄い橙色、著者名…

壺井栄『二十四の瞳』の文庫本(14)

・フォア文庫C018(2) 昨日取り上げたフォア文庫『二十四の瞳』のもとになったのは、次の子供向けの文学全集である。 ・日本の文学 2(金の星社・286頁・四六判上製本) ・初版発行/1973年4月© ・第27刷発行/1987年6月・定価680円 ・第36刷発行/1994…

壺井栄『二十四の瞳』の文庫本(13)

児童書の「文庫」は、文庫判ではないのだけれども、別に『二十四の瞳』を纏めるのも変なので「文庫本」に含めて置く。 ・フォア文庫C018(1) ・1980年2月 第1刷発行(308頁)二十四の瞳 (フォア文庫 C)作者: 壷井栄,武部本一郎出版社/メーカー: 金の星社…

山中恒『なんだかへんて子』(4)

昨日の続きで、15刷(新選創作どうわ10)と20刷(山中恒みんなの童話3)の本体の比較。 7頁(頁付なし)、新選創作どうわ10はアート紙で、橙色の背景に、上部に黄色のセーターに茶色の長ズボンのへんて子の頭のてっぺんを殴る、青のジャンパー(?)に深緑の…

山中恒『なんだかへんて子』(3)

5月29日付(1)の続き。 15刷(新選創作どうわ10)と20刷(山中恒みんなの童話3)を比較して見る。 なお、20刷と21刷のカバーは一致、本体の異同は奥付の発行年月「1985年5月 20刷」「1986年1月 21刷」のみである。 本体、見返しは黄色で遊び紙の裏面は白…

横溝正史『金田一耕助の冒険』(1)

角川映画は劇場公開時に縁がなく、親の好みではなかったのでテレビでの放送もあまり見ていない。最近、図書館でDVDを借りて、何作か見た。 それで、次の本もやはり図書館で見掛けて、借りて来た。文庫版は未見。*1 ・中川右介『角川映画 1976-1986 日本を変…

山中恒『おれがあいつであいつがおれで』(7)

・旺文社創作児童文学(4)目録 昨日の続きで、最後の頁である224頁(頁付なし)の目録について。 【1984】【1987】【1988】【1992】は2段組みで、横線3本で仕切られ中央は実線、上下は飾り線である*1。 【1984】の横線(10.7cm)の飾り線は、UとVを組み…

山中恒『おれがあいつであいつがおれで』(6)

・旺文社創作児童文学(3)書誌情報その他 5月17日付(1)に列挙して置いたように、カバーと本体は必ずしも同時期のものが組み合わされている訳ではない。そこでカバーと本体は別個にメモすることにした。昨日までにカバーについては一通りメモを済ませた…

山中恒『おれがあいつであいつがおれで』(5)

・旺文社創作児童文学(2)カバー 6月3日付(4)の続きで、1986年重版・1987年重版・1988年重版・1992年重版・2006年重版のカバーの比較。 カバー表紙折返し、1986年重版・1987年重版・1988年重版・1992年重版には上部に明朝体縦組みで、 おれの名前は斉藤…

横溝正史『犬神家の一族』(1)

昨日書いたことどもは、三本足のサリーちゃんに関する記事「松葉杖・セーラー服・お面・鬘」に、息抜きとして付け足そうか、くらいに思っていて、別に『さよならドビュッシー』と題する記事にしようとは思っていなかった。だから映画版を見てから1ヶ月、TVド…

中山七里『さよならドビュッシー』(1)

私は推理小説が苦手である。松本清張のように初めから、或いは途中で犯人の見当が付いてしまっても、アリバイ崩しで引っ張るのならともかく、犯人が誰かで引っ張るような組み立てになっていると、しばしば途中で別人が犯人であるかのように*1わざとらしく仕…

山中恒『おれがあいつであいつがおれで』(4)

・旺文社創作児童文学(1)カバー それでは私の見た、1986年重版・1987年重版・1988年重版・1992年重版・2006年重版のカバーを比較して見よう。5月17日付(1)に挙げたように、本体とは別にカバー裏表紙折返しにある奥付に入っている重版発行年である。 そ…

Giuseppe Tomasi Di Lampedusa “Il Gattopardo”(1)

・映画 Luchino Visconti監督*1。山猫 イタリア語・完全復元版 [DVD]出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2005/06/25メディア: DVD クリック: 48回この商品を含むブログ (55件) を見る山猫 Blu-ray出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2011/06/25メディ…

中学時代のノート(1)

私は争い事が嫌いで、タダでも出来るようなスポーツに法外な金を投じる神経もよく分からないので、戦争なども馬鹿馬鹿しいと思っていて、どれだけ貴重な文化遺産や伝統が、戦争によって失われたか、それを考えると破壊を目的とする軍事費も馬鹿馬鹿しいと思…