瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

関西テレビ『学校の怪談』(1)

昨日の続き。――準備段階では「「ヒカルさん」の絵(09)」と題していましたが、これからしばらく“閉じ込められた女子学生”について述べて直接「ヒカルさん」の絵と関連する訳ではないので、題を改めました。「ヒカルさん」の絵のまま続けようかとも思ったの…

「ヒカルさん」の絵(08)

・近藤雅樹『霊感少女論』(8) 「奇跡体験!アンビリバボー」放映直後の松山大学(の学生)の反応、そしてその後現在までどのような展開を示しているのか、興味のあるところですが、私は松山には行ったことがなく知合いもいないので、そういう興味を満たす…

「ヒカルさん」の絵(07)

・近藤雅樹『霊感少女論』(7) 近藤氏は「「ヒカルさん」の絵」の節に続く「「七不思議」の秘密」の節に、「松大七不思議」を継承し続けている学生たちの意識を問題にして、何人かの見解を引用していますが、その中で9月25日付(04)に触れた国本さん(仮…

「ヒカルさん」の絵(06)

・近藤雅樹『霊感少女論』(6) ここまでに挙がっていたレポートは絵の存在【場所】と怪異【現象】について、述べたもので【原因】については、あまり明確な説明はありませんでした。真偽は確認出来ませんでしたが、加藤会館に戦争中、死体安置所であった部…

「ヒカルさん」の絵(05)

・近藤雅樹『霊感少女論』(5) 次いで「成長してい」った例として2人の学生のレポートを挙げています。これは箇条書きではなく引用して置きましょう。 1つめ(177頁4〜13行め)、 二年前まであった加藤会館は、一階に生協、二階に自治会が入っていた。地階…

「ヒカルさん」の絵(4)

・近藤雅樹『霊感少女論』(4) 近藤氏は続いて、175頁5〜6行め「‥‥。この怪談は、加藤会館が取り壊され、絵が撤去された後も、しばらくのあいだは、実際/に絵を見ていた先輩たちから、新入生たちに語りつがれていた。」として、175頁7行め〜176頁11行めに…

「ヒカルさん」の絵(3)

・近藤雅樹『霊感少女論』(3) 近藤氏の挙げている学生レポートの内容を見て置きましょう。私は、下手な要約によって内容の伝達に支障を来す場合が多々あることから、出来るだけ原文を抜いて置くことにしているのですが、ここでは現象と場所・原因の3項に…

「ヒカルさん」の絵(2)

・近藤雅樹『霊感少女論』(2) 2014年9月30日付(1)の続き。 この「「ヒカルさん」の絵」と云う話は、2014年4月10日付「赤いマント(130)」に触れたように、近藤雅樹『霊感少女論』155〜187頁「第六話 変貌する怪談」に取り上げられた、愛媛県の松山大…

林家彦六『正蔵世相談義』(1)

・一九八二年十二月十日初版発行・定価1500円・一声社・228頁・四六判上製本 八代目林家正蔵改め林家彦六(1895.5.16〜1982.1.29)の没後に、標題の連載を中心に纏めたもの。本書の由来は226〜228頁、谷口幸璽「『正蔵世相談義』のこと」に、説明されている…

本多猪四郎監督「ガス人間第一号」(1)

昭和35年(1960)12月11日公開。ガス人間第1号 [DVD]発売日: 2002/01/25メディア: DVDガス人間第1号 [レンタル落ち]メディア: DVDガス人間第1号 [DVD]発売日: 2007/02/23メディア: DVD隔週刊 東宝特撮映画DVDコレクション(12) ガス人間第一号 (隔週刊 …

森まゆみ『風々院風々風々居士』(2)

以下しばらく、気が附いたところを挙げて見る。あっちに飛びこっちに飛びしている話の一部分なので、本当はもっと前後を引きたいのだけれども、際限がないので必要最小限に止めたつもりである。原本を参照されたい。 ・単行本41頁14行め〜42頁8行め、 山田 …

森まゆみ『風々院風々風々居士』(1)

本書については、9月6日付「山田風太郎『戦中派虫けら日記』(6)」及び9月7日付「山田風太郎『戦中派虫けら日記』(7)」に取り上げた。 今回は「山田風太郎見参逐語録」以外のインタビューについて、197〜199頁「あとがき/風のように逝かれた」を参照し…

山岸涼子『ケサラン・パサラン』(3)

8月25日付(1)に引いた、カバー表紙折返しの紹介文にあるように、この漫画の主人公は「イラストレーター星由良子」と云うことになっているのだけれども、Amazonレビューその他でも指摘されているように、全てではないにしても相当部分が作者本人の体験を元…

山岸凉子『イシス』(2)

・潮漫画文庫『イシス』(2) 昨日の続きで本体について。 私の見た本は1頁(頁付なし)扉が、カバー表紙折返しに挟まれて、そのままブックコートフィルムを掛けられている。 ・3頁(頁付なし)中扉、黒地で右下部に豹の毛皮をまとった女性の、鼻から太腿辺…

山岸凉子『イシス』(1)

・潮漫画文庫『イシス』 ・二〇〇三年五月二五日第一刷発行(253頁) ・二〇〇四年十月二五日第三刷発行 定価571円 ・二〇〇九年九月二十五日第七刷発行 定価571円*1 書影は2015年3月5日付「山岸凉子『ツタンカーメン』(06)」に貼付した。 潮漫画文庫版『…

赤いマント(153)

小沢信男「わたしの赤マント」が、初出時には赤マントの流言の時期を、加太こうじ『紙芝居昭和史』の記憶違いに従って昭和15年(1940)としていたのを、単行本『東京百景』再録に際して昭和14年(1939)と訂正したのは、大宅壮一「「赤マント」社会学」に気…

山中恒『なんだかへんて子』(14)

・偕成社文庫2082(6) 7月14日付(12)の続き。 3刷と4刷を比較して見た。 大きな違いは、6月19日付(07)に指摘したように、3刷は厚さが1.2cmだが、4刷は初版第1刷と同じ1.6cmに戻っている。用紙は白い上質紙である。どうやら、3刷で白い上質紙に切…

山田風太郎『戦中派不戦日記』(3)

昨日の続き。 * * * * * * * * * * そこのところを、山田氏は押さえている。――9月24日条に以下のように手紙を引用している。講談社文庫(541頁)版(405頁10行め〜406頁9行め)の改行位置を「/」で、角川文庫版(446頁4行め〜447頁4行め)の改行…

山田風太郎『戦中派不戦日記』(2)

・角川文庫16507 山田風太郎ベストコレクション戦中派不戦日記 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)作者: 山田風太郎出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/10/23メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブ…

山田風太郎『戦中派不戦日記』(1)

この記事は2012年8月21日から2013年4月9日に掛けて書きかけていたのだが、そのまま3年以上放置していた。今回『戦中派虫けら日記』を取り上げたついでに、「山田風太郎『戦中派不戦日記』の文庫本(1)」となっていた題から「の文庫本」を削り、文章の配列…

山田風太郎『戦中派虫けら日記』(10)

・別冊太陽 日本のこころ 198「山田風太郎」(3) それでは昨日、図版から翻刻した日記原本の昭和17年(1942)3月29日条と30日条のそれぞれ一部を、活字本『戦中派虫けら日記』と比較して見よう。 大和書房版は未見、「/」は未知谷版(131頁上段16行め〜13…

山田風太郎『戦中派虫けら日記』(9)

・別冊太陽 日本のこころ 198「山田風太郎」(2) 昨日の続きで、59頁下段左側に掲出される、日記原本の見開きのカラー図版を見て置こう。キャプションには、「1943(昭和18)年3月30日の日付がある日記。会社(沖電気)に勤務しながら、小説を書こう…

山田風太郎『戦中派虫けら日記』(8)

昨日の続き。 日記原本は公開されていないようだが、何頁かが図版として掲載されたことはある。 ・別冊太陽 日本のこころ 198「山田風太郎」 2012年8月25日初版第1刷発行・平凡社・定価2400円・159頁・A4判並製本山田風太郎 (別冊太陽 日本のこころ)作者: 別…

山田風太郎『戦中派虫けら日記』(7)

昨日の続きで、森まゆみ『風々院風々風々居士』について。 さて、掲載誌を見た山田氏から「も少し手を入れ」よ、との葉書をもらった森氏だが、坪内祐三(1958.5.8生)に、「あとがき/風のように逝かれた」198頁1〜2行め「この逐語録というのがい/い、整理…

山田風太郎『戦中派虫けら日記』(6)

昨日触れた「鳩よ! 」と云う雑誌には、大学時代の友人(と云うほど親しくもなかったが)にまつわる、一寸とした思い出があるのだけれども、これは当人が書くべきだと思うから書かないで置く。――私と「鳩よ! 」には、残念ながら何の関係もありません。 * …

山田風太郎『戦中派虫けら日記』(5)

さて、8月19日付(1)にも述べたように私が未知谷版を読んだのは20年も前になる。そのとき、誤植と思われる疑問箇所が少なからず目に付いたのだが、その後あまり間を置かずに次の本を読んで、事情を何となく理解した。 ・関川夏央『戦中派天才老人・山田風太…

淡谷のり子『酒・うた・男』(2)

昨日の続きで、初刊本についてメモして置こう。 ①『酒・うた・男 わが放浪の記』春陽堂書店版 カバーはなく表紙は白地。表紙の中央やや上に黒の太ペン字の横書きで標題/著者名/やや小さく副題。背表紙も同じ太ペン字の縦書きで標題、著者名、下部に明朝体…

淡谷のり子『酒・うた・男』(1)

8月16日付「淡谷のり子「私の幽霊ブルース」考証(1)」に指摘した、淡谷氏が昭和30年代前半に書いた自伝を見て置こう。 この自伝には、以下の4つの版があるようだ。 ①『酒・うた・男 わが放浪の記』 春陽堂書店・244頁・B6判上製本 ・昭和32年10月3日 第…

宮澤賢治の文庫本(21)

・角川文庫7381『風の又三郎』(5) 7月17日付(12)の続きで、改訂新版(198頁)となる以前の、奥付の発行日の1行めが「昭和六十三年十二月十日初版発行」となっている168頁の版を3冊並べて見た。 【初版】昭和六十三年十二月十日初版発行・定価260円 【十…

山岸涼子『ケサラン・パサラン』(2)

8月25日付(1)の続きで、本体について『1』と『2』を対比しつつメモして置く。 1頁(頁付なし)扉。『1』は肌にぴったり付いた服を着て黒眼鏡に黒手袋でキメた主人公のイラスト。『2』は方位盤を背景に、襷掛けする主人公のイラスト。 2頁(頁付なし)…