瑣事加減

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2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(34)

・戸田学『上方落語の戦後史』(4) 昭和30年(1955)春の、正岡氏の宝塚若手落語会訪問について、豊田善敬・戸田学 編『桂米朝座談2』と戸田学『上方落語の戦後史』の記述の齟齬について。 『桂米朝座談2』は晩年であるが正岡氏の応対をした桂米朝本人の…

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(33)

・戸田学『上方落語の戦後史』(3) 昨日の続きで、昭和30年(1955)春に正岡氏が宝塚若手落語会を訪ねた折のことを述べた戸田学『上方落語の戦後史』と、桂米朝の『桂米朝座談2』のための対談での回想との齟齬について。 『桂米朝座談2』は、正岡氏の弟…

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(32)

・戸田学『上方落語の戦後史』(2) 昨日の続きで、戸田学『上方落語の戦後史』の、正岡氏の宝塚訪問の折の記述を見て置こう。 これは、135〜192頁「第三章 凋落期(昭和二十五年〜三十一年)」の15節中11節め、180頁16行め〜184頁2行め「桂小文枝誕生」に添…

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(31)

昭和30年(1955)春、正岡氏が宝塚若手落語会を見に来た折のことは、2月17日付(24)に引いた、本書の続編に当たる『風流艷色寄席』の記述*1、そして2月20日付(27)に引いた『桂米朝座談2』のために新収録された桂米朝(1925.11.6〜2015.3.19)の、大西信…

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(30)

2月22日付(29)の続きで、正岡氏と大阪との関わりについて、『艷色落語講談研究』の「上方落語/島 め ぐ り*1」の末尾、46頁1〜14行めを抜き出して置こう。 「君は文団治と知ってるの」とその晩、富貴の棧敷で吉井師から訊かれたとき、「いゝえ」と簡単/…

宇井無愁の上方落語研究(08)

宇井氏の上方落語関連書も左程読めていないのだが、2月16日付「正岡容『艶色落語講談鑑賞』(23)」に取り上げた『桂米朝集成』全四巻、2月19日付「正岡容『艶色落語講談鑑賞』(26)」に取り上げた*1『桂米朝座談』全二巻を豊田善敬(1954.5.5生)と編集し…

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(29)

・豊田善敬・戸田学 編『桂米朝座談』(4) 2月20日付(27)に引いた桂米朝の、昭和30年(1955)春、宝塚若手落語会を見に来た正岡氏についての回想の最後、東京出身の正岡氏が「あッ、タダなんか……」と言ったことになっているが、これについては2月18日付…

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(28)

・豊田善敬・戸田学 編『桂米朝座談』(3) 正岡容『艶色落語講談鑑賞』執筆に際し、桂米朝が協力したことは『1』に収録されている落語速記、173〜193頁、四「島巡り」、173頁は扉、中央に明朝体縦組み「四 島 巡 り 桂 米朝」、175〜192頁に2段組で本文、…

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(27)

・豊田善敬・戸田学 編『桂米朝座談』(2) 正岡容については、『1』47〜113頁「二 わが師を語る」の前半(49〜90頁)「鼎談 師正岡容を語る」は、2015年6月29日付(05)に紹介した『正岡 容集覧』の「解説鼎談」の再録である。 そして『2』には巻頭、1〜…

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(26)

2月16日付(23)に紹介した豊田善敬・戸田学『桂米朝集成』全四巻(岩波書店・四六判上製本)に続いて、次の2冊が刊行された。 ・豊田善敬・戸田学 編『桂米朝座談』全二巻(岩波書店・四六判上製本) 『1』 2005年12月14日 第1刷発行・222頁桂米朝座談〈1…

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(25)

・豊田善敬・戸田学 編『桂米朝集成』(3) 一昨日からの続き。――『【第四巻】師・友・門人』の巻末「初出一覧」459頁7行めに、 資料 艷色落語 紀州飛脚 『名作鑑賞・風流艷色寄席』あまとりあ社、昭和三〇年八月五日発行 とある。風流艶色寄席:名作鑑賞作者…

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(24)

・豊田善敬・戸田学 編『桂米朝集成』(2) このシリーズは、新聞・雑誌・パンフレット等に発表して単行本には収録されていなかった文章や対談を集成したものだが、中には纏まった記述のない事項に関して、編者が準備して聞き手を務めた〈新収録〉の対談・…

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(23)

2015年8月7日付(22)に、初出の雑誌「あまとりあ」での掲載順を示し、連載の続きに単行本『艷色落語講談鑑賞』に収録されていないものが4話あることに注意して置いた。 今年度、私は十数年振りに下り電車に乗って通勤することになったので、なかなか都内に…

宇井無愁の上方落語研究(7)

・角川選書11『日本人の笑い』(6) 2月12日付(5)の続きで、六版の奥付について見て置こう。 3版と違って縦組みでやや左寄りで右の余白が広い。まづ縦線(13.7cm)の2本の間(0.7cm)最上部にやや小さく「角川選書――11」とあり、その左は上段が狭く下段…

松本清張『黒い福音』(2)

・新潮文庫1953(2) 2月2日付(1)の続きで、②四十刷・四十二刷・四十七刷・四十八刷の比較。 四十二刷・四十七刷・四十八刷のカバーは一致。以下、カバーについては四十刷と四十二刷を比較して見る。 カバー表紙・背表紙は一致。 カバー表紙折返し、上部…

宇井無愁の上方落語研究(6)

・角川選書11『日本人の笑い』(5) 順序からすると前回の3版の奥付に続いて六版の奥付について詳述するべきであるが、3版の返却期限が来てしまったので、先に3版を最後まで、適宜六版と比較しつつ記述して置く。 奥付の裏に角川源義「この書物を愛する…

宇井無愁の上方落語研究(5)

・角川選書11『日本人の笑い』(4) 2月9日付(2)の続きで、3版と六版の本体の比較。 私の見た3版は、奥付の左上「49,9,/B区立M図書館」印に紙を貼付して隠して、別に「B区立/昭和 60,1,23/S図書館」印を捺す。昭和49年(1974)9月に購入し、…

宇井無愁の上方落語研究(4)

・角川選書11『日本人の笑い』(3) 宇井氏は作家なのだが、2月9日付(2)に引いた六版のカバー表紙の紹介文には「落語研究の第一人者」とある。この評価は決して過褒ではなかったと思うのだが、一般的でない上方落語を対象としている点、それから、特に原…

宇井無愁の上方落語研究(3)

・角川選書11『日本人の笑い』(2) 昨日の続きで、六版のカバーについて。 裏表紙には子持枠(縦16.8cm)が3つある。左の子持枠(横2.2cm)は表紙左側の紹介文と同じ大きさで、漢字はゴシック体、仮名と句読点は明朝体で、 笑いが武器だった時代には、人は…

宇井無愁の上方落語研究(2)

・角川選書11『日本人の笑い』(1) 今手許にある、3版と六版を比較して見る。 2017年12月31日付(1)に貼付した書影は3版に同じ。 六版のカバーは黄色地の、杉浦康平(1932.9.8生)の装幀である。巻末に目録が4頁あるのは3版に同じだが、その六版の目…

『こども妖怪・怪談新聞』(6)

昨日の続きで、「別冊家庭画報」の2冊『こども妖怪新聞』及び『こども怪談新聞 学校編』を1冊にまとめた『こども妖怪・怪談新聞』について。 頁付は下部小口側にゴシック体で全角よりはやや横幅の狭い算用数字で示されている。 2〜3頁「もくじ」はほぼ一致。…

『こども妖怪・怪談新聞』(5)

いよいよ本体について『こども妖怪・怪談新聞』を基準に、元になった「別冊家庭画報」の2冊『こども妖怪新聞』及び『こども怪談新聞 学校編』と比較して見る。――しかし、どうも入力の調子が悪く、先刻書き掛けていたのがフリーズしてしまって保存出来ないまま…

『こども妖怪・怪談新聞』(4)

昨日の続きで「別冊家庭画報」の『こども怪談新聞 学校編』と『こども妖怪新聞』の装幀、今回は見返しについて見て置く。 この2冊の見返しには、赤の単色刷でカルタのイラストがあり、これは『こども妖怪・怪談新聞』に紺色単色刷で引き継がれている。すなわ…

『こども妖怪・怪談新聞』(3)

昨日の続きで、「別冊家庭画報」の『こども怪談新聞 学校編』と『こども妖怪新聞』の、カバーについて。 今、私の手許にある『こども妖怪新聞』と『こども妖怪・怪談新聞』はカバー折返しが切除されている、そこで今回は『こども怪談新聞 学校編』のカバー折…

『こども妖怪・怪談新聞』(2)

私は、2013年12月28日付「赤いマント(68)」に述べたような理由で、水木しげるが苦手です。理由をもう少し付け加えるならば、――水木氏以前では鳥山石燕『画図百鬼夜行』が、妖怪画の原典みたいになっていますが、鳥山氏の妖怪画は、従来の伝統的な描き方か…

『こども妖怪・怪談新聞』(1)

・日本民話の会 監修『別冊家庭画報「こども怪談新聞」学校編』二〇〇〇年七月一〇日発行・定価1,200円・世界文化社・159頁・B5判並製本こども怪談新聞 (学校編) (別冊家庭画報)作者: 日本民話の会出版社/メーカー: 世界文化社発売日: 2000/07メディア: ムック…

松本清張『黒い福音』(1)

・新潮文庫1953(1) 黒い福音 (新潮文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1970/12/29メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (8件) を見る①昭和四十五年十二月二十五日発行(589頁) ・昭和六十三年二月十日二十九刷 定価560円 ②…

上方落語「三年酒」の原話(14)

・張華『博物志』の「千日酒」(2) 昨日の続きで、張華『博物志』卷十「雜說下」全14条のうち11条めに載る「千日酒」について、1月29日付(11)と同じ要領で変則的に書き下して見る。 昔、劉玄石、中山ノ酒家ニ於テ酒ヲ酤フ。酒家千日酒ヲ與フ。其の節度を…