瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2022-01-01から1年間の記事一覧

東京都八王子市『ふるさと八王子』(1)

・『ふるさと八王子』昭和55年1月・東京都八王子市・171頁・新書判並製本 初版と二版二刷(昭和55年2月15日)を並べて見た。 表紙・背表紙・裏表紙は全体に淡い灰色地で、表紙の上部から背表紙を経て裏表紙の左側(初版 2.5cm・二版 2.6cm)まで、子…

祖母の蔵書(47)日本語①

祖母は日本語に関する本も少なからず持っていた。古代史にも関心があったから日本語の由来、漢字との関わりについて述べた本もあり、そして自分が生まれ育った東京の言葉にも興味を持ち、江戸言葉の本も幾つか持っていた。尤も祖母が住んでいたのは十條や池…

鑓水の地名(6)

・八王子市老人クラブ連合会創立50周年記念誌『八王子・昭和の語り部』(2) 小泉茂「鑓水の地名の起こり」の続きで最後の4段落め(116頁右4~10行め)、 古くは裏山から湧き水を引き込んだ家が多か/ったが、今は水道の普及により、ただ一個所だ/け、…

鑓水の地名(5)

・八王子市老人クラブ連合会創立50周年記念誌『八王子・昭和の語り部』(1) さて、昨日見たようにこの本には鑓水弥生会の小泉茂によって鑓水の地名に関する寄稿が為されている。すなわち116頁左20~21行めの飾り枠にゴシック体左寄せで「鑓水の地名の起…

八王子市老人クラブ連合会創立50周年記念誌『八王子・昭和の語り部』(2)

昨日の続きで、本篇の「八王子・昭和の語り部」を見て行こう。 17頁(頁付なし)は扉、18頁「は じ め に」は、15頁の橋本晴重郎顧問と同様の趣旨説明がなされている。 そして19頁から左右2列に寄稿が支部ごと、クラブごとに並べられて行く。126~…

八王子市老人クラブ連合会創立50周年記念誌『八王子・昭和の語り部』(1)

・八王子市老人クラブ連合会創立50周年記念誌『八王子・昭和の語り部』平成25年(2013年)9月・八王子市老人クラブ連合会・170頁・A4判並製本 書名は背表紙及び17頁(頁付なし)扉に拠る。 表紙と裏表紙、それから1~8頁がカラー頁で写真に充て…

鑓水の地名(4)

小倉英明『私たちの郷土由木村』の「白水」は、鑓水の地名由来伝説らしいのですけれども、それとはっきり書いてある訳ではありません。 私の見たうちで、これを地名の由来に結び付けたのは10月18日付「小泉二三『思い出の鑓水』(1)」に内容を確認した地方…

鑓水の地名(3)

「槍の血を洗った水」から鑓水と云う地名が付いた、と云う説は既に定着しつつあるようです。 その元になったと思われる、「白水」もしくは「とぎ水」或いは「槍研ぎ水」の伝説(?)を、私は小倉英明『私たちの郷土由木村』の他にも3種の文献で見ておりまし…

鑓水の地名(2)

この、鑓水と云う地名は「槍(の血)を洗った水」に由来する、との説は江戸時代の地誌、例えば『新編武蔵風土記稿』や、或いは明治になってからの『皇国地誌』などには見えません。私はまだ余り多くの文献を漁っておりませんので一体何処まで遡れるのか、よ…

鑓水の地名(1)

鑓水と云う地名の由来については、槍に付いた血を水で洗ったからだ、とする説が横行(!)していて、当ブログでも2018年10月10日付「閉じ込められた女子学生(07)」に引いた2ch(5ch)のスレッド「大学にまつわる怖い話」の、2004年5月28日に書き込まれた「…

道了堂(108)

・小泉二三『思い出の鑓水』 昨日まで本書について確認して来たのは、もちろん道了堂の記述と写真があるからである。 写真については、10月18日付「小泉二三『思い出の鑓水』(1)」に見たように、まづ「絹の道と鎌倉街道と塩の道と」の19頁上に「道 了 様…

小泉二三『思い出の鑓水』(4)

・地方文化叢書1『思い出の鑓水』(4)筆者③ 鑓水尋常小学校のことは、15頁「あら屋敷」の中左の説明文に、2~10行め、 ‥‥。元御諏/訪様の跡地は古い小学校のあった/ところで私たちが学んだ学校であ/り二階の下の階段に牢屋があり悪/いことをすると夕…

小泉二三『思い出の鑓水』(3)

・地方文化叢書1『思い出の鑓水』(3)著者② 昨日触れた『ふるさと板木』84~86頁「はやしことば 板木谷戸名取抄」だが、無記名だが小泉栄一と思われる「わたし」の推測では作者に擬せられている宮崎利吉については、89~94頁「板木谷戸年表」に、92頁上段…

小泉二三『思い出の鑓水』(2)

・地方文化叢書1『思い出の鑓水』(2)著者① 印刷の「清水工房」は、充実したホームページを作成していて、その「会社案内」に拠れば昭和44年(1969)、軽オフセット印刷機をメインにした創業で、翌昭和45年(1970)に、庶民が自分の生きてきた事実をあり…

小泉二三『思い出の鑓水』(1)

・地方文化叢書1『思い出の鑓水』一九七四年六月二〇日発行・地方文化研究会・35頁・A5判並製本 表紙の用紙は短い毛を漉き込んだ横縞の透かしを入れた、やや青みがかった模造紙で、表紙とごく薄い背表紙の全面、そして裏表紙の左側に八王子市旧市街から百草…

武井一郎夫妻殺し(1)

一昨日まで検討した『ふるさと板木』は、存在は知っていたものの何となく見ることなく過ごしていたのであったが、国立国会図書館デジタルコレクションが「個人向けデジタル化資料送信サービス」を始めて、従来[国立国会図書館/図書館送信参加館内公開]で…

祖母の蔵書(46)文藝春秋

祖母は雑誌も買っていた。居間の、いつも座って本を読んでいたソファの脇には、唱歌の本、漢字パズル、都市地図、週刊誌などが積んであった。『鞍馬天狗』等小説の文庫本もあったが薄汚れていて、かなり長いこと積んだままになっていたようだ。貴乃花のファ…

道了堂(107)

・ふるさと板木編集委員会『ふるさと板木』(3)妙見菩薩 道了堂は鑓水の南東部に位置する板木谷戸ではなく、鑓水の北端の大塚山にある。だから位置からすると本書の範囲にならないのだが、その創建には板木谷戸の人々も大いに関わっていた。そのことが、66…

道了堂(106)

・ふるさと板木編集委員会『ふるさと板木』(2)石版画② 昨日の続きで、前回確認した明治26年(1893)の石版画「武藏國南多摩郡由木村鑓水/大塚山道了堂境内之圖」の、道了堂からの眺望について確認しよう。 この図には[墳 古]の左上に巻物のような枠を…

道了堂(105)

・ふるさと板木編集委員会『ふるさと板木』(1)石版画① 明治26年(1893)の道了堂を細かく描写した石版画「武藏國南多摩郡由木村鑓水/大塚山道了堂境内之圖」については、3月21日付(015)以来度々言及して来た。色々な本に掲載されているが、目の粗い版…

ふるさと板木編集委員会『ふるさと板木』(2)

前回見た「家と人と」だが、収録順は番地の順である。なお「―― 写真撮影 昭和44年1月――」とあるので年齢は昭和44年(1969)1月1日現在、すなわち昭和43年(1968)の誕生日での満年齢なのではないか、と思ったのだが、16頁下の「戸 主 小 泉 隆 造」の家族写…

ふるさと板木編集委員会『ふるさと板木』(1)

・『ふるさと板木』昭和四十六年四月三十日・非売品・ふるさと板木編集委員会・95頁 本書は、多摩ニュータウンの開発によって破壊される直前の、東京都八王子市鑓水の南東部、板木(伊丹木)谷戸を記録した写真集である。 都内・都下の図書館に幾らか所蔵さ…

祖母の蔵書(45)赤川次郎②

あまりメモを取らないつもりだったのだけれども、平成前半の帯を見ていると、どうしても色々確認したくなってしまう。 新潮文庫(2) 新潮社 ・新潮文庫4763/あ-13-17『ふたり』平成 三 年十一月二十五日 発 行・平成 五 年 一 月 二 十 日 六 刷・定価4…

祖母の蔵書(44)赤川次郎①

カッパ・ノベルス 光文社 ・㉗-8『三毛猫ホームズの恐怖館』昭和57年7月10日 初版1刷発行・昭和57年7月20日 2刷発行・定価680円・268頁三毛猫ホームズの恐怖館―長編推理小説 (カッパ・ノベルス)作者:赤川 次郎光文社Amazon※ 帯あり「●最新刊・書き下ろし・長…

道了堂(104)

昨日の続き。『日本農業全集』第三十五巻「月報」の山田桂子「「絹の道」をゆく/――東京・八王子市鑓水にて――」の5節め「北村透谷や武相国民党にもゆかりの道」の冒頭、10頁下段4~7行め、 その当時は、この/峠のふもとに茶店が/五、六軒あったとい/う。 …

道了堂(103)

昨日の続きで『日本農業全集』第三十五巻「月報」の山田桂子「「絹の道」をゆく/――東京・八王子市鑓水にて――」の4節め「道了堂は荒れていた」を見て置こう。 道了堂は大塚吾郎吉をはじめとする地元の生糸商人や豪農らの/寄進によって、明治七年に建立され…

道了堂(102)

昨日の続きで『日本農業全集』第三十五巻「月報」の山田桂子「「絹の道」をゆく/――東京・八王子市鑓水にて――」の内容を確認して行くこととしよう。と云って全てを押さえる訳には行かぬので、当日の状況、それから道了堂や絹の道・鑓水に関連するところに絞…

道了堂(101)

昨日取り上げた『やってみたいな こんなしごと』は、40頁(頁付なし)奥付の上に、まづ写真担当、次いで文の担当者の順で、顔写真の左に紹介文、右に「ひとこと・」として取材の感想がある。――山田氏の紹介だが、『看護婦さん』は1行め「文・山田桂子(やま…

道了堂(100)

「日本農業全集月報」に「「絹の道」をゆく――東京・八王子市鑓水にて――」を寄稿している、(主婦・農書を読む会会員)を称する山田桂子が、どうもただの主婦ではないらしいとの疑いから、前回8月24日付(99)にネット検索で判明した著書について述べたのであ…

声はすれども姿は見えぬ君は深野の蟋蟀(2)

以下の記事は9月27日付で投稿したのであったが、昨日述べたような事情で今日再投稿することにした。本文には全く手を入れていない。 その後、29日に家人が風呂場で、30日の夕方には私も風呂場で見掛けたが10余日滞留していたのとは別の、鳴かないからどうや…