瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

御所トンネル(3)

4月26日付(2)の続き。 『東京の民話』は149頁4行め「戦争の真最中」であることを強調していた。だから5行め「オッパイのふくらんだ駅員」の「ほうが多かった」のだ。これを「戦前」としてしまった小池氏の書き換えは、瑣事としてしまって良いものではない…

新潮文庫『小泉八雲集』(8)

今手許に①二十一刷・二十四刷・二十五刷がある。本体は奥付のそれぞれの発行日と、奥付の前に8頁ある目録のうち「新潮文庫最新刊」3頁が違うのみ。そこでカバーの違いについてメモして置く。2012年2月16日付(1)に二十一刷のカバー表紙、背表紙、裏表紙折…

松本清張『渡された場面』(1)

・新潮文庫2675(1) 渡された場面 (新潮文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1981/01/27メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (12件) を見る①昭和五十六年一月二十五日発行 ・平成六年一月十日三十四刷(265頁)定価388円*1 ②…

「新潮社の辞典!」の広告(5)

⑥新潮文庫2202『小泉八雲集』二十五刷(昭和六十三年五月十五日)定価440円*1 初めに予測可能だったことながら、 ・3月26日付(2)②『野菊の墓』八十四刷(昭和五十九年五月三十日)定価200円 ・3月27日付(3)③『野菊の墓』九十三刷(平成二年一月二十日…

御所トンネル(2)

前回4月25日付(1)に、小池氏に「誤り」があるとした話だが、この話のそもそもの原典は、次の本に収録されたものである*1。東京の民話 (1979年)作者: 中村博出版社/メーカー: 一声社発売日: 1979/06メディア: ?この商品を含むブログを見る・中村博 編『東…

御所トンネル(1)

・小池壮彦『異界の扉 怪奇探偵の幽霊白書』2004年9月25日第1刷発行・定価1,200円・学習研究社・220頁・四六判並製本異界の扉作者: 小池壮彦出版社/メーカー: 学習研究社発売日: 2004/09/15メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (3…

山下武『20世紀日本怪異文学誌』(14)

昨日の続き。昨日の記事には若干追加して置いた。 31回に及ぶ連載のうち、私の見た第60号に載るのは「(24)岡本綺堂」番号は黒丸に白抜き数字。181頁〜187頁上段、2段組、1段25行、1行30字。これが単行本では24番め(292〜303頁)に収録される「岡本綺堂「離…

山下武『20世紀日本怪異文学誌』(13)

3月の頭から4月中旬に掛けて、初出連載誌「幻想文学」の、第60号を手許に置いていた時分に、折を見て単行本とざっと比較してみた。 本書を初めて取り上げたのは2012年4月5日付「平井呈一『真夜中の檻』(17)」で、そこで「あとがき」及び「初出誌」に「ドッ…

鳥山喜一『黄河の水』の文庫本(3)

・角川文庫155(3) その後、改版二十二版と、Amazon詳細ページの書影と同じカバーの掛かった改版三十二版を見た。 【改版二十二版】昭和四十七年十月十日改版初版発行・昭和六十一年四月十日改版二十二版発行・定価300円・198+索引12頁 【改版三十二版】…

森鴎外『舞姫』の文庫本(09)

・角川文庫704『舞姫・うたかたの記』 2011年3月8日付(2)に、「カバー 奥村靫正」の改版四十四版と改版四十八版について記述し、なか見!検索で閲覧出来る改版四十七版も適宜参照して置いた。 その後、同じ表紙の改版三十四版と改版四十五版を見た。それか…

角川文庫の「Peach」の広告(2)

昨日の記事を上げてから、実はあそこに使った森瑤子『ジンは心を酔わせるの』よりも前に見付けて借りて置いたものを忘れていたことを思い出した*1。今朝気付いて、見るに昨日上げた2種とはまた別種であった。しかも奥付からすると、この忘れていたものが一番…

角川文庫の「Peach」の広告(1)

私は図書館に行ってもあまり中で時間を過ごせない人間で、鼻が弱いせいか、古くなった本の臭いに耐えられないのである。それで、調べ物をしていても、じきに居たたまれなくなって、館内をうろうろしてしまう。借りられるのなら入り用の本をさっさと借りて帰…

國木田獨歩『武藏野』の文庫本(3)

・新潮文庫60(3) ②高校図書館用と五十九刷との比較。 頁付のある部分と、その次の「文字づかいについて」一致。 高校図書館用は「文字づかいについて」の次が奥付でその後に目録があるが、五十九刷は目録があって最後の頁が奥付である。 形式は同じ、異同…

角川文庫の松本清張(5)

3月7日付「松本清張『内海の輪』(1)」に、同じ版にカバーが2種類あることを指摘し、その時差について考証したのであったが、ここで、角川文庫/松本清張作品集のカバーについて、まとめてメモして置くこととしたい。 ・伊藤憲治のカバー(1)背表紙 角川…

角川文庫の松本清張(4)

・昭和30年代 粒ぞろい短編集(4) 本体について。 1頁(頁付なし)扉、3頁「目次」、5頁(頁付なし)が1つめの作品の扉で、7頁から本文、1頁15行、1行38字。 郷原宏「解説」は『男たちの晩節』279〜285頁、『三面記事の男と女』277〜283頁、『偏狂者の系譜…

角川文庫の松本清張(3)

・昭和30年代 粒ぞろい短編集(3) 【3】角川文庫14614『偏狂者の系譜』 偏狂者の系譜 (角川文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2007/03/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (6件) を見る・平成十九年三月二十五日初版発行(283頁)…

角川文庫の松本清張(2)

・昭和30年代 粒ぞろい短編集(2) 【2】角川文庫14582『三面記事の男と女』 三面記事の男と女―Matsumoto Seicho Showa 30’s Collection〈2〉 (角川文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/02/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 7回…

常光徹『学校の怪談』(004)

昨日の続き。 * * * * * * * * * * 引用した部分の最後の方は少々分かりにくいが「その辺の週刊誌に出ている」というのは、「学者」が「口承文芸」として扱っている「怪談」の実態を指して、云っているのであろう。 これは私も常光氏の本が出始め…

常光徹『学校の怪談』(003)

3月23日付(002)の続きで、「幻想文学」第60号に掲載された、小池氏による常光氏批判発言について、見て置く。 「幻想文学」の第60号については、4月8日付「「幻想文学」(1)」に、昨年刊行された東雅夫 編『幻想文学講義――「幻想文学」インタビュー集成』…

角川文庫の松本清張(1)

・昭和30年代 粒ぞろい短編集(1) 松本氏の没後しばらくしてから、角川文庫では従来刊行していた短篇集を解体して、テーマ毎に新たに編集したものを出すようになる。2月23日付「松本清張『潜在光景』(2)」で見た、角川ホラー文庫『潜在光景』がその走り…

小池壮彦『幽霊物件案内』(1)

・ホラージャパネスク叢書『幽霊物件案内』 幽霊物件案内―怪奇探偵のマル秘情報ファイル (ホラージャパネスク叢書)作者: 小池壮彦出版社/メーカー: 同朋舎発売日: 2000/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る 2000年6…

松本清張「西郷札」(3)

後半の主要人物塚村圭太郎については、もう少し調べてから続きを挙げようと思っていたのだが、ここで4月7日付(2)の初めに触れた、主人公樋村雄吾の年齢の齟齬について、昨日来、他の本を見てみたので、それを先に取り上げて置く。 ・松本清張全集35 『あ…

「幻想文学」(1)

この雑誌については3月23日付「常光徹『学校の怪談』(002)」及び2012年4月5日付「平井呈一『真夜中の檻』(17)」に触れた。この雑誌には刊行時に存在も知らず、読んでいなかったし、後に何冊か図書館で閲覧したが、全部を一覧した訳ではない。 ・東雅夫 …

松本清張「西郷札」(2)

昨日の続き。21頁「四」章の冒頭、21頁2〜3行めを引用してみる。 東京に出た雄吾はしばらく何をする気力もなく、毎日を怠惰に暮らした。 明治十一年の東京はこの二十三歳の若者をもっとも刺激するものがあったはずである。…… 明治11年(1878)に二十三歳なら…

松本清張「西郷札」(1)

・松本清張短編全集(光文社文庫)西郷札―松本清張短編全集〈01〉 (光文社文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/09/09メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (6件) を見る『西郷札(松本清張短編全集01)』2008年9月20日初版…

中勘助『銀の匙』の文庫本(6)

常に鼻が片方詰まっている。今月に入ってから喉も痛くなって来た。そればかりではない。先月の半ばから、右の手首が痛くなって来た。右手を庇って左で重い物を持っているうちに、左の肋骨が痛くなって来た。肋骨は痛い。咳払いをしても響く。くしゃみも出る…

中勘助『銀の匙』の文庫本(5)

・角川文庫7496(4) 3日前からの続きでカバーの比較。 カバー裏表紙折返し、初版・十一版・十三版・十六版・十八版は右下KBマークのみ一致。他の部分の異同を点検するに、初版・十一版は「角川文庫/中 勘助作品集」として「母 の 死/銀 の 匙」が挙がり…

中勘助『銀の匙』の文庫本(4)

・角川文庫7496(3) 和柄カバーの続き。 表紙の右上、白の長方形の左端に当たる部分(横3.1cm)、右上に著者名、右下に小さく「角川文庫」、その左に大きく標題「銀の匙」振仮名「さじ」と、やはり明朝体で入る。 背表紙(0.8cm)は「な 3-1 中 勘助 銀の…

中勘助『銀の匙』の文庫本(3)

・角川文庫7496(2) ここで、私の見た二十九版に掛かっている、和柄カバーについて確認して置く。 白地に下が濃く上が淡くなっている水色の柄。上部にカバー裏表紙折返しから裏表紙・背表紙・背表紙の右上まで、長方形の白紙(幅8.0cm)を載せたようになっ…

中勘助『銀の匙』の文庫本(2)

・角川文庫7496(1) 銀の匙 (角川文庫)作者: 中勘助出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1988/05メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 16回この商品を含むブログ (23件) を見る①平成元年五月二十五日初版発行(201頁)定価301円 ・平成四年九月三十日十版発行 …