瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

遠藤周作「幽霊見参記」(14)

・文藝別冊「遠藤周作」(6)*1 4月24日付(13)の続きで、三浦朱門がこの一件についての解釈を述べている箇所を眺めて置きましょう。初版117頁(増補新版147頁)上段12行め〜中段6行め、 次の晩、今度は二人で伊東に泊まっ/たんですけれども、その時にわ…

松本清張『鬼畜』(4)

・映画(4)野村芳太郎監督 西村雄一郎『清張映画にかけた男たち』の映画『鬼畜』に関する記述は、西村氏のブログ「西村雄一郎のブログ」の2014-08-01「ドキュメント「張込み」㉙ 井手雅人の哀しい物語」を改稿したものである。この、脚本家の体験にウェイ…

松本清張『鬼畜』(3)

・映画(3)野村芳太郎監督 この映画のラストの解釈は、2013年3月15日付(2)に書いた通りで「かばった」とする解釈は無理だと私は思っている。あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション 鬼畜 [Blu-ray]出版社/メーカー: 松竹発売日: 2015/01/09…

『大鏡』の文庫本(3)

・岩波文庫30-104-1(3) 第22刷と第34刷の比較の続き。 1頁(頁付なし)扉は同じ。裏は白紙。 7〜8頁「目 次」は8頁の最後の行が、第22刷は上部に「解 説」下部に半角漢数字で「三〇九」とあったのが、第34刷では上部が「解説・補説・系図」に変わっている…

『大鏡』の文庫本(2)

・岩波文庫30-104-1(2) 前回の続き。 偶々手にした第34刷にて、校注者の最晩年に「補説」や「系図」の増補が行われていたことを知って、それ以前のものを見たくなって近所の図書館を覗いてみると、カバーの掛かっていない時期の第22刷があったので早速借…

『大鏡』の文庫本(1)

・岩波文庫30-104-1(1) ・1964年1月16日第1刷発行© ・1977年3月10日第15刷発行(331頁)¥300*1 ・1985年9月20日第22刷発行(332頁)定価450円 ・1988年7月25日第25刷発行(332頁)定価500円*2 ・1992年9月5日第29刷発行(332頁)定価553円*3 ・1994年6月…

遠藤周作「幽霊見参記」(13)

・文藝別冊「遠藤周作」(5)*1 4月22日付(12)の三浦朱門インタビューの続きで、その晩に何があったかを説明した箇所を抜いて置きましょう。初版116頁(増補新版146頁)下段5行め〜初版117頁(増補新版147頁)上段11行め、 その晩、遠藤の足元に灰色の着…

チェーホフの文庫本(1)

・岩波文庫32-622-3『可愛い女・犬を連れた奥さん 他一篇』神西清 訳(1) ・1940年10月11日第1刷発行 ・1967年10月16日第18刷改版発行©(122頁) ・1976年10月20日第27刷発行 ¥100*1 ・1979年4月20日第30刷発行 ¥100*2 可愛い女・犬を連れた奥さん―他一…

遠藤周作「幽霊見参記」(12)

・文藝別冊「遠藤周作」(4) それでは4月14日付(11)の続きで、初版116頁(増補新版146頁)上段19行め〜初版117頁(増補新版147頁)下段1行め、三浦朱門の語る「「熱海幽霊事件」の真相」について、眺めて置きましょう。 まず初版116頁(増補新版146頁)…

だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(10)

・将門伝説 3月31日付(06)にて「詳細は別に記す」と予告した、「よみがえる伝説の怪異」の章の「将門伝説」について、初版が6頁(105〜110頁)であったのが改訂版は8頁(95〜102頁)となっている、その増補改訂振りを確認して置こう。 「目次」には初版5頁…

だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(09)

4月18日付(08)の続きで、奥付について初版と改訂版を比較して置く。 奥付は横組みで、最後の頁(頁付なし)の下部にある。まず太い横線(8.8cm)が2本あり、その間(0.6cm)に明朝体太字で初版「多摩の怪談 ぞくぞくガイド」改訂版「改訂 多摩の怪談 ぞく…

八王子城(15)

・だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(3) 4月17日付(14)の続きで「八王子城の歴史を研究してきた人たちを驚かせた」理由を引いてみよう。11頁上段8行め〜13行め、 普通の武士なら鉄のよろいを着けてい/るはずで、幽霊は貧しい農民が竹製の武…

だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(8)

4月12日付(7)まで、細目を示して初版と改訂版の異同について確認した。その上で、そもそも本書を繙く切っ掛けになった八王子城の記事について検討を始めて編著者「だーくプロ」の素性について4月17日付「八王子城(14)」に推測を示して、初版の奥付の上…

八王子城(14)

・だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(2) それでは4月15日付(13)の続きで、10〜11頁「警備員が見た足のある幽霊」について検討して見よう。 冒頭部、10頁上段2〜5行め、初版は 実際、不思議としか言いようのないで/きごとが次々に起きている…

松谷みよ子『あの世からのことづて』(1)

・単行本(筑摩書房・202頁・四六判上製本)あの世からのことづて―私の遠野物語作者: 松谷みよ子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1984/12メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見る・一九八四年十二月十五日第一刷発行 定価一二〇〇円*1 …

八王子城(13)

・だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(1)*1 3月23日付(12)の続きで、3月28日付「だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(4)」にて予告した、同書巻頭の「八王子城」の節について検討して見よう。 9頁は右にリード文とスポット名、地…

遠藤周作「幽霊見参記」(11)

杉花粉の症状も出たが、檜花粉になってからが酷い。マスクをしているのは口呼吸を隠すためである。鼻の内側に瘡蓋が出来て、その上マスクをするので苦しいことこの上ない。 ・文藝別冊「遠藤周作」(3) それでは4月11日付(10)で予告した霊の一件について…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(22)

どうも間を置き過ぎて自分でもどこまで整理したか曖昧になって来ましたが、これ以上空けるといよいよ訳が分からなくなりそうなので、少し続きを整理して見ました。 ・ギンティ小林『新耳袋大逆転』(6) 3月24日付(21)の続き。 そしていよいよ単行本『新…

だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(7)

3月31日付(6)の続きで、初版の5章め、改訂版の4章めについて細目を見て置く。扉(頁付なし)は初版131頁・改訂版119頁、縦組みで上部中央に明朝体太字で初版「いつ〜つ◆」改訂版「よ〜っつ◆」◆は人魂型で中に光沢状に淡い人魂型が入る。その下、中央に古…

遠藤周作「幽霊見参記」(10)

・文藝別冊「遠藤周作」(2) 表紙は書影に示した通りで、Amazon詳細ページにてそれぞれ文字が読める程度に拡大して閲覧出来ます。 背表紙、〔初版〕は最上部に縦長の淡灰色の楕円(1.9×0.6cm)があって「文藝別冊」、少し空けて「総特集 遠藤周作 未発表日…

遠藤周作「幽霊見参記」(09)

・文藝別冊「遠藤周作」(1) 遠藤周作(1923.3.27〜1996.9.29)が、三浦朱門(1926.1.12生)と泊まった熱海の旅館で幽霊に遭遇した、と云う体験談は、遠藤氏も三浦氏もいろいろなところで書き、遠藤氏については雑誌に載ったものが単行本のエッセイ集に収…

草輕電氣鐵道(1)

2014年10月31日付「岸田衿子・岸田今日子『ふたりの山小屋だより』(4)」に取り上げて以来、気に掛かっているのだが、廃止直前のニュース映画(中日映画社制作)がDVDに収録されていることに気付いたので、紹介して置きたい。 ・昭和の缶詰 ニュース映画で…

チェーホフ『桜の園』の文庫本(6)

・湯浅芳子訳(6) 奥付の裏は「読書子に寄す」で、匡郭の四隅は繋がっていないが、第二九刷の匡郭(11.7×7.1cm)は各辺途中繋がっていないところがあり、下辺は擦れている。第33刷(11.6×7.1cm)も四隅が切れており、第44刷は同版に見える。第46刷・第55刷…

チェーホフ『桜の園』の文庫本(5)

・湯浅芳子訳(5) 奥付の文字は全て明朝体で、第二九刷は縦組み、中央やや下に四隅の切れた匡郭(7.0×5.0cm)があって、右側に小さく、 昭和二五年一二月二〇日 第 一 刷 発 行 桜 の 園 昭和三七年 九 月一六日 第一九刷改版発行 昭和四八年一一月三〇日 …

チェーホフ『桜の園』の文庫本(4)

・湯浅芳子訳(4) カバーについては、第46刷と第55刷の比較を3月7日付(1)にて済ませているので、第56刷について見ておく。 折返しは第55刷に一致する。 カバー背表紙も第55刷に一致していると思うのだが、私の見た本は最下部の数字が分類票貼付のため見…

チェーホフ『桜の園』の文庫本(3)

・湯浅芳子訳(3) 最初、3月7日付(1)及び3月8日付(2)では3冊の比較から始めたのだが、その後、カバーの掛かっていないものは第二九刷の他に第33刷・第40刷・第44刷、カバーの掛かっているものは第46刷・第55刷の他に第56刷を見た。 本体表紙は、第二…

万城目学『鹿男あをによし』(4)

ついでだから高1の遠足のことも書いて置く。 姫路で、現地集合だった。 集合時間よりも早く着いたのか、大通りに面したあまり大きくない本屋で岩波文庫の『本朝二十不孝』と、姫路の古い絵葉書を集めた横長の写真集、それから橋本政次(1886〜1973)の『姫路…

万城目学『鹿男あをによし』(3)

殆ど『鹿男あをによし』に関係しない雑談だが、別に題を立てる程でもないのでこのまま続ける。 * * * * * * * * * * 高3の遠足は明日香村だった。流石に電車で現地集合にするには乗り換えが大変なのでクラスごとにバスに乗って出掛けた。そしてま…

万城目学『鹿男あをによし』(2)

昨日、奈良に行ったことを書いて、いろいろと思い出している。 高校時代の私は、不良生徒で――といって校則を破ったりはしないので、そういう目立ちたがりの、構ってちゃんの不良ではなくて、構って欲しくないのでそういう目立つことはしないで、夏の水泳を前…

万城目学『鹿男あをによし』(1)

・単行本 鹿男あをによし作者: 万城目学出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/04メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 409回この商品を含むブログ (493件) を見る・幻冬舎文庫 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)作者: 万城目学出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 201…