瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

図書館派の生活(2)

一昨日の夕方に全国の小学校・中学校・高等学校の休校が突然要請されて、それに倣ってか、先週辺りから行事の中止を告知していた都内・都下の公立図書館が、昨日辺りから休館すると言い出した。では休館期間に当たってしまった返却期限も延びるのかと思って…

芥川龍之介旧居跡(23)

昨日の続き。 ・北区立田端図書館(1) 今「田端」と聞くと、私のような余所者には、JR東日本の山手線・京浜東北線の田端駅が想起されてしまうので、田端駅から離れている田端図書館に若干違和感を覚えてしまうのだが、田端駅のある台地の下は明治の半ばま…

芥川龍之介旧居跡(22)

先日、完全に暗くなる前に西日暮里駅で下車して、山手線の内側の坂を上って田端台に登る*1。 行くぜ、東北。SPECIAL 冬のごほうび 2019 青森篇 行くぜ、東北。SPECIAL 冬のごほうび 2019 秋田篇 行くぜ、東北。SPECIAL 冬のごほうび 2019 岩手篇 行くぜ、東…

田口道子『東京青山1940』(24)

・『現代民話考』の青南国民学校(5) 『現代民話考』の「子どもたちの銃後」に見える戦時下の青南国民学校(青南小学校)についての、田口氏の同級生西原(大村)煌子の回答の続き。 【2】「六 竹やり訓練など」では、冒頭、単行本299頁6行め「○東京都港区…

田口道子『東京青山1940』(23)

・『現代民話考』の青南国民学校(4) 一昨日からの続き。 昨日の引用中に「先にも触れたが、‥‥」とあったのは、第一章 時代の風のなかで【7】兵隊さんのいた風景の節で、冒頭、28頁8~11行め、 もう半世紀以上も前になる戦前のあの頃、青山にはそんな自然…

田口道子『東京青山1940』(22)

・『現代民話考』の青南国民学校(3) 昨日の続き。 続く「ビルマのバーモ首相」は日本占領下で独立し昭和18年(1943)8月1日から昭和20年(1945)3月27日まで存在していたビルマ国内閣総理大臣バー・モウ(1893.2.8~1977.5.29)で、昭和18年(1943)11月5…

田口道子『東京青山1940』(21)

・『現代民話考』の青南国民学校(2) 昨日の続きで『現代民話考』の「子どもたちの銃後」に見える戦時下の青南国民学校(青南小学校)についての、田口氏の同級生西原(大村)煌子の回答を本書と照らし合わせながら確認して置こう。 前回確認したように3つ…

田口道子『東京青山1940』(20)

・『現代民話考』の青南国民学校(1) 先日、現代民話考『学校』の「子どもたちの銃後」を眺めて、そこに載っている北川幸比古*1の談話について昨日、2月21日付「赤いマント(222)」にて確認したのは、本書に内容的に重なるように思ったからである。――近隣…

赤いマント(222)

昨日の続きを上げようと思っていたのだけれども、もう少々確認すべきことが出て来たので後回しにする。遠からず続きを上げるつもりである、と云いながらそのままになってしまった記事が余りにも多いのだけれども。 ・北川幸比古の学年(1) 当ブログでは北…

赤いマント(221)

もともとは2019年12月24日付「森川直司『裏町の唄』(1)」に述べたように、森川直司『裏町の唄』を「赤いマント(221)」として取り上げる予定だったのだが、前段階の考証で長くなってしまった。昨日まで続けた田口道子『東京青山1940』にしても同様で…

田口道子『東京青山1940』(19)

・著者の家族と住所(8) 昨日の引用の続き。258頁5~8行め、 地下鉄の駅を降りてからの道すがら、一面の焼け跡とそこに早くもバラックが建っているの/を見ていただけに、家の方向に下る坂道を半ばまで歩いてきて、ついこの間のままのように焼/け残ってい…

田口道子『東京青山1940』(18)

・著者の家族と住所(7) 田口氏の強制疎開までの住所が「東京市赤坂区青山南町5丁目84番地」であったことは、1月23日付(03)に引いた144頁上の写真キャプションにて、2月12日付(12)等に確認して来たが、本文の方にも、第二章 昭和戦前「青山」の街・人…

田口道子『東京青山1940』(17)

・著者の家族と住所(6) 「絹靴下事件」の主役である姉はもちろんのこと、田口氏も福井県立高等女学校で同級生たちと上手く行っていなかったようだ。その辺りが疎開先を明示しないことに繋がっているのかも知れない。 231頁12行め~232頁1行め、 学校は関…

田口道子『東京青山1940』(16)

・著者の家族と住所(5) 田口氏の半年の疎開生活は、第四章 新しい時代が開く前にの【14】もう一つの戦い、【15】都会ふうは非国民、【16】まだ大きかった地方都市との文化の落差、【17】窮鼠一匹猫軍団を東京弁で撃退の4節にわたって詳述され、さらに【20…

田口道子『東京青山1940』(15)

・著者の家族と住所(4) 2月12日付(12)の最後に確認したように、母親と妹の田口氏とともに福井県今立郡鯖江町に疎開した次姉は、2学年上で昭和20年度には高等女学校4年生だったはずなのだが、高等女学校2年生に転入するはずだった田口氏が、2月14日付(1…

田口道子『東京青山1940』(14)

・著者の家族と住所(3) 田口氏は疎開先を「北陸の町」とするばかりで何処なのか明記していないが、かなり具体的な記述があって福井県今立郡鯖江町(現・鯖江市)と察せられる。 224頁10行め「三月末」、東京を離れる際、218頁1行め「東京駅でホームに並ん…

田口道子『東京青山1940』(13)

・著者の家族と住所(2) 前回見たように田口氏は小学生時代に「赤坂区青山南町5丁目84番地」に住んでいたが、東野家はその前後、何度も転居している。 前回引用した第二章 昭和戦前「青山」の街・人・暮らし【48】貸家の「貸し屋札」はどれも斜めに、小学3…

田口道子『東京青山1940』(12)

・著者の家族と住所(1) 著者・田口氏は1月21日付(01)に引いた、奥付及びカバー裏表紙折返しにあるように昭和7年(1932)生、2月9日付(09)の最後に確認したようにその早生まれ、昭和6年度生である。 134頁8~9行め、田口氏の「‥‥父は当時サラリーマン…

田口道子『東京青山1940』(11)

・写真(4) 掲載される写真について、最後に出所が明示されていないものを挙げて置こう。 23頁、キャプションは1月22日付(02)に引用したが「クラスメート(積田せつ子)のクリーニング店」の写真で、洋風2階建、2階の窓の下、間口ほぼ一杯に「色染 グン…

田口道子『東京青山1940』(10)

・写真(3) もうしばらく、285頁「〈写真・資料協力〉(順不同 敬称略 カッコ内は掲載ページ)」について、細かく見て置こう。 2行め「港区みなと図書館〈25(中)、29、30、31、55(上)、73〉」。昭和16年(1941)の大通りや軍などの施設の写真が多い。25頁上…

田口道子『東京青山1940』(09)

・写真(2) 前回見たように、田口氏は版元の編集長の提案を承けて、写真蒐集に精力を傾けている。その成果が285頁「〈写真・資料協力〉(順不同 敬称略 カッコ内は掲載ページ)」に纏めて示されている。1月21日付(01)には「写真・資料協力」とは別に、「青…

田口道子『東京青山1940』(08)

・写真(1) さて、2月6日付(06)に見た、本書の紹介文4種(仮に【A】~【D】とした)のうち、【D】を除く3種でまづ挙げられていた昭和15年(1940)の日記だが、2月7日付(07)に見たように引用されているのはその1割ほどに過ぎず、本書執筆当時の筆者…

田口道子『東京青山1940』(7)

・日記本文(2) 昨日の続きで、本書にどの程度、昭和15年(1940)の日記原文が含まれているか、日付順に確認して置こう。 ・一月十日(52頁14行め~53頁1行め) ・一月十九日(68頁5~7行め) ・一月二十三日(68頁11行め~69頁1・3行め) ・二月十日(61…

田口道子『東京青山1940』(6)

・日記本文(1) 版元の岳陽舎HPでは、本書について「この本の内容」で以下のように紹介している。 戦時体制が台頭し始めた1940年、あらゆる社会システムが戦争に向かって準備を整え始めたころ、赤い表紙に「皇紀」2600年の文字が躍る日記帳に毎日の出来事…

田口道子『東京青山1940』(5)

・細目(4) 1月24日付(4)の続き。要領は1月22日付(2)に述べた通り。 第四章 新しい時代が開く前に 【1】盛り場銀座もおしまいだぁ 214(1~216・15) 215頁写真「昭和20年9月、敗戦直後の銀座4丁目の服部時計店(現在「和光」)前。いち早く接収さ/れ…

『夢で田中にふりむくな』(7)

・典拠(4) 昨日までの3回に「不思議な世界を考える会会報」からの分を見て置いた。今回は最後に挙がっているそれ以外の資料からの分を見て置く。要領はこれまでに同じ。 * * * * * * * * * *久保孝夫「高校生が語る現代民話」(『研究集録おお|…

『夢で田中にふりむくな』(6)

・典拠(3) 一昨日からの続きで、平成7年(1995)頃の「不思議な世界を考える会会報」からの分。要領は一昨日に同じ。 * * * * * * * * * *同37号(94年4月)●「私たちの百物語スペシャル」|渡辺節子編―― 二階の窓から/(94頁10行め~95頁4行め…

『夢で田中にふりむくな』(5)

・典拠(2) 昨日の続きで、平成5年(1993)と平成6年(1994)の2年分の「不思議な世界を考える会会報」からの分。要領は昨日と同じ。 * * * * * * * * * *同30号(93年2月)●「ヤングの知っているこわい|話」(13) 岩倉千春編 東邦大学理学部1…

『夢で田中にふりむくな』(4)

・典拠(1) 233〜235頁「話のもとになった資料」に拠りながら、内容と出典を確認して置こう。 233頁、天から中央やや下まで黒地の短冊状(11.7×0.6cm)になった下部にゴシック体白抜きで「話のもとになった資料」とあって、以下2段組で『不思議な世界を考…